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[ふと、垂れた翼の隙間に紅い色を見留める。
先程の怪鳥の血がまだ残っていたようで]
――っ。
[ばさばさと、嫌な思い出でも払うかのように乱雑に羽根を振るう。
やっている内に何だか遣る瀬無くなってきたのか、
完全に汚れが落ちたのにも気付かずその動作を続ける。
その姿を帰ってきたアーベルが見たなら、
どうしたのかと問うだろうか?
そうすれば、探し物が見付かった事も、
その後怪鳥――コカトリス――に襲われた事を話すだろう。
小言には、自分は悪くないもんと最初は愚図ったが、最後には
不注意で接近を許した事は自分の非として*理解しただろう*]
[荒事自体が向いていない気が、と言われ]
……そうですね。私なんてここに集められた他の方々と比べれば。
[そう言って、僅かに顔を伏せる。]
[突発災害級。予知越しに見た事はあれども、籠の鳥であった私は、実物を見たことはなく。
その実際の威圧感は感じたことはない。しかし、聞く限り]
……怖いですね。そんなものが人を襲うなんて。
[そう言って、肩を掻き抱く。]
[そして、そろそろ戻るというアーベルの言葉に頷くと]
そうですね。戻りましょうか。
[そう言って彼に付いていくだろうか。
イレーネから結果を聞いたアーベルがイレーネに小言を言えば、おろおろと2人の間を右往左往し、イレーネが非を認めた頃には、おろおろとしながらも*仲裁に入るだろう*。]
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