情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[降りてきて、ふと覗いた共有スペースには誰もいなかったけれど。
そこで何が起きたかは、感じ取れた]
……みんな……外、か。
[みんな、が誰を意味するのか。
わかっているのは、恐らく本人だけだろうが]
…………。
[一つ、息を吐いて。
外へ──桜へ向けて、歩みを進める]
[無意識の行動だった。その体を抱きとめようと、伸ばした手を更に早く。
しかしそれが触れたのはかれではなく、花びら。
そして通り越した先の、土。
ほんの一瞬の出来事だった]
……あ、ぁ
……何?
途中で止めたんじゃ、分からないよ。
[掠れた声で、頭の中は別のことで一杯なのに、
それでも近付いて来た少女に話を促そうとするのは何ゆえか。
彼女の掌の桜の花弁に目を落とした。]
「……さくら、さくら……」
音に続き、声が響く。
「いのちのまつり。
おもいのめぐり。
きみゃくはめぐる、ちからのままに。
きざめ、きざめ、いのちのしるし。
ゆくかいなかはだれもしらぬよ。
さくら、さくら。
はなはひらきてみまもるのみ。
さくら、さくら」
そしてまた、鈴が、りん、と鳴って。
[触れる事すらかなわず。
何一つ残す事すらかなわず。
その体がなくなった。
白の花びらの中、消えた。
ぼろぼろと涙が零れ、
だけれどそのまま手を伸ばす。
桜の幹に、白い手がドンっとぶつかった。]
……慎。
[突如地へと伏せた友人の名をぽつりと呼んで、三度瞬いた。
その下で、湿り気の含んだ地へじわりと緋色が滲んでいくのを
呆然とするでも無く、ただ、何の感慨も無く眺める。
突如、友人が倒れて混乱している自分とその反面、
心の何処かでそれを予感して…友人が二度と起きないだろうと
気付いている自分に、僅かに、眉を寄せた。]
[ゆっくりと、地へ落としていた視線を上げる。
溶ける様に、消え失せていく友人の身体を足元に
僅か離れた場所、繚乱に咲き誇る桜の影を見据えて]
辛そうだから。
こんな話、邪魔でしょう。
後で言う。
だからいまは。これだけ、アンタの手の中で
傍に置いてやって。
[花弁を載せた手を差し出した。]
ふわり、と。
枝の上に桜色の小袖の少女が現れる。
その姿は一部の者には。
近しさと共に、疎ましさを感じさせるだろうか。
少女はどこか楽しげな笑みを浮かべつつ、桜色の瞳で集まる者たちを、ただ、見つめていた。
…ダメ、かな。
やっぱりもっと力をつけてからじゃないと無理?
[流れる沈黙に、少し項垂れるように]
でも、ヨウコに入って少し力ついたんだよ。
もっと力つけたら食べられるようにならない、かな。
[その恐ろしさを知らないが故に。
その甘美さは音色の響きで感じたが故に。
その力への憧れもまた強い]
[携帯とストラップとを、一緒に、ポーチにねじ込む。
やけにシャツが肌に張り付くのは、汗のせいだろうか]
―――…あ、
[2、3度、瞬いて。
小さな呟きが、零れる。
人の声は窓越しの雨音のように遠くて、
人の姿は霧の中で煙るかの如く遥かで、
自分の中で確かな事は1つだけあって。]
ぼーっとしてる場合じゃ、ねぇじゃん!
[不意に声を上げ、外へと繋がる門を目指して、駆け出した。
不可思議な桜の存在だって、今は、どうでもよかった。]
…………司は。
[司は]
[己のものとしたい。
だが、この小さき憑魔にそれが可能だろうか?
司を打ち破ることなど。
もしそれが叶いそうならば]
そうだね、もっと
こいつらでも喰らって、力がつけば。
[そのときは]
[背後から近付いてくる気配に僅か眉を顰めて]
桜色の、影。
[枝の上に現れた少女を見てポツリと呟く。
どこか遠い所で、夕刻の影はこの少女だったのかと納得していた。
親しみと嫌悪とを同時に感じながら、桜色の瞳を見つめ返す]
[ゆっくりと、ゆっくりと、桜に近づいて。
……感じるのは、強い違和感と親和感か。
桜の下に集った体が消えうせるのを目にすれば、瞳はすう、と細められ。
次いで、その瞳は枝の上の少女へと向けられる]
……キミは、誰?
[問う声はどこか、険しさを帯びるか]
わかった。
もっと力をつける。
力をつけて、司を食らう。
[伏せられた言葉には気付かない。
だから素直に頷いた]
それまで、我慢する。
……
[彼女が何を言おうとしているのか、おおよそ検討もつかなかった。
自分が辛いのかすらも、よく分かっていない。
だが、多分それは大事な話なのだろうと、]
……分かった。
[その手を包むようにしてそっと、花の欠片を自らの手の中に納めた。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新