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―→宿屋・客室―
[ゲルダとも、部屋のことについて会話をした後に先にとミハエルを案内した。
聞こえてきた感想には特に気にした様子もなく]
まぁ、その分清潔さとかはきちんとしてるからその辺は安心してくれ。
[豪華ではないが、きちんと手入れをして清潔感のある部屋、
クスリと笑みを返す様子に笑いかけて]
迷惑料込みでふんだくってやることにしたんだ。
さすがに私もむかついたからからな。
[見た目は元気そうな様子には少しばかり安心して、それは向こうにも見て取れたかもしれない]
じゃあ、私はゲルダに部屋の案内してくるな
―宿屋廊下―
おや、ミハエルさん。
こっちに泊まることにしたのか。
それもいいね。
[ベッティと連れ立って歩いてくるミハエルに声を掛けた。
まだ第一発見者の話は聞いていなかった気がする。
それでも色々あるのだろうと、軽く頷くようにしてすれ違う]
[カルメンからもハンカチの礼を言われれば、ううん、と微笑み頭を振った。]
いつもやってることだし、綺麗な刺繍間近で見れて得しちゃったし。
頼んでもらえてこちらこそありがとう、です。
[そう微笑むところにゲルダから心配していたと聞き、苦笑した。]
ゲルダも心配性だなぁ。
大丈夫大丈夫、何もされてないよ。
[そう言って微笑んで。
ゲルダから怪我の具合を聞けば安心してほっと息をつく。
頭を振るのには、笑顔で軽く髪を撫でることで応えた。]
─宿屋・客室─
うむ、それは見ていて良く分かる。
ではここをしばらく借りるとしよう。
[迷惑料の事にも笑って返し。
このように笑って話せることに不思議さがあったが、悪くは無い感覚だった。
ゲルダの案内を、と言われると「ああ」と返し、部屋を出る姿を見送る]
うん、ありがとベル兄。
無理にキーファーちゃん此処に居させたりしちゃダメだよ?
私は本当に大丈夫だから。
[そう言って微笑むのは半分強がりではあるが、もう半分は蒼鷹を気遣ったもの。
頭に軽く手を置かれれば、顔に出してしまったかと内心慌てたものの、続いた言葉に目を見開いた。]
ベルに…
……う、ん。
[思わず問いかけそうになるも、声が自分だけに聞こえる程度の大きさだったことに気付けばそれを飲み込み。
かろうじて、小さく頷いた。]
─宿屋 食堂─
[外に出る者、ニ階に上がる者、それぞれを視線で見送る。
向けられる笑みには笑みで返して]
ああ、あの刺繍はよかったわね。
負けないようにしなきゃ。
[片目を瞑っての言葉はクロエに向けたものでもあり、人形を任されている女自身に向けたものでもあった。
後者については伝わらずとも特に問題ないが]
また何かあったらお願いね。
[後ろ向きな言葉は言わずに、そうも加えた]
[ベッティが居なくなってからもう一度部屋を見回し。
どのくらいの物が置けるかを確認してから部屋を出る]
[食堂へと降りるとそのまま出入り口へと向かい。
どこへ行くのかを訊ねられたなら、自宅に必要なものを取りに行く旨を伝えて。
直ぐ戻ると言ってから、宿屋を出て自宅へと*向かった*]
ベッティがそう言って呉れるのならありがたいけど…
ふふ、うん、ちょっぴり愉しみだな、お部屋貸してもらえるのも
[お金は払わなくて好いと言う彼女の豪快さに吃驚はするけれど、
代金を自衛団持ちにさせるという意が知れると肩をすくめ。]
そうだね、風当たりが好いとか、
クロエやブリジットの部屋の近くだと嬉しいけど
[埋まってしまっているなら其処でも好いと告げて。
必要なものを尋ね返答が帰れば、]
缶詰や瓶詰めのものは持って来て置いたほうが好いね
あとは調味料とか…そのくらい?
[帰ってきた小さな呟きには、重々しく頷くのみであったが。]
アーベル君の言うとおりだね
でも、なんだかどっちが飼い主なのかわからなくなってきたよ?
[青年と話す様子のクロエに話し掛けて。
実際最初に見かけたときはクロエが飼ってるのかと想ったくらいで。
心配性だといわれれば、少し考えた後彼女の耳元で、]
…僕はもう誰も失いたく無いのだよ
あと、目許が、ちょっと赤いから
[そんな事を口にして一度だけ幼馴染の手を握り、離した。
撫でて呉れる手が、何時か失われてしまうのではないかと想う態。
イレーネから水を受け取りながら飲み干すと空になった入れ物を脇に置いた。]
― →修道院 ―
[村の通りを修道院に向かい歩く。
ひそひそと周りから聞こえる声。
話の内容までは聞こえないが決して良いものではないだろう。
はぁ、と盛大な溜め息を吐き修道院の中へと入っていった]
院長殿にも話は伝わってるだろうな。
嗚呼、あいつらももう知ってるか。
[気が重いが会わない訳にもいかない。
青年は院長室を訪れる]
御加減は如何ですか。
[常の通りに声を掛けるが院長の表情には翳りがある]
気分が優れぬ様子……、
後で誰かにハーブティーを持たせます。
私が淹れたものでは、不安、でしょう。
ほんとに、だよ?
[わかってる、と軽く返されれば確認するように念を押して。
それはアーベルだけじゃなく蒼鷹にも向けられていたが伝わったかどうか。]
いい子って…もう、ベル兄もライ兄みたいな事言って。
…ベル兄も、無理しないでね?
[自分の頷きに微かに笑んだアーベルの言葉には少しむっとして見上げ。
もう一度彼が頭をなでてから離れる寸前、こちらもアーベルだけに聞こえるくらいの小さな声を彼に向けた]
―修道院―
[院長の声が返る前に部屋を辞した。
家族なのだと言われてずっと共に暮らしていたが
やはり怖いのだろうと自ら結論付ける]
――…後任、育てときゃ良かったな。
引き継ぎも出来やしねぇし。
[今から知識を詰め込めといってもかなり時間が掛かるだろう。
カリ、と頭を掻いて苦い表情を浮かべた。
それでも律儀に其々の部屋をまわり
診察染みた事をしてまわる。
胃腸の調子が悪かった者も今は落ち着いていた。
最後に顔を出すのは少年らが住まう部屋]
あー……。
[言葉を選んでいたら枕が飛んできた。
ぽす、と青年の顔に直撃する]
―宿屋―
まぁ、何か困ったことがあったら遠慮なく言ってくれよな。
できる限りでサービスはするからさ。
[そうウィンクを残して自分は食堂へと戻り]
じゃあ、ゲルルンも部屋に案内するな。
[ゲルダからの希望もあって、部屋の場所はちょうどブリジットとクロエの泊まることにした部屋の間に案内するだろうか。
部屋へと案内しながらほしい物の話の続きをし]
ああ、調味料は塩とかくらいかな切れそうなのは。
[人数が増えるならばその分作る料理も増えるだろうと、
それならば足りなくなる可能性のありそうな調味料を思い出しながら]
缶詰とかは、まぁいざって時にあったほうがいいな。
[なにがいざというときなのか、それは口にしなかったが]
―修道院―
[落ちる枕を拾い上げた青年の鼻の頭は
仄かに赤くなっていた]
こんな時間に何やってやがる!
読書の時間は如何した!
[思わず声を上げれば、わー、と騒ぐ少年らの声。
怖がる様子なくにへらと向けられる笑顔]
……はぁ。
ちゃんと勉強しろよ。
誰の為でもなく自分の為だ。
[知っているのか知らぬのか
少年らの態度は変わらぬように見えたから
常の通りに小言を向けて自らの鼻の頭を撫でた]
[アーベルが一服しにいくなら、その背を見送って。
ゲルダから蒼鷹の飼い主がどちらか解らないくらいと言われればそっかな?と申し訳なさそうな嬉しそうな顔をした。]
でも私キーファーちゃんの世話とかしてあげたことないし。
どっちかっていうと世話してもらってる感じだからなぁ。
[嵐の夜に傍に居てくれたり、悲しむ自分を慰めてくれたり。
気遣われることの方が多いのに飼い主はおかしいんじゃ、と苦笑した。
ゲルダから耳元で囁かれるとはっと目を見開いた後、泣いていた証拠を指摘されたことに心配かけてしまったかと眉を下げて]
…ごめんね?
でも、本当に誰かに何かされたわけじゃないんだよ。
ギュン爺ちゃんからいっぱい伝わってきたから、つい、泣いちゃったんだ。
[そう言って、自分を案じてくれる幼馴染にもう一度ごめんね、と申し訳なさそうに微笑んだ。]
イレーネさんも気をつけてるとは想うけど、
…うん、お水有り難う
[お礼を告げると飲み干した空のコップを見やり、]
片付けはさせて頂くのだよ
イレーネさんはゼルギウスさんと一緒に休んでて
[そう言ってコップを片付けて来ると、
おずおずと娘は話を切り出し、]
銀の短剣は未だここにあるのだよ、ね
……団長さんが用いようとした様に、
使わせる事は…由とするのかな?
[確認するように尋ねると、彼女だけ聞こえるように]声を忍ばせた。
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