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……いや、安眠のまじないは、かけてないはずなんだが。
[返された冗談>>7に、真面目な様子で返す。
それでも、落ち着いているのは感じていたから。
気が緩んでいたのは、否めない。
──先達たる者が聞いたなら、なんたる失態を、と。
叱責される状態だったのは、間違いなかった]
[包まれた手に籠もる軽い力。
この手に縋り全て打ち明けられたなら
きっと女の心は軽くなると知れる]
エリィに嘘は吐けないわね。
[何処か諦めた風に手許へと視線落とし呟く]
人に疑い向けて、手を掛ける事。
大事な者をまもれないかもしれない事。
[仲間を危険に晒してまで
己の希望を、望みを口にすることは出来なかった。
だから、エーリッヒの名が候補にあがれど
其れを阻むことは出来なかった]
それから、――…
[言い掛けて、ゆると首を振るう。
首傾げた彼に、仄かな笑みを向けた]
[そ、と聞こえた言葉>>9に、青年は眼を細める。]
そ。
なんとなーくそうじゃないかとは思ったけどな。
[と、こちらもウェンデルと同じような音量で答えた。]
おおっぴらにゃ、言えねえからな。
[己が何か、白状しているようで、
決定的な言葉は言わない。
緩く口元に笑みを上らせた]
お前にはさ、
生きてて欲しいわけよ。
出来れば本当は村人全員だったけど、
それは最初に諦めた。
それなら、何の呪いは掛けていらっしゃったのかしら。
邪魔をされては困りますわ。
[握ったナイフをその胸に向けて無造作に振るった。
正体を隠すには些か不釣合いな、強い力で]
……なんの、って?
[不意に向けられた問いかけ>>16に、翠が瞬く。
は、と視線を向けた先に見えたもの。
それが何を意味するのか、理解が届くのと、刃が食い込む感触はほぼ同時]
……なんっ……。
[なんで、と。
言いかけた言葉は、途切れ、その場に膝を突く。
剣を置いてきた事。
それを、痛切に後悔したが──文字通り、それは役に立たぬもの]
エリィ
[促す声に女は微か柳眉を寄せた。
エーリッヒの肩口へと顔を寄せて]
私が、人狼なんだよ。
だから、――…
[微かな音で紡がれるのは彼にのみ伝える言葉。
ころして、と、望む其れはくちびるのみで綴られる]
ノーラさん――?
[此方に注がれる視線に気付き、振り向けば
小振りのナイフを手に、唇を笑みの容に歪ませ
此方に歩み寄るノーラと視線が交差する。
彼女の行動の意味が分からず
きょとんとした表情が浮かべる女を前に]
――……。
[ライヒアルトに凶刃が振るわれた]
言うべきだろうなと
思ってたんだけどな。
まさかこんな騒ぎになるとは。
[ふっと、力なく笑って]
運が悪い。
それでいいんだ。
だから人を殺す選択をせざるを得なかった。
後悔はしてないんだけどな
[話していたから、
そして、彼女なら不利になるようなことをしないと思っていたから、
男は、狼は、気付けなかった。
その力が人のものではないことに、
彼女が人を殺めるタイミングに。
気付いた時、目を見開いて、動きが止まった]
騒ぎ大きくなりすぎだよな。
[と、ウェンデルへと告げて。]
……後悔ばっかじゃ、どうしようもないからな。
[はふ、と小さくため息をついた。
そして、ノーラ達の方へ視線をやって、事態を認識すると。]
…黙ってやられるわけにはいかないな。
[と呟いて、包丁を取りに厨房へと向かう。]
カルメンは、わたしたちの仲間。
あなたも仲間になればいいわ。
[カルメンと話している青年の背後から話しかける。
傷を負えば人狼と化す。そんな伝承もあることを知ったから]
ねえ、カルメン。
[今度は伸びた爪でエーリッヒの腹を背から刺し貫いた。
加減の仕方など知らない。ただ深く抉る]
仲間になれたら、エーリッヒさんも一緒に逃げましょう。
他の人も、仲間になったら一緒で何も問題ないわよね。
フフ、フフフフ!!
[楽しそうに、愉しそうに哂う]
[大きくなりすぎ、というのには頷く]
喰わねえと、狂うんだよな、人狼ってのは。
[そんな事を言って、かすかに笑った。
が、ノーラ、シンの動きに、彼女の方へと手を伸ばす]
<<シンお前、何してるんだ。
こんなところで動いちゃ、バレんだろ――>>
[焦ったような声]
<<落ち着け、一緒に行くんだろ>>
[爪も牙も持たぬ人狼はエーリッヒに本当を告げる。
顔を寄せるが重さを掛けることはせぬまま
金糸と亜麻色が重なり距離を縮める]
人狼、なの。
人間じゃないの。
[能力的には人間と変わりなく
血をおいしいとも思えず不完全な存在]
私は、エーリッヒになら……
殺されても構わない。
[手が重ねられたままある事が嬉しく
それを解くことなど女には出来なかった]
そこに篭ってろ
余計な事すんじゃねえぞ
[声を投げた後、厨房へと向かったアーベルに声を投げておく。
それから、シンの様子に、彼女を追った。
エーリッヒを襲うのをとめる事は出来なかった]
<<落ち着け、シン。
もう、大丈夫だろ。腹がへってんなら、また一人喰えばいい。
人として殺すんじゃ、喰えねえぞ>>
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