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─浜辺─
[オレが今佇む浜辺は灯台守の爺さんが死んでた場所。
波に浚われたりもしたようだが、砂粒のいくつかは赤黒く染まっていた]
あー……やっぱオレっぽいかなぁ。
[記憶が断続的にフラッシュバックを起こす。
驚く爺さんの顔。逃げる後ろ姿。それ目掛けて鉄紺の毛並みが爪を携えて振り下ろされる。
視点がオレ自身のものだったから、オレが殺したのは間違いなさそうだった]
親父と喧嘩したのでキレて、半獣の姿になってたっぽいか。
そら爺さんも驚くわな。
[口端に笑みが載る。
翡翠の瞳は本紫へと変貌していた]
ああ、そうか。うん。
何で忘れてたんだろうな。
こんなの、抗えるわけ無いじゃん。
[誰かがいれば、悦とした表情をしていたのを見ることが出来ただろう。
しかしオレの周りには今、誰もいない]
─広間─
[中に入ると、挨拶もそこそこに暖炉の傍へ。
空気の暖かさが、身体が冷えている事を実感させた]
……そういや、この建物……ちゃんと、修繕してあるんだろうな。
天気が荒れて、建物が風に負けた、とか、それこそ笑えねぇ……。
[窓を揺らす風の音に、口をついたのは、こんなぼやき]
―広間―
[広間につくと挨拶するように頭を下げた。
おはようございますには遅すぎる時間だったので言葉はなく]
薬、ありがとうございました。
落ち着きました。
[暖炉の傍にいるゼルギウスに近づくと、祈るような姿勢だった。
邪魔するつもりもないので、報告するように声をかけるとすぐに離れようとした]
―浴室前→広間―
[少女の小さな謝罪に手を振って答えて広間へと入る。
そして軽く見渡して弟の姿が見えないことを確認しながら、
手早くパンなどをより分けて食べ始める。
食事時に喧嘩交じりの様子には眉を寄せた。
普段なら自分から止めるが、今回はゲルダが先に動いたので任せ。
人狼の話には顔を上げてそちらを見やった。
食べ終われば自分が使った食器は片付ける。]
リエル?
[目を覚ましたことでコエもしっかり届くようになった。
愉しそうな、どこか獰猛な気配に戸惑うようにその名を呼んだ]
ん?
ああ、リート起きたのか?
[聞こえたコエに、オレは聲の調子を戻して訊ね返す。
本紫になっていた瞳も翡翠へと戻っていた]
[結局、手の中の荷の薬を確認して
ついでと、ここに居る面々、主にエーリッヒやブリジットに有効な薬を出しやすい場所に入れ替え、薬について纏めた羊皮紙を取り出し、時間を立つに任せるように読みふけっていて]
おはよう、ライヒアルト
[起きてきたライヒアルト>>428に調子はどう?と聞く前に、聞こうとした答え>>433が返ってきて]
ん、それはよかった。
治りかけだとぶり返す可能性があるから、治ったと思っても一応今日までは飲んどいてくれ
[見た限りだけで判別できるほどでもないが、一応というように伝え、離れようとしても引きとめようとはしない]
[けれど伝わってきた高揚感は、不快なものではなかった。
むしろ浸って酔いそうになる甘美なもの]
うん。おはよう。
というには遅すぎる時間みたいだけど。
[大きく揺らされる前に、届く調子は変わっていた。
問い返されて頷く気配と共に返す]
おかえり、エーリッヒさん。
[とエーリッヒ>>432へ外から戻り体が冷えてるであろうことから、暖炉の近くを譲るように椅子をずらす]
いや…まあそれは…大丈夫じゃないかな。
一応昔からある場所なんだから土台はしっかりしているだろうし…うん
[聞こえたぼやきに自分の不安をなくすように頷きながら口にした]
おはよ。
うん、もう皆朝飯は食い終わった頃だろうからな。
[リートの遅い目覚めに、オレはくつくつと笑いを漏らした]
それで、気分はどうだ?
[頭の中の整理はついたんかな。
『場』が出来たとなると、リートにもそれなりの覚悟はして貰わないとなぁ]
―広間―
はい。
[頬に僅かな赤みを残した以外は、見た目もしゃんとしていたはずだ。近しい人達が見ればどう判断するかは分からないが。
薬師の指示には短く頷いて、外から戻ってきたらしいエーリと入れ違うようにして暖炉の傍を離れた。
喉に軽く触れながら、水を一杯貰ってこようと厨房へ向かう]
笑わないでよ。
[くつくつと届く気配に、むっとしたコエを出した]
そんなに悪くないよ。
熱は落ち着いた。まだ少し熱いけど、これなら普通に動ける。
残ってるのは喉の渇きくらいかな。
[薬を飲むための水は飲んだのに。
まだまだ、もっと、と身体が求める]
リエルは、どこにいるの?
[コエは届くけれど姿は見えない。
こてっと首を傾げるように問いかけた]
悪い悪い。つい、な。
[謝るけど、まだ笑う気配が漂ったかもな]
そっか、落ち着いたんならそれで良い。
これから忙しくなるからな…。
[聲に安堵の色を載せて、オレはリートへと返す。
次いだ言葉は呟くように小さい。少し押し殺したようにも聞こえたかも知れないな。
喉の渇きがあると聞くと、ああやっぱり、と言った思いがオレの中に生まれた]
オレか?
今は外の浜辺。
もう少しで戻る。
[場所を訊ねられると偽りなく返す。
戻るのは本当、だって寒ぃもん]
─ →宿屋周辺─
[転げ落ちないように慎重に九十九折の細道を上り、オレは崖の上へと顔を出す。
風も多少強くなっていて、海からの寒風が思い切り髪の毛を巻き上げて行った]
ぶへっ!
おいおい、本格的にヤバくないか。
退散退散っと。
[足を速めて向かうのは宿屋の方向。
近付くにつれて、風に耐えながらこちらを見張るように凝視する自衛団員が見えて来た]
─回想/広間─
えぇ、人の中に居るのは、あまり慣れていないから。
あ…ブリジットで良いのよ?
[苦手なのかと問うフォルカー>>325に頷きを返し、ふと言い難そうな様子に気付いて呼び捨てで良いと微笑んだ。
アーベルと仲がいいと聞かれれば、そうね、とまた微笑みと共に頷いて。]
もう随分長いお付き合いだから。
[そう答えた所でエルゼが戻ってきて、会釈し朝の挨拶をした。
ヴィリーとエルゼのやり取りには、普段同席しない類の方なので少し目を丸くしつつも口を挟むことはなく。
そうしている内にヴィリーはその場を離れ、程なく戻ってきたアーベルにお疲れ様、と微笑んだ。
ナターリエとゲルダも食事の席に着いたのを見れば、共に食事を始めて。
アーベルとフォルカーの会話には、仲が良いのね、と微笑ましく見ていた。
けれどアーベルがエルゼをエリーと呼んだ>>362のに気付くと、少し眉をひそめて。]
ちょっと、アーベル…エルゼリートさん、でしょう?
あ…エルゼリートさん、ま、待って…!
こんな風の中で御苦労だねぇ。
中入ったら?
……ああ、入るよりこっちに居る方がマシか。
『人狼』とか言うのが居るかもしれない場所に入るなんて、死にに行くようなもんだもんなー。
[オレが向けるのは皮肉を込めた言葉。
自衛団員が思い切りこっちを睨んでたけど、構うものか。
こちとらその危険な場所に押し込められてるようなもんなんだから。
睨み合いのような状態の中で更に風が吹き、オレの長い髪が後ろから前にばさりと翻って来た]
………………。
[何か間の抜けた空気が漂った気がする。
オレは下を向きながら髪を掻き上げると、無言のまま宿屋の中へと入った]
[そう声をかけたものの、既に遅く。
手早く食事を済ませたエルゼが立ち上がり、アーベルに手をあげようとしたのを見て青褪めた。
アーベルが最初の一撃をかわしたのを見れば一瞬安堵の息が漏れたが、まだやり取りは続いていて。
エルゼに胸元を掴まれたのを見て間に割って入ろうとしたところで、ゲルダがエルゼの髪を引っ張った。]
え…ゲルダ、さん?
あ…え、エルゼさん、ごめんなさい!
その、アーベルが失礼を…
[しばし呆気に取られていたものの、はっと気付き慌てて謝ったがエルゼは既に出入り口へと向かっていて。
追いかけようかと一瞬迷ったもののアーベルがフォルカーに話しかけるのを見ると>>376、ふっと脱力して椅子に座り込んだ。]
アーベル…今のは、エルゼさんに失礼だと思うわ。
…お願いだから、あまり心配させないで。
ゲルダさん、助けて下さってありがとうございました。
フォルカーちゃんも、ナターリエさんも…ご迷惑をおかけして、ごめんなさいね。
[椅子に預けた身体は、微かに震えていて。アーベルが殴られたらという恐怖と何事もなくてよかったと言う安堵の両方が見えたろう。]
[ゲルダがエルゼを追いかけ出ていくのに頭を下げて見送った後、食事を続けるという気になれずスープにだけ手をつけて。
今の出来事は全く気にしていない様子のアーベルがフォルカーに胡瓜を食べさせようとするのを見ると、なんだか懐かしいものを見たような表情になったがフォルカーの反応にはあら、と瞬きし。
その可愛らしい反応に、硬くなっていた表情は知らず和らいだ。
だが、そのすぐ後のアーベルの問い>>389に、表情はまた変わり。]
人狼が、いたら。
…人狼に殺されるというのは、嫌ね。
[ナターリエとアーベルの会話>>393>>400に耳を傾けながら、そう答えた。
フォルカーがアーベルに言葉を投げつけ広間を後にするのには、アーベルをじっと見つめ。]
…アーベル。フォルカーちゃんは、女の子なのよ。
[嗜めるでもなく、咎めるでもなく。それだけを言った。
ナターリエの話>>403に昔を思い出したらしいアーベル>>408には、そうね、と頷き。]
アーベルは色んなお話をしてくれたから。
今でもアーベルのお話聞くの、大好きよ?
[そう言って微笑んだ顔は恐らく幼い頃と変わらない笑顔。
場、云々の話を聞けばその笑顔は翳ったが、片付けようというアーベルに頷く時にはぎこちなくもあるが微笑み頷いた。
止められることがなければ、共に厨房へと食器を運び片付けを手伝った。**]
─回想・終了─
―広間→厨房―
もう普通に動けるよ。
[広間を出る前、エーリの呟きを拾って小さく頷いた。>>438
厨房に入るとカップ一杯分の水を一気に飲んだが、何度も咳込んだ喉は落ち着かない。
食欲もなく、味のついたものを食べる気にはなれなかった]
そうかな?
…んー、そうかも、でも事情や状況はどうあれ、戻ってきた人にはおかえりというものじゃないかな
[エーリッヒに>>438妙といわれてみて、半分だけ同意を示して]
そか、荒れそうか。こんなときぐらい穏かでいてくれりゃいいのに。
[天気が悪いと気も滅入るのだというようになぁ。といいながら、天井を見ても空はないわけだから、すぐに視線は戻された。相変わらず火は元気に燃えている]
[まだ残る笑いの気配に、拗ねたような態度のまま。
忙しくなるとはどういうこと、というのは怖くて聞けなかった。
喉の渇きが何を示すか、意識の深いところでは自覚も始まっている]
浜辺?何かあったの。
戻ってくるなら、散歩か何かかな。
これは離れててもハッキリと届くんだね。
[聞いてみたものの、特に用事があるわけでもなく。
便利だなと暢気な感想が浮かんでいた]
─広間─
あーくそ。荒れそうだぜ、外。
[宿屋に入っての開口一番。
外の報告をして暖炉へと近付く。
何事も無かったかのように見えるだろうが、翡翠はある場所へは向いて居なかった。
視界に居れたくねぇからな]
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