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─エーリッヒ宅─
うん……難しいよね。
[こくん、と頷き一つ。
上げられる友達の名前には、思わず笑って]
ディも、友達だったらすぐに上げられるんだよ。
ミィは、大事な友達だから。
[大分、力の抜けた口調で言った後。
上げられる例えに、にぃ、と声を上げる]
……そっか。
うん、ちょっと、考えてみるんだよ。
ありがと、リィにい。
─ギュン爺の家→外─
[ゼルの頷きにはぎこちないながらも微笑み、自分も彼に続いて外へと出て。
しばらく無言で歩いていただろうか、ためらいがちに問いかけた。]
……大丈夫?
[悩んだ挙句、こんなことしかいえなかった。]
[作りかけの生地を手にして]
はは、あははは…
[空いた手で顔を覆い、乾いた自嘲を。こぼれだしたそれは止まらず、涙と共に。
自責の念と、後悔に彩られた感情はただ、あふれてこぼれだすばかりだった]
─自宅─
そっか。
[ミハエルは大事な友達だと聞けば、自分のことのように嬉しげに笑う。礼を言われると「どう致しまして」と返し]
……ところでユーディット。
足、怪我してたりする?
[家の中に招き入れた時のことを思い出し、笑みを浮かべたまま訊ねた]
─白雪亭─
[暫し座り込んだまま流れるままに雫を零していたが、ぐいっと目元を拭うと、]
………………泣いてても、始まんない。
[ぽつりそう呟くと、痛む頭を押さえつつ立ち上がる。]
─エーリッヒ宅─
[嬉しげな様子に、何となく自分も嬉しくなって、にこりと笑い]
……ふにぇ?
[直後の問いかけに、ぴし、と固まった]
あ、と、ええ、と……。
……多分。
じいちゃのとこに行く時、一回、転んだ、から……。
[ぽそぽそと、声が小さくなるのは、いつもそれで怒られている条件反射かも知れない]
―村の通り―
[自宅へ戻る道中、言葉はなく。
特にそれを違和と思うことも、青年にはなかったのだが]
何がだ?
[不意に投げられた問い、それだけから意図を汲むことは流石にできず。
瞬きを一つしてから、イレーネを見た]
─自宅─
…やっぱり。
気を付けて、っていつも言ってるだろー?
よし、足見せて。
[呆れるように言ってから席を立ち。作業場の棚から真新しい布を取って来る]
転んだってことは、捻ってる可能性あるよね。
ゼルギウスのところみたいに薬は無いけど、布巻いて固定すれば少しはマシになるだろ。
―ギュンター宅入口付近―
[駆けて行くベッティに気をとられたは瞬時。
>>7 紅髪の狩人の青年の声に、ぐ、と顔を上げて]
…、う…
[頬に触れて離れる──手の雰囲気に、慣れぬ態で身を固める──も]
ボク、らのいのちは──
…廻る…ものだから。
[淡い笑いに、ぐ。と口を引き結び]
──それが、永遠には、続かない、と、知っている。
…だから。
[自分から離れたレナーテの手に手を伸ばして、狩りをする者の、硬さを持つ手を捕まえて]
ボクは、…
…いなく──ならないで くれ、とは。
……頼めないのだよ。
[きゅ、と軽く力を込めて、困ったように笑い、──そのまま、離した。]
けれど、
けれど。
いのちがひとつ尽きても。
言葉は、残る。
そうして、言葉には──、心が宿る。
[肩に乗る手に、笑って]
残したい想いが、あるなら、
言ってくれれば。
…覚えて──おくのだよ。
[静かにそう言って、肩を叩く促しに──ととん、と、歩き出す。]
―パン屋―
[こぼれるものも、器の中に納まるのならば、止まるだろうか]
ああ、知らせないと、いけないな。
[涙も、自嘲もなく、平時のように、作りかけの生地は元に戻し]
ゲルダ、少し借りていく。
[すでにいない、その者に断りをいれて、一度顔を洗い。
パン屋を後にした]
─エーリッヒ宅─
にぃ……だって、慌ててたから。
[呆れるように言われて、傍目にもわかるほどにしゅん、とした]
捻った……か、な。
なんだか、歩き難いから、そうかも、知れない。
[ぽそぽそ言いながら、言われるままに右足を見せる。
不自然に捻った足首は、左と比べたなら、腫れているのは見て取れるか]
─白雪亭─
[そうして向かったのは、食堂の上にある自分の部屋。
乱雑に散らかった机の上から、白紙と何枚かの書きかけの紙と墨を引っ張り出すと、]
……………『死神』の話が本当なら、そのうち……なんて言ってらんない。
ユリにぃの言った通り、この先生きのこれないかもしれないなら……
うん、後悔は……したく、ない!
[そう言うと、地べたに座り込んで凄い勢いで何かを書き綴る。
その内容は、色々な食材や調味料、その分量や加工方法。
つまりは、今までストックしてきた料理のレシピである。
その中には、新作きのこの漬け物のレシピも。]
─村の通り─
[問いかけに対して、何が、とゼルから問いかえされると。
自分自身、良く解らないままに言った部分もあったので悩みながら言葉を探した。]
…さっき。
様子が、いつもと違ったから。
…あたしは兄さんが甘えられるけど、ゼルはそういうの、見せないから。
…大丈夫かなって、思ったの。
[余計なことって怒られるかな、と思いながらもやっぱり心配で。
そんな風に、言いづらそうな微妙な表情で。]
―村のどこか―
[足取りは軽いとはいえない、だから、誰かに会うのもきっとだいぶたってから。
パン屋のところにいた時間も長かったせいかもしれない。
誰かにあったならば]
ああ、ゲルダが刈られた。
つくりかけの生地が、あった。
[そう、感情を見せない様子で、*告げていた*]
─自宅─
[慌ててたと言ってしゅんとする様子には苦笑が漏れる]
余程急いでたんだね。
…ああ、随分腫れてるじゃないか。
後でちゃんとゼルギウスに見て貰うんだよ?
放っておくのは絶対、ダメ。
[言いながら布を帯状にして、きつ過ぎないように気をつけながら患部に巻き付け固定する]
─エーリッヒ宅─
うん……ミィに、じいちゃが刈られたかもって、聞いて。
そしたら、じっとしてられなくなって。
[父が文字通りの帰らぬひととなってから、何かと世話を焼いてくれた長は、実の祖父と言ってもいいくらいで。
だから、意識は完全にそちらへ向いていた]
……う、ん。
ちゃんと、ギィにいのとこ、いく。
……かたつむりのとこ、行ってから。
[長の家の前での様子から、転んだのは当に気づかれているだろうから、きっと、逃げようはない。
そんな事を考えながら、大人しく手当てを受けた]
─自宅─
……そっか。
[慌てた原因を聞いて納得し、小さく呟いた]
かたつむり?
あまり寄り道しないで治療受けに言って欲しいけど…。
まぁ、ちゃんと行くって言うなら、良いか。
よし、終わり。
移動中にまた転ばないようにね。
[布を巻き終わり立ち上がって。お約束のように注意を紡いだ]
―村の通り―
[たどたどしくも心配を紡ぐ声。
眉を寄せながらそれを聞いて、やがて元に戻る。
思い当たる節は、――あった]
大丈夫だ。
[そう言って、前を向く。
一呼吸を置いて、次に出た言葉は]
……長はな、
最期まで、長だった。
[唐突で端的なそれは、未だ親友にも話しそびれていた、]
─エーリッヒ宅─
かたつむりは、じいちゃの大事な友達なんだよ。
だから……報せてあげないと、なんだ。
[真面目な面持ちでこう言うものの。
寄り道の理由の一端が、執行猶予を引き伸ばしたい思いにあるのは、言うまでもなく]
うん、今度はちゃんと、気をつけるんだよ。
ありがと、リィにい。
[お約束の注意には、こくり、と頷く。
浮かべる笑みは、いつもとほぼ変わらないものに戻っていた**]
―自宅前―
[ユリアンの様子は、どうもおかしかった。
が、体調不良ならゼルギウスがというところには、納得せざるを得ない。]
うんまあ、それならいいんだけど。
[少しばかり悩みながら言葉を繋げて。
結局何が起きたのか、その場ではわからないまま、首を捻る。]
でもこれはなんなんだか…。
[もう一度首を捻って背を見ようとしてみるものの、
もちろん服の下がどうなっているのかなんて、わかるわけもない。]
少し落ち着いてるし、まぁいいか…。
……刈られる、ねぇ。
……美味しいもの食べ損ねたらそれは一番心残りだなぁ。
[しかし今一番するべきことは、何よりも自宅の整理だということはわかりきっていた。
深く溜息を吐いて、部屋の中に戻る。]
よし。とりあえず…っと。
[――しかしすぐに、また大きな音を起こして、なだれがおきるのだった。
運良く怪我はないものの、二度目となればまわりでもひそひそと話されているのかもしれない。
何をどたばたしているのかしらというような…。]
─村の通り─
…そっか。
[ゼルの顔を見ながら話していたので、眉を寄せる様子にはやっぱり怒られるかな、などと思いもしたが。
やがて常通りの顔で、大丈夫だと前を向いた彼に、ほんの少し寂しげな息をつき。
けれど、少し間を置いて紡がれた言葉に、え…?と声をもらした。]
ギュン爺の、最期…?
…聞いても、良い?
[無理には話さなくても良いと、言外に伝えながら首をかしげた。]
─白雪亭・自室─
…………よし、とりあえずレシピはこれで。
[傍らに乱雑に散らばったレシピの書かれた紙を順番通りに纏め、どさっと置く。
そうして、チラッと残っている白紙を見ると、]
…………。
[俯き何か考えていたようだが、無言で再び座って筆を取る。]
………………っ。(くしゃっ)
[だが、数行何かを書いたところで紙をくしゃくしゃに丸めると、唐突に立ち上がり部屋を出ていく。]
[誰かがもし中を見たら、なんだか悪化したような家の中が見えることだろう。
しかし怪我は無いようで、筆記者は片づけをしているのだった。
人が来ることがあるのなら、外に出たりはしたかもしれない。
最終的には、しっかりと床が見え、動きやすいスペースになっているのだろう。
その頃には体力のない少年は、そのまま眠ってしまうのかもしれなかった。
鍵は開けたまま。
ゲルダ宛の本は、ドアのそばに置かれた袋に入れられたまま。]
[────部屋に残された、最後に丸められた紙。]
[────くしゃくしゃになり全容は読めないが。]
[────僅かに窺える表面には『ウェンくんへ』という冒頭文。]
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