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[見据える視線から、目を逸らしていたためか、伸びる手には気づかず。
再び触れた、先とはまた異なる感触にきょとり、と瞬く]
……あ。
あのな。
[とっさに口をついた言葉には、多大な困惑の響き。
矛盾の指摘にも、すぐには気づけぬようで]
……そんな、不調者だらけ、なら。
尚更、言うわけにも、行くまい?
先に担ぎ込まれた子の事もあるし、な。
[早口に言い募り。
実質的な監視宣言には、観念したよにため息一つ]
……わかったよ。
[もっとも、今受けた違う意味での衝撃?で、頭痛は大分和らいでいたから。
そう遠くなく痛みは引いて、声も挙動も確りとするのだけれど。
納得してもらうまでは、それなりに時間はかかった、かも知れない。
ともあれ、落ち着いた所で、食事を取りに行くべく広間へと向かう。
階段近くまでは、やはり、監視はついてきたわけだが]
……色々と。
悪いな。
[階段での別れ際、呟くようにこんな言葉を向けて。
先ほどは避けた広間へと、足を踏み入れた]
さんきゅー。
[小瓶を慣れた様子で受け取って]
漫才はやめとくわ。
余計に別の意味で殺気立たれるおそれもある。
[その他もろもろには同意の意を返しながら]
なんだエーリッヒか…かわんねぇな…。
[呟いて額を拭うナターリエの手をとって]
ほれ、みせてみろ簡単にだが治療しておくぞ。
ぎりぎり若者部類のお兄ちゃんがな。
[手馴れた様子でナターリエの手を持ったまま、
片手で薬ビンのふたをあけて傷口にぬって]
この深さなら包帯とかはいらないだろうが今日一日は水場はさけたほうがいいな。
─広間─
……で。
こちらはこちらで、大分、賑やかなようだが。
[足を踏み入れた広間の様子に、ぽつり、と呟く]
何か、あったのか?
あっはっはっ、そりゃ失礼。
しっかしどうしてそうも物壊すんだか。
ドジっ子?
[別の微妙な呼び方をした]
ん、捕まえたら診とく。
つっても俺も逃げられる可能性はあるかもだけどなー。
全く以て同感だ。
[漫才に関してはそう返しておいた]
[提案したのは自分だろうに]
うん、切ってたみたいだな。
まぁ大騒ぎしてないから大したことないんだろう。
[冷や汗を垂らしているエーリッヒには軽くそう言葉を返して]
[やって来たライヒアルトには片手を上げた]
よ、ライヒ君。
いやまぁ、家主さんがまた。
[多分それで通じるだろう]
[ライヒアルトの訪問にようと手をあげて]
エーリッヒの破壊工作により女の子が傷物にな。
[冗談めかすようなその物言いに大事件ではない様子をにおわせながら]
みんなの様子からさっするに変わらずいつものことなのかもしれんが。
エーリッヒが皿割った。
頼む。
[自分でやる、と頑なになる気にはならず。
手を預け、薬を大人しく塗られた。
ぎりぎり若者と、自分の台詞を返すマテウスにくすと笑い。]
なに、近いうちに皆仲間入りだ。
歳はそう変わらないんだからな。
[そう言いつつ、マテウスの注意にはこくりと頷いた。]
わかった、なるべくそうする。
ん、こっちは私の不注意だから問題ない。浅い傷だしすぐ治る。
手袋をして拾うべきだったな。
[心配というよりは焦ったように見えるエーリッヒに、何のことはないと返した。]
…………。
[ゼルギウスと、マテウス、二人の説明に。
暗き翠は、やや、半眼に]
ま、た、か、家主殿。
二度あることはなんとやら、というが。
ここに来てから、三度目だろうが。
[声に滲むのは、呆れの響き。
足元の猫も、同意するよになぁう、と一鳴き]
ライヒー…ライヒか。
[うっかり言いなおしながら、新たに入ってきた男に軽く、反対側の手を上げて。
説明はゼルギウスとマテウスがしたので、軽く肩を竦めるに留め。]
分かってたら壊さないよ。
…それもやめて。
[用意してもらってあった袋に塵取の中身を空けて。
別の呼び名は前のより微妙に過ぎて、がっくりと項垂れた]
ま、小さい子供じゃないんだ。
酷くなる前には言うだろうし。見てれば気付けるかな。
[共同生活を強いられている状態なら。
苦笑いに近い表情で応えると]
あっと、俺の分もナターリエが一緒に運んでくれた?
なら戻って食べるか。
そうだな、そうなる日も遠くはないか。
[歳の話に笑いかけて]
で、いつかはヨハナさんの仲間入りだな。
そのときにもヨハナさんが変わらない姿でいるイメージが浮かぶんだが…。
[苦笑をもらして]
気をつけろよ?
俺みたいな傷跡ついてからじゃ遅いぜ。
[と、そこにはジト目の同居人]
いやまあ、その通りなんだけど。
俺は別に。
食事をしたいと、思っただけで…。
[なぁう、という同意に追い討ちをかけられ、流石に凹んだ。
しゅんとして、項垂れたまま]
だけど、うん。ごめん、ナターリエ。
傷つくらせようとか、そんなつもりは微塵も。
[あったら問題すぎとも言うが。
本人は至極真面目にそう謝った]
まぁその呼び名を言いふらすつもりは無いから安心しろ。
[項垂れるエーリッヒにけらりと笑った]
悪化してからじゃ遅いからな。
そう言う愚行はしない子だと思ってる。
ああ、飯まだだったんだ。
冷める前に食って来い!
[そう言ってエーリッヒの背中を軽く叩いて広間へと押しやった]
[突っ込む前に言い直されたナターリエの呼び方に、ほんの一瞬、眉が寄った、かも知れない。
そんな主の代わりにか、猫がなぁ、と鳴いて挨拶するよに尻尾を振った]
別に、それ自体は構わんし、俺にはそれを止めるべくもないんだが。
……もう少し、どうにかならんもんかと……。
[落ち込む家主の様子に、ため息一つ]
まったく。
今になって、こんなやり取りを繰り返す事になるとは、な。
そんじゃ俺は紅茶でも淹れようか。
ああ、エーリッヒみたいに壊すってことはしないから安心しろよー。
[からりと笑いながら言い、一旦厨房の中へ]
[適当な茶葉を使って紅茶を淹れると]
[カップを数個用意して広間へと戻った]
[飲みたいものには好きに飲ませて、自分もカップに注ぐとソファーに身を沈める]
[そうしてしばらくはゆったりとティータイムへと*しゃれこんだ*]
頼んだゼルギウス。
[紅茶を取りにいくゼルギウスを見送り]
まぁ、なんだ。
世の中にどうにもならないこともあるってことのいい例だな。
エーリッヒのあれはドジとか性格とかどうのこうのというより世の中の法則とかそういうのなんじゃないか?
[エーリッヒに笑いかけながら]
とりあえず、食べようやご飯。
ヨハナ婆、どんだけ長生きなんだ…。
[ありえないような、ありえそうな。
おいとマテウスをジト目で一度見た後で、顔の傷をじっと見つめ。]
そうする、が。
傷の一つや二つ、ついていようが私が変わるわけではないからな。
[だから別にいいとは言外に言い。]
気にするなと。痛い傷ではないし。
ああ、食事は運んでおいたから、冷めないうちに。
[とエーリッヒに椅子を勧めた。]
ああ、そうだな。冷める前に。
[広間に戻る前、そうゼルギウスには応えたのだが]
一応、これでも暮らせてはきたんだけど…。
[ボソボソと反論はしてみる。食べること「だけは可能」な食事を出したりしたのは、同居人にとって忘れられない記憶になっている、かもしれない]
いやいや、ヨハナさんならわからんよ。
[ナターリエの頭を優しく撫でて]
お前がきにしなくてもそれに関わることになった相手がいれば当然気にする。
それにいつか大切な人が出来たときにも気にすることになるかもしれない。
[優しく笑いかけながら]
それにそういう人にきれいな姿を見せてやれるほうがいいだろう。
[エーリッヒが広間に戻ってくるのを確認してから]
早く食べようぜエーリッヒ。
ゲルダの愛情がどんどん逃げちまうよ。
[家事をやる、と宣言するにいたった事は、五年たった今でも忘れられない記憶として残っているとかいないとか。
正直、修道院を離れてまで家事をやる事になるとは思ってもいなかったため、ぐったりとした覚えがあったのだが]
……とりあえず、俺も、飯、食うか……。
[食べないとうるさそうだし、という言葉は内心の*独り言*]
[眉根が寄った様には気づいたが、言われる前に言いなおしたからまだセーフかと自己解釈し。
代わりに答えた猫に、小さく微笑んだ。]
ほ、法則とまで…。
[笑いながらのマテウスの言葉に止めを刺され、一度撃沈]
それでも、やっぱり女性に傷とかは…ね。
ありがとう。
いただきます。
[ナターリエに勧められて、ようやく席についた。
マテウスの言葉に、あ、というように頷き食事に手を伸ばす]
…美味しい。
[葱のスープは好物の一つだ。表情が少し戻った]
まぁあれだ、そう落ち込むな。
回りもそれはわかってフォローもしてくれるんだしな。
[笑いかけてさぁ、たべようぜと促し]
いただきますと。
[ゲルダに感謝の念をこめながら葱のスープにスプーンを伸ばし]
美味しいな…、ゲルダ料理がこんなにうまくなって…。
[感慨深くそう呟く]
だとしたら、ヨハナ婆は人狼より怖いぞ。
[とは軽く冗談めかして。
マテウスに撫でられると少し身を固くしたが、徐々に力は緩められていく。
言われた事には、ああと納得。今のエーリッヒがまさにその通りだった為に。]
気にされるのは嫌だな。…ん、気をつける。
[素直にこくりと頷いた。]
綺麗、か。
[ヨハナにも言われたが、いまいちピンと来ない台詞に難しい顔をしながら。
エーリッヒが席に着き、マテウスと二人食事をする姿を見て、は、と。]
…そういえば、私も途中だったんだっけか。
[テーブルの上に乗せたままにしていた料理を食べようと、同じ席に着いた。
大分冷めていたが、それでも美味しいと思いながら口に運んでいく。]
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