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[『都合はこじ開ける』との言葉にはこちらも苦笑を返し]
ありゃ、そうなんだ
んー。流石にそこまでいくなら申し訳ないかも
練習時間とかと被らない様にしておかないとね
[にべもなく返したその言葉に反応するように、男は平謝りに謝った]
『す、すまーん!
事件のことを調べているからてっきりあの野郎の仲間かと!いつもはカタギなんて襲ってねえんだ!誓って本当だよ!』
いやまあ、別にアタイもカタギってわけでもねえから、それは別にいいんだけどよ。
何もんだ?そのヴィリーって奴。
『ええ!?許してくれんのかい!
アンタ、いい女だ!女神だ!』
いやだから、それはいいから。
『ええ。聞いてくださいよ、姐さん!』
……もう、姐さん呼ばわりかよ。
[男の変わり身ように、思わず苦笑した]
─広場・露店近辺─
[首を捻るベッティの様子に、にや、と笑って]
あっまいなぁ。
鈴やベルも、ちゃんとした演奏のできる楽器なんだぜ?
ま、お前の場合、大掛かりな楽器は持ち歩けないんだし、小回り効くほうがいいんじゃないか、ってのも、あるんだけど。
[客寄せ、の発想はなかったり]
―広場・露店―
[アーベルにはそうか、とだけ答え]
[風の感触に小さく息を吐いて肩の力を抜く]
賭けるつもりで、ではないけれどね。
[カヤに水を向けられればやはり短く答えた]
[ベッティにも頷いて]
あまり高いものだとなかなか売れないからね。
身の回りの品は軽い方がいい。
[首を捻る姿にはやはり笑って]
何を使ってもやはり心はそれとなく伝わるものだよ。
気の持ちようが一番なのはどんな楽器でも変わらないさ。
[持ち歩きに関するアーベルの意見には同意を示した]
ん、俺は未だー。
どうすっかなと思ってさー。
[ぺろ、と飴のついた親指を舐めてから、
周りを見渡して、その場に居る人たちに手を振る。]
んじゃ、俺そろそろ帰るわ。
またな!
[言うと軽くとんとんと飛び。
瞳と同じ色のマフラーをはためかせて、人ごみの中へと駈けて行った**]
─広場・噴水傍─
動き回ってる方が性に合ってそうだもんなぁ、あの小僧。
あのオッサンも気苦労が絶えなそうだ。
[くく、とおかしそうに喉の奥で笑った]
[伸ばした手は触れた髪をさらりと撫でるに留め]
からかったつもりはねぇんだけどな。
だが仕事で来てる以上、他にうつつはぬかせねぇ。
[隻眸で翠眼を見つめ]
[先に逸らしたのは向こうだった]
[撫で終えた手は再び己の下へと戻る]
初対面だなんだってのは気にしなくて良い。
俺に必要なのはいつも”情報”なんでな。
[あまいと言われると頬がひくりと動いた]
そうなの?
でも一人で演奏するのは難しいんじゃないの?
[あまり楽器に関する造詣には深くない]
[男のしゃべることには余計なことも十二分に含まれていたが、要約すると、レナーテよりも先に連続失踪事件について調べていること。それから、品行方正に悪人をやっている自分達までも、他のグループと同じように締め上げていたということが聞けた]
……悪人やってんなら、自業自得じゃねえか。
『悪人悪人言いますけどね、姐さん!
うちらは、悪人なりのポリシーってもんがあるんスよ!
カタギや弱いものいじめなんてしない昔ながらの悪人ってやつッス!
それをあいつときたら、まるで何もかも悪いかのように一緒くたに締め上げては強引に情報を巻き上げましてね!本当に悪なのはあっちのほうッスよ!』
ふむ……。
[男の言葉に、レナーテがアゴに手を当て考え込んだ]
悪の定義についてはよく分からんから置いといて。
『置かないでくださいよ!そこ大事なところッス!』
あー、うるせ。
……んでも、同じ事件を調べているってのはちょいと気になるかな。
さ、てっと。
お仕事おしごと。
[軽い足取りで、露店の広場を離れてするすると何時ものように裏道を駈け抜ける。
一度自宅へ帰ると、入り口の黒板に魔法のペンで何時もの書置き。
養父が何処に今いるかを確認し、一度着替えてから、
暗くなるのを待ち、再び灯りの灯ったままの自宅を走り出た。
黒い服に何時もの帽子と黒いマフラー。
真っ黒に包まれた小柄な少女は屋根を伝いベランダを走り、
闇の中を滑るように移動する。]
その辺りはまあ、話し合って決めるといいさ。
じゃあ、そういうわけで。
ぼくは少し寄るところがあるから。
[楽師の姿が案外近くにあるとは気づかず、片手を上げた。
露店のほうへ向かおうと背を向ける]
[目的の人物を見つけると、少し離れた位置でひとりになるまで尾行。
彼が独りになったのを見計らって、そっと駆け寄った。]
爺っちゃん!大変だ!
[自警団長は、驚いて振り返る。]
攫われた人が見つかったって!!
こっちだ、来てくれ!
[何時もの団長なら、団員に連絡を取ってから向かうだろう。
だが、養女という事があったからか、疲れてでもいたのか。
彼はそれをせずにただ、少女に着いて走る事になった。
残念ながら、そのふたりの姿を目撃したものも居ないようで。
――勿論、彼女が人の通らない道をきちんと選んだ結果だが。]
候補が多いから難しいよね。もう少し考えてみよっと。
うん。ブンタさんによろしく。またねー。
[人ごみの中へ向かうカヤに大きく手を振った]
―孤児院裏の路地―
爺っちゃん、ごめんな!
[少女の小さな呟きは、団長に届いたか届かぬか。
ぷつり、細い針は良く熟知された鎧の隙間を縫って団長の腰に
僅かな傷をつける。
魔法だか薬だか、即効性の睡眠薬。
血に乗せてられたそれに老体はどさりと倒れ伏し、
少女はその体を苦労して木箱の近くに隠し、見下ろして]
――後、任せたぜ。
[小さく呟いた**]
そうだね
となると、こちらの手札も確認しておかないと
私は一度宿舎に帰ろうっと
[こちらも近くにエルザが居るなんて気付かずに、ライヒアルトに手を振ってその場を*後にした*]
─広場・露店近辺─
ん、ああ、またなー。
[駆けて行くカヤに手を振って。
その姿が見えなくなると、また、露店の方へと視線を戻し]
ん、やっぱりにーさんはわかってる。
[ハンスの同意が得られた事に、少しだけ嬉しげに笑った]
ま、どんなものにもいえるけど、簡単、ってのはないさ。
でも、鈴とかベルだけで独奏、十分いけるぜ?
……物があるなら、実演できなくもないんだけど、さすがに持ってないからなぁ……。
『姐さん!
その口ぶりだと、俺達のカタキを取ってくれるんスね!』
とんねえよ!……って、まあ、もしかしたら、なんかこんかあるかもしんねえかなあ。
まあ、他に情報があるわけでもなし、とりあえず探し出して、会いに行ってみるかね。
『さすが姐さん!すごいッス!尊敬するッス!応援するッス!』
……お前、何か勘違いしてね?
[半眼でぼやいた。
レナーテは変な魅力があるというか、姐さん気質があるというか、妙に色んな人に親しまれるところがあった。
基本的に性格がカラッとしているせいなのかも知れない]
―広場/噴水近く―
動き回ってると、ですか。
[ちょっと違うかもしれませんけど、確かに。
否定とも同意ともつかない返答。
続いた男の台詞に、向き直り口元に手を添える]
あら、情報?
それなら、さっきのは情報を渡した代金かしら。
お仕事ではないときに、きちんと聞いてみたいものだわ。
[若干茶化してみせ、]
情報を得るのがお仕事に必要なんて、混み入ったお仕事みたいですね。
お金稼ぎたいーって気持ちが、音に乗ってお客さんに伝わっちゃうと困るかしら。
……手段として楽器を使うのは、間違ってる?
[師匠の言葉に悩んで]
独奏のお手本見せて欲しいけど……流石にお店でも扱ってないわねー。何か代わりになりそうな物ってあるかしら?
[師匠を見て首を傾げる]
んじゃまあ、探してみるかね。
あ、後、お前。事件について何か情報掴んだら教えてな。それなりの礼はするからよ。
『礼!?
も、もしかして、ぱっ!ぱぱぱふぱふとか!?』
しねえ!!!!!
[最後に思いっきり殴りつけてやった]
―広場・露店―
ああ、またね。
[去ってゆくカヤを見送る]
本気でやればすぐに分かることだろう。
だからこそ……。
[気持ちが出てしまうから][楽団では歌えなくなった]
[そこまでは言えずに]
とりあえず音が出るというだけでいいならあるよ。
[売り物としてはまだ出せない品]
[磨く前の煤けた扉飾りの鈴を奥から取り出した]
[裏通りから出ると、それなりに時間は経っていたようで、太陽の位置がかなり変わっていた。
しばらく、薄闇に慣れていた目が細くなり、手で影を作りながらそれを見上げる]
おお。もうこんな時間か。
まずは、自警団詰め所に言って、団長から話の続きでも聞きに行くとするかい。
[そう言って向かった先で、その自警団長が失踪したと聞くのは*それからすぐの話*]
─広場・噴水傍─
最初見た時も屋根の上を駆けてたからな。
[余計な一言]
[実際見たままを言っているだけなのであるが]
んなこと言ってると仕事終わった後にホントに押し掛けるぜ?
代金と思うならそれでも構わねぇ。
俺は世辞は言わん。
ああ、言って無かったな。
俺はジャーナリストなんてもんをやってる。
この街で起きてる失踪事件を取材しにきた。
…アンタは何か知ってるか?
[口元に笑みを張り付けたまま隻眸が細められ]
[相手の一挙一動を見逃さんと言わんばかりに視線を向けた]
稼ぎたい、という気持ちよりも。
お客さんに品を見て欲しいという気持ちが前に出れば。
一概に無理だとも言えないけどな。
[悩むベティに答え]
楽器としての役目まではこれじゃ無理だろうけどな。
どういう意味かなら分かるかもしれない。
アーベルならね。
[エルザにしろアーベルにしろ]
[器用に色々と演奏するのを見てはいたから]
[悪条件をどうするのか面白がっている節が無いとも言わないが]
― →広場露店付近―
[通り抜けていった少女の姿には気がつかなかった。
ちなみに万華鏡の件については今は忘れているらしい。
露店の一つを覗き、飴玉の詰まった袋を一つ購入して、さて帰ろうかと背を向けて]
おや。
[ここ最近で見慣れた露店の前に、先程見かけた楽団見習いの姿を見つけた。
何気なく近づいてみる]
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