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ん…そう、だね。
さ、へその緒切って、産湯につけてあげなきゃね。
ブリジットさんに怒られちゃう。
[ダーヴィッドに返答した後、涙を堪えるように上を向けば気丈に笑って。
無理をしているのは丸分かりだったろう。]
─台所─
[ブリジットを視た後は再びゲルダへと意識が戻り]
そう、なんだ。
うん、ローテュ、なきごえ、が、おうた。
おと、きれい。
[ゲルダの硬い笑みには気付けない。
対象的にカルメンは楽しげな笑みを浮かべた]
はぁい、ローテュ、と、ここに、いるー。
[ユリアンに頼むと言われると、頷きで返事をする]
そう、オレの親が。
母親が教会に影響されてたらしくてな。
オレを育てるように言われたらしい。
[つまりそれは実の親ではないということ]
…ま、勝手に集めるほうも集めるほうだが、こんな状況下で行動を移すほうも移すほうだ
[ユリアンの呆れたような口調に、同じく呆れた声音で返し、いってくるというのは静かに見送るつもりで]
…あのときもそうだが…何を見てるんだ?カーラ…他に何が見える?
[怯えさせぬように単なる疑問というように聞く]
[ロミが泣くのを見て、自分も抱きしめたかったがヒカリを腕に抱いているのと、自身が血と羊水で汚れている為にそれを堪えて]
ロミちゃん。
ブリジットさんに、おつかれさま、してあげて。
がんばったん、だから。
─台所─
[自分の周囲を取り巻く不思議そうな雰囲気。
それに気付き、カルメンは首を傾げた]
ぅ?
ブージェ、いま、あっち、いた。
[指差すのは先程視線を向けた方向]
……そう、なんだ。
育てるように。
教会、の――…
[明確には言われずとも、同胞の境遇は窺い知れた。
何か、引っ掛かったような気がしたけれど。
けれど、それ以上の疑問は、今は追及しなかった]
あ、いや、だから。
ほんとに、ブリジットさんがみえてるのか、って。
[ゼルギウスの問いに、掠れた声で答える。
それ以上の説明をする余裕は、今は持てなくて]
……俺、とにかく、行ってくる!
[カルメンの返事に、軽く唇を噛んだ後。
湯桶を手に、急ぎ足で台所を出た]
…ブリジットさんなら、あの惚気以上の勢いで怒りそうだ。
[無理をしていることを察し、返す言葉は紛らせるためにか明るいもの]
産湯、まだだっけ?
とりあえず、台所の連中に、伝えてくるよ。
─台所─
ほかー?
[ゼルギウスに言われ、もう一度部屋のある方向を視て]
ブージェ、いるー。
まわり、しろい、はすー。
[今度はギュンターの時とは違い、白い蓮が視えていた。
闇の者に襲われたのではない、そして闇の者では無い証拠]
ああ、そういうことな。
[ずっといたからか何か知ってるのでは?とかんぐったのもあったが、少なくとも今聞き出すことができないのか。あるいは言葉通りか]
引き止めてすまん。いってこい
[どちらにしても意味はないか。となんだかえらそうに見送るのでした]
[赤子のことはローザに任せることにした。無理をしているようにも見えたが、初めての自分よりは良いだろうと思う。
涙を拭うロミを慰めるように何度も頭を撫でた]
Der Gerechten Seelen sind in Gottes Hand
und keine Qual ruehret sie an.
[ローザの言葉を聞いて促すようにロミの肩を叩く。
囁くような声で鎮魂歌の一節を口にした]
……赤いとか、蓮とかも、言っていましたっけ。
[呆気に取られた風。
ユリアンの簡潔な答えと、出て行く後ろ姿を一瞥して]
ロートス、何か知ってます?
[情報源にしようとするのが鸚鵡な辺りはどうなのか]
─台所─
ほか、は、いない。
いま、みえる、の、ブージェ、だけ。
[そう答えて、再び顔が動く。
今度は広間の方向へ]
あ。
あっち、じーちゃ、いる。
……………、
[少し長い沈黙の後、]
視えるみたい。
カルメン。
その、死んだはずの彼女が。
[こちらも今知り得る限りの事を簡潔に]
子供を遺して、か。
――壊す手間が省けたね。
それに、子供なんて、壊す必要もない。
場が出来たときには、居なかったんだから。
…折角生まれてきた新しい命なんだからさ、笑顔で迎えてやろうぜ?
[ローザやロミルダが泣いているのに、上手く慰める手が思いつかない。
もしかしたら、とんでもなくデリカシーというものを欠いているのかも知れないけれど]
泣くのは、ブリジットが怒るんじゃないか?
……い、です。
[ローザに返事をしたかったようだが、声の最初のほうは掠れた。
クロエに促されて、涙と洟で酷い顔を半ば無理やりに上げつつ、眠っているようなブリジットの顔を見る]
…ブリ、ス、さ、…
[また目に満ちてくる涙のせいで声を詰まらせてしまい、言葉が出てこない。
その代わりというように、もう片手で労うように頭を撫でた]
ブリジットさんだけで…白い蓮〜?
そういや、団長のときは赤い蓮とかいってたっけか
[とはいえいまいちわからずに混乱する。これが嘘をつくタイプならば…縁起?…はさすがに今は考えても仕方ない。本心として見えると仮定して考える]
まだ団長も見えるのか…
[いや、そもそも。何がきっかけで、どういう対象が見えているのだろうか。この二名の共通点…]
…なんか…嫌な予感がしてきたっていったらだめか?
……みえた、って事は。
それって、つまり。
[掠れた声で呟きながら、歩みを進める。
去来するのは、嫌な予感。
産室に近づくと、少し、歩みは滞るやも]
[一方、ゲルダに問われた鸚鵡はこきゅ、と首傾げ。
説明するには、語彙が微妙に足りないのか、悩んでいる様子]
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