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大掛かりな事か。
先生は10年前のことも憶えているだろうし。
何よりもみんなの無茶さ加減は良く知ってるだろうしね。
先生の無茶はエリカちゃんが止めてあげてね?
意外とのめりこんじゃう人でもあるし。
[エリカの言葉には]
[笑いながらそう返した]
[ディーノの微笑み混じりの言葉を耳にすれば、あ、いつも通りかな、なんて(だから「いつも」って何時からだよ!)安堵して。
お前、それ素で俺のこと犬扱いしただろっ!
と、冗談交じりに咎める視線をちらりとディーノに向ける。]
[挨拶を返された黒猫はちょこなん、と座って尻尾をぱたり。
それでも、警戒心は持っていないようで、じぃ、とパトラッシュを見つめている]
偉い、かなぁ……?
他に、取り柄らしい取り柄もないから、っていうのもあるんだけど。
[感心したような表情を向けられれば困ったようにこんな事を言い。
黒猫とパトラッシュの様子に気づけば、うん、と頷いて]
リエータ、人見知りとかしないから。
[ちょっと、警戒なさすぎるかもしれないけど、と。
最後に付け加えて]
[フランの言葉に、そう言えば、自分はどれだけ休んでいないのか、ということを思い出した。
が]
いえ。
心配無用ですよ。
私も、クローディアに食事を上げたならゆっくり休むことにしますので。
それに・・・正直、今はそんなに疲れていませんから。
[そう。
希望の光を信じれるようになったせいか、体も心も、嘘のように―――軽い]
ええ、それで構わないです。
遅くなっても、全然平気ですからっ。
[シャロンににこ、と笑ってこう返す。
直前に寄せられた眉には、気づいているのかいないのか、それは定かではなく]
うん、御師様はあの時も凄く忙しそうだったから……。
あ、大丈夫です、寝ないようなら、フライパンで殴って寝かせますから。
[止めてあげてね、というフランには、やや物騒な一言を]
[何だかパトラッシュから視線が突き刺さっているような気がしてふと振り返る。振り向いた先で咎めるような視線のパトラッシュと目が合った]
(…あ、何か怒ってる?)
[しばし考えて思い当たる節を見つけると、失笑のような苦笑いで唇だけ、ごめん、と紡がれた]
僕は偉いと思うよ。
自分に出来ることをやる。
簡単なように見えてそうじゃない。
それが出来るエリカは偉いと、僕は思うよ。
[にこり、穏やかな笑みでそう告げて。黒猫─リエータが人見知りしないと聞けば、そうなんだ、と言って視線をリエータに]
うわ、それは効くわ。
手加減にご注意?
[エリカの言葉にはケラケラと笑って]
そう?
じゃあ取ってくるね。
ちょっと待ってて。
[扉を開けて店に向かった]
[こちらを見つめる黒猫にはひょいっとじゃれかかってみせる。
前半身を低くして、遊ぼう、と誘う。
『パトラッシュ』は基本的に人懐こいし、他の動物とも仲良くできる奴だ。ほんと、社交的な性格だよな、と。
『俺』は分析するように考えて。黒猫に注意を戻す。
きらきらと瞳を輝かせてこちらを見るリエータが、一瞬『俺』と視線を合わせていた気がしてぎくりとした。]
/中/
30分くらいに仄めかし初めて表戻ろうと思います。
何かあれば遅らせますので仰ってくださいね。
仄めかし……あんまり強くないかも(汗
ま、まぁ何もなければこの通りに動きますよと。
〔じっとりとへばりついた肌着が冷たく感じられ、ぞくりとした感覚とともに目が覚める。がば、と身を起こすと、外はもう日が暮れていた〕
〔眉間の辺りに手のひらを置き、肩を落とす〕
あー、もったいねぇ…。
今日は一日寝てるだけだったな…。
〔本当は寝不足が溜まっていたので、身体のためには必要な時間だったのだが、貧乏性なのか、本心からの呟きだった〕
〔濡らしたタオルで身体を拭き清め、新しい肌着に着替える〕
しかしよく寝たな。俺もまだまだ若いじゃねぇか。
明日鉱夫連中に自慢してやる。
〔にい、と笑いながらスケールの小さい、いかにも小市民的な発想を口にする。戸口のジャケットを羽織り、空腹を満たすため酒場へと向かった〕
なんか、実感わかないんだけど……でも、ありがとっ。
[穏やかな笑みと共に向けられる言葉に、ふわ、と嬉しげに笑んで。
けらけら笑うフランには、はーい、と言いつつ頷いた。
……年々、加減がゆるくなっている事は、恐らく当事者同士しか知らない秘密だが]
[じゃれかかられた黒猫は一瞬、瞳をきょとりとさせた後、誘いに乗るようにこちらもじゃれかかる。
金の瞳の好奇心は、果たしてどこに向いているのやら]
―雑貨屋―
[奥に積まれていた缶を取り出して]
[一つ口に含んで中身を確かめる]
ん、よし。
間違いなくこれだよ。
[更に奥の自宅部分へと向かって]
[綺麗な細工箱を取り出した]
余分に買っちゃったけど。
ちゃんと必要になるもんだ。
[クスリと笑って]
[それらを袋につめ]
[再び外へと]
[薬が効いたのか、いつしか深い深い眠りの淵へ。
夢に浮かぶは、忘れかけた幼い頃の思い出。
寂しげな目をした女の子に出会った時のこと。]
〔夜の空気が昼間に火照った身体を冷やすようでずいぶん気持ちいい。そして、たっぷり睡眠をとった身体は嘘のように軽かった〕
〔そう、今日の明け方まで感じていた不安が、嘘のように晴れていた〕
〔広場のほうまで来ると、雑貨屋の明かりがついているのに気づいた〕
あれ?フラン、まだ店開けてんのか?
…まぁ、無理も無いか。
10年前も、親父さんが一人で切り盛りしてたよな…。
〔そんなことを思いながら、ちょっと覗いていこうと思った〕
フラン?いるのか?
なんか手伝える事はあるか?
[エリカから嬉しそうな笑みが返って来るとこちらもどこか嬉しくなり。しかし心の中では不安が募る]
[自分は一体どうなのか。出来ることをやる、それがちゃんと出来るのか。心の奥底。何かが、どくん、と一つ鼓動した]
[じゃれ合うパトラッシュとリエータには微笑ましく見やり。時折視線を前に戻してサラダやチーズと共にワインを楽しむ]
[籠の中の野菜をじゃぶじゃぶと洗い]
[水を切ろうとして手からトマトが転がる]
[転がったトマトを視線で追ってから手を伸ばす]
[ぐちゅり]
[手の中で砕けた赤いトマトの飛沫が撥ねて]
[闇が隠したその表情は―――口元が少し歪んでいたような]
[店を出たところで]
[ランディがこちらにやってきた]
こんばんは、ランディ。
大丈夫だよ、あとはこれをシャロンさんに渡すだけ。
クローディアさんの回復用にね。
[手にした袋を見せて]
何だか今日はスッキリした様子じゃない。
ランディも酒場行くでしょ?
[そちらへと促しながら]
[笑いかけた]
─回想・幼い頃の広場─
…なんだ?おまえ。
[見かけない少女がいつもの遊び場にいるのを見つけて、訝しげに歩み寄る。]
おまえ、どこのこ?
なまえは?
…へんなヤツだなー。
[話しかけても答えず、無表情なままの少女に首を傾げて。
むぅ…と小さく唸る。]
わらえよ。
…うちのかーちゃんがいってんだ。
おんなのこは、わらってんのがいちばんかわいーんだって。
[気を取り直して1階の隅でリエータと遊び始めた、その目の端で。
ディーノの唇が「ごめん」と動いて苦笑いしているのを確認する。
冗談だったのに、真面目な奴だなあ。とちょっと呆れて。
あとでこれをネタに苛めてやろーか。
口の端が小さく持ち上がった。]
それに……ある意味では、恩返しでもあるから……。
[ぽつり、と。
微かな憂いを帯びて、小さく小さく紡がれた言葉は、届いたかどうか定かではなく。
呟きと共に、ほんの一瞬浮かんだ翳りもすぐに消え去って]
……そう言えば、まだ、寝てるのかな?
[それからふと、こんな呟きをもらす]
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