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[思考に耽っていても仕方がないと、執事は顔を上げた。
力も碌に使えぬ今は殆ど足で探すしかないのだが、
主因たる魔がいなくなったとあれば、それも楽になろうか。
しかし何故だか、拭い切れない違和感。
微かに息を零して、廊下へと出――
周囲に視線を巡らせたところで、微か開かれた扉に気付く。
先程気付かなかったのは、意識が余所へと行っていた所為か]
[その先に広がる光景は、予想通りと言えようか。
流石に見慣れて来た――というのも厭な話だが]
ブリジット様
[膝を突いて床に伏せる少女の名を呼び、
腕を回すと己に寄り掛からせて抱き起こす。
華奢なその身体は他と同じくやはり冷たく、
しかしその表情は他とは異なるように思えた]
オルゴールの暴走、にしては――……
[それ以上の推論は口にせず、抱き上げて寝台へと。
柔らかな白に包まれる少女の表情は、僅か和らいだろうか]
――っ、
[襲い来るのは、頭を直に揺さぶられるかのような感覚。
響く音はオルゴールの旋律か、危く意識が絡めとられかけ、
薔薇を散らして強制的に呪を中断 霧散する花弁]
やはり、危険か。
[額に手を当て、幾度か頭を振る。
魂を奪ったが故か、オルゴールの力は想定した以上に強まっているようだった]
─庭園─
……『お前』の何が気に入らないって、そのやり方だな。
自分からは決して動かずに、都合のいいように流れだけを作ろうとする。
[苛立ちを帯びた声は、自身の内側に向けられたもの。
しかし、答えはなく。
嘆息]
……こうなったら、俺も覚悟を決める。
その後がどうなるにせよ……オルゴールは、取り戻さなきゃならないんだし。
「……エーリぃ……」
心配するな、ローゼ。喰われはしない。
『名を聞く』気も、『与える』気もないんだから、『あいつ』……『メルヒオル』には。
[これまで、はっきりと声に出す事のなかった名を口にして、す、と手を前へ差し伸べる]
……Wort des Winds, den er aufhebt, erfassend.
Er hatte zum Platz gedacht, wo du nicht noch siehst……
[零れ落ちる歌。それに呼応するように、差し伸べた手の上にふわり、ひらり、白い羽根が生まれて舞う]
Ob du Traum betrachtetest, wahrend es Unreife ist.
Sogar hat solch eine Luft, die es zu ihm uberall gehen kann, das leere getan.
[歌は続き、白い羽根は風に乗って舞い散る。
それはす……と大気に溶けて。
しかし、力ある者の目には、白く煌めくそれが見えようか]
Das Gehen, deine eigene Schwache und die Zerbrechlichkeit beginnen, die bewust werden.
Viele Grad, die durch die Intensitat der Strase geschlagen werden, die vorruckt.
[羽根を溶かした風は、邸の中を巡る。
何かを探すように]
Annehmen, das es etwas im Ende dieser Strase gibt.
Weil du durch dein jetzt mochtest einfach vorrucken wahltest.
[見つけ出すのは恐らく容易いだろう、とは思う。
魔の者の魂を取り込んだ今、かの『歌姫』の力は相当に強くなっているだろうから]
Das Annehmen, das es verglich, verfiel an diesem Ende und beendete.
Du bedauerst nicht, absolut.
[風と共に舞うのは、『歌姫』にとっては、懐かしき力だろうか。
彼が用いる事で、それは多少、変化を交えてはいるのだが。
もしそれと気づいたなら、共鳴を返すやも知れず]
Wahrend Wort des Windsingens.
Er fahrt fort, zum Platz zu gehen, in dem du nicht noch siehst……
[やがて歌は終わり、風は静まる。
後には、どこか疲れたような彼が一人で佇んで]
……さて……問題は、誰が持っていて、どんな状態になっているか……かな。
[額の汗を拭いつつ、ぽつり、呟いた]
−庭園−
お見事でした。
[何時から其処にいたのか、今やって来たばかりか。
そして歌に対する賛辞か、形式的な拍手をしながら、
闇より姿を現すのは黒の燕尾服を身に包んだ執事]
……え?
[唐突にかけられた声に、一つ瞬く。
はっと振り返れば、闇より浮かぶ、黒き影]
……いつから、そこに……。
[全く気づいていなかったためか、挨拶よりも先に惚けた声が出た]
―離れの工房―
[熱する。熱する。固めるために特には水にいれ冷まし、曲げ、捻り、型を造り、鍛え
それを繰り返す。
猛々しく盛る炎の揺らめきに映える姿は、一心で。それこそ狂っているかのよう
それほどの熱中…否、静かに熱狂している]
―回想/客間―
[珍しく早朝……ブリジットが魂を食われて発見されるよりももっともっと前。
目が覚めて、ぼんやりと。
あ、部屋にちゃんと戻ったのか。と、昨日の記憶を反芻しながら思う。
あの後のホールで起きた出来事。ヘルガの末路。
あれが魔というものだったとなれば。それまで接していたのは、建前か本音かまではわからぬまでもヘルガだったのだろう。と思えば魔といえども複雑で、呆然としたまま他のことも気にかけずホールを後にしたのだが、それ以上は曖昧だった。
知恵の輪は今日は弄らない。思考も覚めている。
あの後、オルゴールがどうなったかまでは知らないが、魔は去ったのだから、後は使用人達が探して見つけることだろう。そしてエーリッヒが魂を戻す方法の一つも見つけて戻して解決するだろうと思うと]
終わったのかね。
[と呟く。一種の脱力感を持って]
お邪魔してはいけないかと思いまして。
[にこやかな微笑を湛えて言うも、問いには答えず。
長い黒橡が風に靡くのを片手で押さえ、目を細めた]
私一人で捜すにも限度がありますゆえに、
そちらでも動いて頂けるのはありがたく存じます。
[全て知っているのか、或いは探りを入れているのか。
普段通りの口調からは、それを読み取る事は難しい。
モノクロームの世界に鮮やかに咲く紅の薔薇を、
その周囲の様相を認め、口許には艶やかな笑みが浮かぶ]
[静か…それは早朝ということもあるが。
終わったからかもとも思っている。
オルゴールは見つかっていないならば、まだ魂を食われた人間は元には戻らないだろうが、探して見つけて。
後は任せれば勝手に解決の道を辿るだろう…といってもはじめっから任せっぱなしで逗留していただけだがな。と思う。
解決といっても元の鞘に収まるわけではないのだけれども
ただ……]
イレーネ……あの瞳は……??
[結局ヘルガに聞くこともできず、この胸の中にただわだかまる。
あれはなんだ。と。]
……まあ、集中切れると厄介だから、終わってからで助かったけど。
[問いへの答えに代わるように投げられた言葉に、ぶつぶつと呟き。
それから、続いた言葉に僅かに目を伏せて]
……やらない限り、最悪が避けられないんと思うんだから、やるしかないんじゃないかと。
[ため息混じりに言った後。
翠の瞳は静かな光を湛えて、艶やかに笑む執事を見やる]
……何も聞かないのは、気づいているから……と、解釈しても?
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