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張った方、ですか…。
[ティルの言葉に、唸り声を上げる。
そっと手を伸ばし(我慢していたらしい)ピアを撫でようとしつつ溜息をついた。]
力でなんとかなる、方が楽なのですけれどね。
犯人を捜す、そういう曖昧な事よりも。
[黒か白か、で動きたいらしい。]
あ、爺ちゃん。
[呼びかける声に、そちらを見やり]
結界を、っていうよりか、結界の内側、かなあ。
……て、なんか、探してんの?
[何か、探すような様子に軽く首を傾げ]
へぇ、使う、ね。
こちら側に引き込むつもりか?
[姿が見えていれば、きょろりと首を捻るような動作だったろう。それは、さも楽しげといった様子に近い。]
うっはっは。親馬鹿兄馬鹿たぁ言うね月竜王。
ならその可能性はなきにしもあらずか。
もってうっかり発動リスクも、あるかもしれないのにな。
[オティーリエが何をしているか。領域でのことは届かない。そも今そこに居る事も、おそらくは伝わっていないだろう。特に言う事も無く。]
まあ、そのために火炎の兄さんが頑張ってるっぽいし。
……オレらも、なんかしなきゃなんないんだろっけど、難しいっつーか、なんつーか。
[唸るミリィの様子に、こちらはため息。
ピアは撫でられて嬉しいのか、尻尾を振りつつ、手に擦り寄っていたり]
あー、それはわかる、わかる。
考えるより動いた方がラクだもんな。
[こっちはやはり、考える前に走る方が性に合うらしい]
―生命の海―
[触らぬ神に祟りなしが信条。かっこ一部除く。
ので目の前の良く分からないもの、にクレメンスが手を触れることは無かったのだが。]
「何ですこれ?」
[うっかり触ったのはつれてきた別の命竜。]
あ、馬鹿。
[制止は見事に遅れ―――――――]
―生命の海―
[次の瞬間、黒いそれは、複数の人の手を持つ蛇のような姿になり、命竜一向にむかって襲い掛かってきた。]
だあああ!!!
お、思い出した!
『混沌のカケラ』か!!
[叫びながら、他の命竜らが慌てて立ち向かうのに反し、自身は一目散に回れ右。だって戦いとか出来ませんから。
―暫くお待ち下さい―]
――傾けられれば、もしかしたら。
[はっきりとはしないゆえに、力はさほどないが。]
おもちゃがほしいといったら与えるような親と兄みたいな言い方もしていましたよ。
……真実かは存じませんが。
結界の内側?
まだ暴れておるのか?
[別方向の心配が頭を擡げる。何かを探しているのかと訊ねられると]
ギュンターはどこへ行ったかと思うての。
流石に竜郷の様子を見に行かねばなるまいて。
[ティルに対しそう答える。ミリィからの返答には]
なるほどの。
結界の式はブリジットが調べておるようじゃが、芳しくないようじゃのぅ。
全て読み解くにはかなりの時間を有しそうじゃ。
そいつぁ心強いなぁ。
うはは。あんましその辺見てなかったわ。残念。
[と笑っていたのは、ここまで。]
――――っと、悪い、ちと向こうにかかるわ。
この、何で『混沌のかけら』がここに…
[一言、焦るように言った後で暫くクレメンスの声は消えた。]
……暴れるのは、とまんねぇんじゃねぇかな……。
[ぽそーり、と呟いた。
思うように動けない事もさる事ながら、自由に飛べない、というのは義兄にとってはかなりのダメージのはずなので]
ああ……ギュンターの爺様なら……。
[それから、告げられた名に結界の方を振り返り]
十中八九、こん中……。
[告げる言葉はため息まじり。
結界の話題に対しては、ユーディットからの説明が入るだろうか。
どちらにせよ、説明はあちらに任すしかないのだが]
/*
ちょいと中すまん。
今からだと早い気もするが、俺明日は参加怪しいから先に言っとく。
【現在票はアーベル委任】
特に問題なければ、今後もアーベルに委任しとく予定。
[疾風の竜に同意されれば、一度顔を綻ばして笑うけれど
こほん、と咳払いをして顔を引き締めた。
それでも逆の手は手に擦り寄ってくれるピアを撫でていたのだけれど]
いえ、勿論冷静に考える事もしますけれどね。
[んん、と咽を鳴らしつつ、
考えても判らないなら動いてしまえ、と思う迄の時間はとても短い事は黙っておいた。
それから、ザムエルの方を向き言葉を聞いて、ふむふむと頷いた。]
竜郷の様子を。
そうおっしゃられておられる随行の方も何人かおられましたが、私は此方が心配なので此方を見ていようかと思います。
雷が竜は、各地に散らばっておりますし…何かあれば、雷光となって直ぐにはせ参じられますから。
―結界内―
[西殿方向へ歩いていったはずの青年が姿を表したのは結界の内、ギュンターがいる会議場前とは別の場所だった。ちょうど結界に攻撃などを試みる竜達と反対側の結界に内から触れ、発動して以降の印の解れが無いか丁寧に調べていく]
これは――…予想以上に上手く組み込めたようですね。
禁術ゆえに反動も覚悟していたのですが。
[後半は極小さく心に呟いて、つめていた息を吐く]
何でも在り得る、のですか。
それで無差別に…困りました。
諸事に対応できる方が減るのはよろしくありません。
……養父が。
[影輝の竜より齎された言葉に、固く唇を引き結んだ]
そう、ですか。
そうきましたか。
[ミリィに撫でられ、ピア、ご満悦。
そうやってるとごく普通の小動物にしか見えず、とても風獣王の末娘には見えない、というのはさておき]
オレは、考える時間も惜しむ方かもなぁ。
[黙っていた部分が聞こえていたら。
多分、似たもの同士認定していた事請け合い。
もしかしたら、だからこそ、ピアが気を許すのかも知れないが]
―常闇の洞―
[仔らを寝かしつけようと、そっと部屋に押しやった。
奥方には、いつものごとく、いつものごとくであった。
何がされたなどとは、オトの口からは語られまい。]
[闇はオトにとって安らげるものであった。
が、その闇に何か他のものがあるような気がして、すっと目を凝らした。]
/*
必要と判断されての委任ならば問題ありません。
貴方の心を預かっておきましょう、クレメンス。
以降については…貴方がそれを必要と思われるならば。
ですがご自身で選ぶ事の放棄はなさいませんよう。
……生憎、私は唯の影ですゆえ。
判じたのはティル様であり、私は聞き及んだのみ。
ですが、姿が見えないのは事実です。
[ 揺らぎはなく、淡々とした声が紡がれる。]
ひとまず郷に戻られる方、
残って探知を続けられる方、
様々におられるようですが……
「不機嫌」の影響が何処まで広がることやら。
―命竜王の宮殿―
[逃げる、という手は生命の素の真隣では流石に使えず。
あそこに居た命竜勇士一同のおかげで、大蛇もどきは何とか排除できた。
現在は、傷ついた命竜の治療にほぼ一人で当たっていた。
この方が効率がいいからなのと、ここを離れれば残った命竜で対応させねばならないため、彼らの体力温存を兼ねてだ。
ひとしきり、終えた後で溜息一つ。]
…あー。で。
以後あんな黒くてふよふよ浮いてるよく分からんものには触るな。触れなきゃアレは襲ってこねぇからな。
とくに生命の海付近では注意しろ。
絶対に、アレを海に入れるんじゃねーぞ。
あとそれから、琥珀のカーテンの様子を…それと、海の管理についてだが。
[何か引率の先生みたいな事言ってるなと。
他いくつかの、注意事項を口をすっぱくして伝えておいた。]
……停滞を嫌うお方じゃしのぅ……。
地竜王様も対処はしておるとは思うのじゃが…。
[対である己が竜王が必要以上に暴れぬよう抑えていると願いつつ。続く言葉に一瞬思考停止]
……何じゃと?
何ゆえあやつがこの中に…。
[外は強固な結界。如何にギュンターが力を持っていようとも、容易に破れるものではない。思考を巡らせていると、ユーディットから結界についての更なる説明が入り。張られた結界が複雑である理由と、虚竜王が不機嫌であることを知る]
……何となくいやーな予感がするのは気のせいかの。
この分だと、内部は最低限の事しか辿られずにはすむかな。
ならば非常時の隠れ場所としても内に移動しやすいよう整えておこうか。
[誰を襲うかについての論議は、落ち着いた後の状況次第でもあるからとオティーリエに同意した。
ニ竜が帰ってくる前に、この結界に関わるものの出入りがしやすくなるよう*印を整えておく*]
ふむ、他にも危惧しておる者は居るか。
儂のところも各地に散らばっては居るし、あやつも留守居役として残っておるから大丈夫だとは思うのじゃが…。
この目でも確かめておきたいしの。
[ミリィの言葉にはそう返し]
ここに残る者も居た方が良かろう。
この事態じゃ、ここを空にするのもあまり良くない。
ああ。
部屋に入って下さい。ね?
[すぐに戻して、仔らをちゃんと寝かしつける。
荒事にある程度は参加していて良かった。
部屋に入るなりに張った闇の結界は、ちゃんと外を隔離してくれている。]
不審なものは、近付かせられませんからね。
[暫くしてから外に出たとき、それは既に無く、とりあえずは奥方の部屋へと行った。
そのまままた捕まることになるとは、当然ながら考えるはずもなかった**]
―― 東殿・食堂 ――
[竜達の影も減った食堂で、珍しく大人しく考えに沈んでいると、天聖竜がやってきて、かなりアレな伝言をノーラに伝えるのが聞こえてしまった]
…虚竜王様の不機嫌で無差別取り込みって…
[口あんぐり]
それ、揺らぐ者の干渉よりタチ悪くないですか?
[あーあ、言っちゃった]
…古くから居るモノの「勘」という奴でしょうか?
このエミーリェにもとても「いやな予感」が付き纏って仕方ありません。
[上機嫌に見えるピアには、思わず頬を緩めてしまいながら、ザムエルへと言葉を紡ぐ。
手はピアに伸ばしたままふぅと何度目かもう判らない溜息をつき]
当たらなければ、良いのですけれど。
[なんとなく何処かで、当たってしまうような気はしていたのだけれど。]
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