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それで?知っていれば僕に勝てると?
[鋼の瞳は、どこか楽しそうに]
甘いですよ。
[腕を掴もうとした手で、槍そのものを掴もうとする。その手に雷撃の力が弾けるか]
…どうと出来たって、誰かに心配かけるのは変わりないんだよ。
[天聖のおねーさんにも心配かけてるんじゃないの。
ポツリと呟きながら、思わず溜息が混じるのも仕方ないと思う。]
現行犯を、早々に抑えられるのを期待するしかないかな。
まぁ、機竜卿から何か言われたときは、よろしく。
わざわざ此処までありがと。
[まさか、今起こしているとはやはり流石に思っていない。
部屋を出ようとする相手の背中に声を投げながら
またねー、と従魔と同じようにひらり手を振って。
――ぴくりと、何かの倒れるような音に上へ視線を向ける。]
…?
[スコープ越しに命中はすれど致命的な結果は得られなかったことを見やると]
…………。
[決断は早い。樹から飛び降りると、手早くライフルばらして収納。
バイオリンケース抱えてすたこらさっさ。]
―東部エリア:川―
[清らか流れの側へと腰掛け、脚を浸しつつ手に付いた翠を洗う。
脚の部分は、川の流れに清めを任せて瞳を閉じる]
………ふぅ…、どうすればいいのかの…
[思い起こすは、朝の出来事。
決して話す事はないと笑顔で退ける、翠樹の少女]
人間同士であらば、話が通じるを……祈るしかなかろうか…
[昨夜、彼女に食って掛かりし疾風の男は、知り合いの様子で。
落ち着いて話し合えば少しは…そう私は想う。
……よもや、その正反対の事が今起こっているとは思いもせずに]
< 猫のすがたに戻った猫は、二人の戦いを見て、はしります。
よんできたほうが、てっとりばやい。それにきっと、自分はいちげきです。
でも、誰が、いいのかしら。
にゃーにゃーみゃーみゃー
ないて走れば、黒猫が気付くかしら。それとも、他の人が気付くかしら? >
それはわかって……。
[いるんですが、と。
言葉は、異様な気配に途切れる]
……もしかすると、早々に何か起こしてくれた……んですか、ねぇ?
[口調は冗談めいても、異眸は真剣そのものか。
扉を開き、駆け出す。
血の気配を辿るよに、広間へと]
─…→広間─
―広間―
大丈夫っ!?
[とにかく止血。知識としては無いけれど。
自分の上着を脱いで真っ赤に染まっている左の肩を押さえる]
ええと、それから、それから…。
[流石に治療の仕方なんて分からない。
しかも傷の具合によっては下手に力を使うのも]
誰かっ!
[遠くから聞こえる銃声が鼓膜を震わせる。
猫がひときわ高く鳴いた]
……?
[風が、ざわめいてる気がして。
大嫌いな名前を呟く風が]
…あの、バカ……!
[舌打ちひとつ、銃声の方へ駆け出す]
[動く右腕でどうにか起き上がろうと力を込める。風精に探索を命じたが、撃った人物は大方の予想がついている]
あんにゃろ…口封じってことか。
まだ、何であんなことしてんのか聞いてねぇってのに。
[身体を起こすと左肩から垂れる雫が服へと流れ、染み込む。ブリジットの姿を見れば、情けなそうな弱々しい笑みを浮かべた]
ヘマしちまった。
全く、あんにゃろどんだけ遠くから撃ちやがったんだか。
―果樹園―
それは
[ユリアンの手に電光が走ったのを見て、大体次に何が起こるかは予想出来た]
痛いっ
[槍の中心あたりを両手で持ち、ユリアンを振り払おうと石突きから柄を振り上げた。思わず目を瞑っていたので、彼の動きが止まった瞬間を見ていなかった]
[鳥が居なくなったのとほぼ同時、]
[視界に写るのは駆けていく人影]
[事態を把握しないままに]
[跡を辿るように歩みだして]
……うん?
[小さな芽を見つけた。]
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