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榛名先生の申し出は有難いですが。
どうせ住むなら、此処に自分の力で家を建てたいですからね。それも、ベストの力を尽くしたやつを。
[眼差しには強い意志の力が宿る。
途切れた言葉に気付けば、僅かに首を傾げるものの]
…あれほど早く見抜かれるとは思ってませんでしたよ。
榛名先生の世界を見る眼は…普通の人より、かなりすごいと思うんですけどね。
そうじゃなきゃ、あの文章は書けないと思います。
[けらりと笑い、違うのに似ているとの言葉には何度も頷いた]
だって、本当にあったりしたら、って思うと、怖いじゃない。
……事実、桜のことは、本当にあったこと、っぽいし。
そうじゃなきゃ、桜が咲かない、原因が、無い。
[影響を受けやすいと言われると、史人を上目遣いで見上げながら、少しだけ拗ねるように口を尖らせる]
それに、おかしな声、が──。
[呟くように言いかけて、右手で口元を押さえた。言わないつもりだったのに。そんな雰囲気が見て取れるだろうか]
…別に嫌っては。
[晴美をかなり苦手としているのは確かだが。
正面から言われて頷くようなことはない]
お客様に出すのは普通のことですし。
琉璃兄にも必要だったし。
[起きてすぐに昼食は無理だろうと判断したようだ]
兄さんも。すぐに戻るかは分かりませんよ。
[こちらに向かってるなどとは知る由もない]
見りゃわかると思うが、金があったからどーにか、って土地でもねぇしな。
そういう意味じゃ、暮らしやすいんだろうが……。
[大学進学を口実に離れ、そのまま街の暮らしに馴染んだせいか、このスローペースは逆に息苦しくもあるのが実情で]
ま、止められるようなら、絶対肺ガン確定のお墨付きなんかでやしねぇ、って。
[けらりと笑う。どうやら、職場の同僚にそういわれているらしい]
祟るっつーかなんつーか。
まあ、生きてる間にやりきれなかったから、死んでからも引きずるんだろ?
[きっぱり、とした青年の物言いに、思わず苦笑を浮かべ]
呼ばれてきたのに落ち合えない?
……それもまた、難儀だなぁ……。
それじゃあ、もし住む時は、裕樹君が一人前になってから、かな?
そうやって思うのも、良い目標になるね。
[強い意志を宿す裕樹の瞳を見つめ返し、「頑張ってね」と言い微笑む。途切れかけた言葉に関して言及が無ければ、少しだけ安堵するように息を吐いて]
そう、かな。
私は、思うままに、書いてるつもり、なんだけど。
他の人と、見え方が、違うのかな。
[柄じゃないという聡の嫌そうな顔を見て、けらりと笑い]
ま、この辺りで止めとくか。
それにしても、呼ばれたのに落ち合えないとか、随分適当な待ち合わせをしたもんだな。
聡も相手もここが、携帯圏外だってのを知らなかったとかか?
[仏壇の前に座る。
香をあげ。手を合わせ。一連の動作のように行ってから、ぼんやりと両親の遺影を眺める]
怒ってますかね……ま、当たり前でしょうけど
素直なままではいれなかったのですよ
[7年前。葬儀はしっかりと行って。それから少しして出て行った。
言うことを聞いて逆らうようなことなどほとんどしなかった。そんな子が出て行ったものだから、周囲もだが、きっと両親も驚いていることだろう。いやそれ以前に――]
親不孝ものですねぇ。本当に
[したたかになったものだ。と自分でも思う]
ま、確かに桜に関しては……な。
でも、少し考え過ぎだって、お前は。
[拗ねたような榛名の様子に、宥めるようにまた頭を撫でようとしつつ]
……声?
[言いかけて、途切れた言葉に僅か、険しいものを過ぎらせる。
ふと過ぎるのは、何かを訴えかける、あの夢か]
[無邪気な笑みを浮かべたまま訊ねてくる聡に、少し怯むような表情を浮かべて]
…あの丘に聳える桜は、咲いてはいけない、咲かない桜、なの。
咲かない原因は、はっきりしてなくて。
枯れる様子も、ないの。
[そこまで返答はしたが、声に関することにはしばし逡巡]
……はぁ
[家も継ぐことなく勝手に出て行ったものに対する風当たりはやはり強いだろうな。とぼんやり思えば、自然と嘆息。
体裁を整えるのが上手かった両親の血が受け継がれていることをほんの少しだけ祈りながら*座している*]
家事ができるのはいいお嫁さんだよ。
今はほら、片付けられないとかあるみたいだし?
[髪の指摘には]
ん〜、どうもこの癖っ毛が…。
[ならば切ればいいと言われればきっと拒否するだろう]
きちんとするときは…するよ?
[手入れの仕方などを知らないわけではないが、
時折怠ける、会う予定の相手などで変わりもするのだろうが]
相も変わらず?
[笑いかけながらも晴美を見る目はちょっと笑ってない、
がすぐにいつもの調子にもどりそれ以上は言及せず]
うん、まぁ避けられるように変われとはいまさらいわないけどね。
[言いかけては止める様子のある榛名を、時折不思議そうに眺めつつ。
けれど、言葉の向かう先は史人]
肺ガン確定って…おいおい。
本数が多いなら、せめて、タールの少ない銘柄とか選ぶとかしたらどうだ?
味が違うのは分かるが、案外すぐ慣れるもんだぞ、と。
[声を疑問に思う様子が皆に見られれば、自身がこの村を選んだ時のことをなんとなく思い返したり]
……おーおー、元気の良い事で。
[青年の様子に、ふと目を細め。
大学進学を押し切った時の俺も、こんな感じだったのかねぇ、などと、ある種場違いな事を考えていたりするのだが]
まあ、問題は、幽霊相手に人の理屈が通じるか、ってとこだな。
[しかし、内心の考えなどはおくびにも出さず、けらり、笑って見せた]
[言うべきか言わざるべきか。その狭間で迷っているような表情を浮かべ、一度史人を見上げる。見上げた史人の表情が僅か険しいものを含んでいることには気付けただろうか。口元を押さえていた右手を胸元へと持ってきて、きゅ、と拳を握る]
……祭りの、準備が始まる辺りから、時折、声が聞こえる、の。
何を言ってるかまでは、はっきりしないんだけど…。
私に、呼びかけてくるような、そんな感じがしてて。
あ、でも、私の、気のせいかも、しれないし。
私、気にしすぎる、みたいだから。
[どちらかと言えば、言葉は史人に打ち明けるかのように紡がれ。それでも気のせいだと思いたい部分もあり、先程の史人の言葉を借りて取り繕うとする]
[遠くで数名が話しているのと擦れ違ったかも知れないが、此方は気付かずに通り過ぎた。]
おォ、あった。
[準備をする集落の人に久し振り、などと挨拶をしながら、3年前と全く変わらない――花葉の無い桜を見上げる。]
咲いてはいけない桜、な。
・・・・まァ実際、ビョーキかなんかだろーケドさ。
[周りに聞こえない程度に夢の無いことを独り言ちながら、デジタルカメラの照準を合わせた。
小気味良いシャッター音。]
そうですね。一人前になったって自分で認められる時が来ると良いんですけど。
榛名先生とは違って、まだ半人前ですから。
でも…はい。頑張ります。大好きなことですから。
[力強い笑みを浮かべる]
思うまま、ですか。だからこそ、余計なものがないのかもしれませんね。
大なり小なり、世界の見え方は人によって違うとは思いますけど…まあ、俺にとっての、榛名先生の世界の見方は特別なので。
[玲の言葉に軽く鼻を鳴らすと]
まあ、どちらにしろ俺は己を曲げる気はないわけだが、な。
[そう言いつつ、茶を啜る。
声が笑っていない瑠璃の言葉にはふうと息を吐くと]
瑠璃。そう見られたくないのなら、そう見られない服装をすべきだろうが。
それで、喧嘩を売るのはお門違いだろう。
史人も帰ってきたの3年ぶりだし。
もしかしたら方々で知り合いとかにつかってるのかもね。
ちょっとしたお使いかなんかじゃなかったっけ?
[事実知り合いにあってることなどは知る由もなく適当に、
お使いの件は昨日たしかそんな話があったようなと記憶はおぼろげに玲に尋ねて]
まぁお茶でも飲みながらのんびりするのもいいことだよ。
[ずずっとお茶をすすりにぃっと笑いかける。
少女のような外見と年寄りくさい言葉のギャップが*漂う*]
同僚にも言われて、色々と試したんだが、どーにもコレ以外は合わないらしくてなぁ。
[言いつつ、ちらりと視線を向けるのは胸ポケットから覗く紅い箱]
っても、一日一箱と無茶はしてないんだから、そんなに酷いとも思えんのだが。
聡はあっついな…。
[ぱたぱたと扇ぐような仕草]
と思えば、適当が信条……変なやつ。
ま、若い時分は大抵何やってもどうにかなるから良いとは思うがな。
[と、眉を顰めた。]
また?
[カメラを下ろし、だが視線は桜を見たまま動かない。]
・・・ハハ。
まさか、なァ。
[少し後にはまた、何時ものような軽薄な笑みを*浮かべたけれど。*]
なんだ。
ボクの趣味にけちをつけるというのかっ!
[湯飲みを置き晴美の方を見る]
ボクはボクのことを男知りながらも女のように見るのがむかつくだけだよ。
[いろいろと自分の中で*複雑らしい*]
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