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白いのと、あかいの、ですか?
[ダーヴィッドの言葉に、絵本から顔を上げて、考えるように腕を組んだ]
……どっちも、好きですよ。
どっちもきれいです。
[選べなかったようだ]
うむ。
今は特に用命は無いから、自由に待機しておるが良い。
[ハインリヒの言葉に、わざと鷹揚にそんなことを言ってみた]
ま。もう大丈夫だから、どっか行くなら行っても大丈夫だからね。
特に行くところ無いなら、別に無理して移動しなくてもいいけど。
わたしゃ、しばらくここで休んでるよ。うん。
[言葉どおり、休んでおかなければ立ち上がるのも*まだ辛い状態なわけだが*]
[まだこちらをみている自衛団員に軽く手を振ったところで、ゲルダの姿が見えて]
あ。ぜ……ゲルダさん
[間違える前になんとか訂正した。二階だったってことで訂正する前の言葉が届かないことをひそかに祈ろう]
[ロミルダの読み上げる童話に、思い返すのは自衛団長の説明。
同時、感じる微かな痛みを振り払うよに軽く頭を振り]
そりゃ、話してないし。
[僅かな沈黙を挟んだ言葉には、僅か、苦笑して]
何をして、成長と判断されるのかはわかんないけど。
やり掛けの分も持ってきてるし、後で見に来いよ。
[声の方へと目を向けたものの、その場にいる面々を認めると、足は動かず。
名を呼ぶ声に気づいて、顔を上げた。
視線が数秒彷徨ってから、声の主を見つける]
……って、フォーサイスさん。
何、してらっしゃるんですかぁ!
知ってるよ、うん。
[少女の語る本の中身、少しばかり思い返すように視線を伏せた。
ユリアンの同意の声には、口の端に笑みが浮かび。
そして、聞こえた内容に、また視線を伏せる]
紅い月、満月の夜…かね。
[静かな声で呟いて]
[ばれなかったのにはほっとしつつ、それを外にはまるで出さずにゲルダへと手を軽く振り]
ぇ…なにをって。見ての通りだね。釣りだよ
どうせ二日ぐらい拘束されるんだろうしその時間は有効に使わないとね
[絵本のページはめくられる]
『狼分かると1人言い、
魂見えると1人が言った。
朱と蒼の花咲いて、
銀の弓矢が狼はらう』
[絵にはそれらしき4つのシルエット]
……ふぇ?
[と、声が聞こえてきょろきょろと辺りを見渡した]
紅い月の満月……か。
[ふと、視線が向くのは絵本に描かれた月]
ま、御伽噺は御伽噺だと思うけど、さ。
[そう思いたい、という気持ち。
それも、声には幾ばくか含まれて]
にあわねーのは承知の上。
[クロエの評にそれだけ返す]
わかりました奥方様。仰せのままに。
[とこちらも芝居がかった様子で頭を垂れて]
オレも別にやることはないしな…と。
[ふと外に居る二人のことが気になったが、ダーヴィッドに任せておけば大丈夫だろう、という事にした]
外に居るやつらもそのうち戻ってくるだろうしな。
[そう言って、椅子に座りなおすとぼんやりと窓の外を*眺め始めた*]
[額に手を当てて、大げさに溜息を吐いた]
言っていることは一理ありますが、
やっていることはものぐさ過ぎると思います。
[降りてきてやれ、とばかりに地面を指差す。
ツッコミに忙しく、自衛団員やら他者の目が向くのには気づいていない様子]
─広間─
[クロエが傍から居なくなり、手持無沙汰になって。
ブリジットが居ることにふと思い付く]
……んー……。
[少し考えた後にオカリナを手に取り、口へと当て。
紡ぎだす柔らかな音色。
奏でるのは母子をイメージした温もりある曲]
―台所―
…何があっても変わらない、か。
[前に見つけた缶の中身を確かめる]
ブリジットさんもいるんだしできれば違うのも。
あ、これルイボスかな。
[お湯は多めに沸かし、ポットは2つ用意して]
変わりたくないな。
何も知らない、水人の僕でありつづけたい。
[お湯を注いで柔らかな香りを確かめる。
薄めに淹れてカップと一緒に盆に乗せた]
「狼分かると一人言い…」
……居るのかね、ここにも。
[その言葉が「場」を意味するのなら]
[どこか気にしたようにコエが*震えた*]
それをいわれると辛いな…でもほら、貴重な経験じゃない?
普段ならできないよ。些細な問題としてはあたりがさっぱりわからないところだけどね
[ため息をつき地面を指差すゲルダに答える
にいう。というか普通ならしませんが]
そういえばさ。ゲルダさんの知り合いが来たとか聞いたけど。どんな人?
…やっぱ容疑者?
…ま、15の時の俺、花になんてとことん興味なかったしな。
[ユリアンの苦笑を見て、ごまかすように明るい声を]
あー、行く行く。
出来上がったものを、友人価格として格安で譲ってくれるとうれしい。
[多分無理だと理解しつつ、一応の言の葉]
あれれ。
ゲルダさん、何して…
[ロミルダは言いながら、その見上げる先を見て]
わぁ。
[釣竿と、ながぁい釣り糸に、目をまんまるくした]
さて。
[とりあえず、休んでいること以外に特にやることもなく、適当に視線を宙にさまよわせながら思い浮かぶのは旦那のこと]
思わぬハプニングで長居しちゃってるけど、彼は無事に食事にありつけているのかな。
掃除も洗濯も出来ないし、帰ったときにひどいことになっていないといいけど。
うーん。遅刻しないで仕事とか行ってるのかな。
お酒とか飲みすぎてないかな。
[思い浮かぶのは心配事ばかりで。
そこで耳に流れてくるのはカルメンのオカリナの音]
……。
[音は穏やかで優しくて、まるで包み込んでくれているかのようで、思わず右手を腹に当てた]
みんな。ちゃんとあなたが生まれてくることを祝福してくれているんだからね。
[伝わってくるのは、確かな鼓動]
それ、釣りの意味ないと思います。
[すっぱりとツッコミ。
距離があるため、自然と声は大きくなりがちだ]
え。どんな人、って……その。
知識が豊富で聡明で優しくて――じゃなくて!
[今度のツッコミは自分に入れた。ぱち、と頬を叩くも若干赤い]
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