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―広間―
それは事前確定なんですか?
[軽い調子のブリジットにクスリと笑う。
何かがスゥと溶けていった]
カル、お茶も持ってきたけど。飲む?
[いつものように声を掛ける]
ダメモトってのが、有るんだよ。
…そして、やっぱりあの人なのか……。
師匠の方の作品を強請ろうとする作戦も潰えたな。
[既にそこまで考えていたらしく、ぼそりと呟く。
血筋、との言葉には、小さく頷き]
…べっつに?
[お礼とあどけない笑みには、軽い言葉。
立ち去る姿にひら、と手を振って返した]
ユーリ。
うん、起きられるようにはなったみたい。
片っ端からお礼をしようということらしいよ。
[扉を振り返り、遠まわしにあまり大丈夫でもなさそうだと言う]
あ、お茶淹れたんだけど。
ユーリは?
うん。そだよー。ロミちゃん。なんだか運よく釣れたよ
[ぱたぱた両腕を降るロミルダに手を振り返し]
そっか。成り行きか。…そういやさっきなんか外から音がしてたっけか。
[ダーヴィッドの成り行きという言葉にそういえばと思い出す。とはいっても誰が演奏していたかなど知らないけれど]
俺は…気分転換と貴重な体験を味わうためだな…しっかしと暇なときの人間は碌なことしねーよな
[自分でやっておいていってしまいつつ、忠告には手をひらひらさせて]
大丈夫大丈夫。昨日のは本当に見た目が大袈裟なスプラッタだっただけだから。それに落ちるぐらいなら竿放り捨てるよ。俺は
あ。そういえば。
お大事にして下さい、フォーサイスさん。
[ダーヴィッドの言に腕の惨状を思い出したらしい。
今更ながら、そんな注意を投げかけて]
別の意味で監視がいるんじゃないでしょうか……。
[問いかけられた言葉に、ブリジットがユリアンの方を向いた]
うん。大丈夫だよ。
やあやあ、ユリアンさんにも色々とお世話になったようで申し訳ない。
まあ、実際にお世話になったかどうかは知らないけど、とりあえず、いる人全員に同じこと言っているので、軽く「おうともさー」とでも答えておきなさい。
─集会所・2階─
あ、そういやゼルの傷ってあの後ちゃんと手当てしたのかな。
…してないんだろうなぁ、どうせ。
ついでに見てきた方がいいかな、うん。
[一応ね、と一人でぶつぶつ言いつつゼルの部屋をノック。返事がなければ階下に向かうだろう]
ぅ…?
たのし、そうな、ひょうじょう…?
[ブリジットの持論を聞いてきょとりとした。
カラ元気や作り笑いのような、自分を偽ることを出来ぬが故に。
カルメンは感情をそのまま表現することしか出来ない。
そして何故そのようなことを言われたのかも理解して居なかった]
あ、え?
ゲルダちゃんまで、具合悪いの?大丈夫…?
[ゲルダがユリアンに向けた言葉が洩れ聞こえ、微かに首を傾げる]
…えーと。
[フォローを入れようにも、何が有ったかを知らぬがゆえにそれも叶わず]
大丈夫なら、よかったです。
[やっぱりゼルギウスのお蔭で、宣言は聞いていなかった。
さっきのユリアンの時とは違い、ロミルダはその言葉をあっさりと信用して、ゲルダから絵本を受け取った]
たしかに、
団長さんのお話と、似てるですね。
[腕の中に戻った絵本に目を落とす]
ああ。ありがと。…自虐趣味はないから大事にするよ
[ローザにいわれたことを思い出しつつゲルダに答えたところで、ノックの音がするので振り向いて]
はーい。どなたかな?
そっか。
取りあえず、起きられるようになったんなら、よかった。
[クロエの説明に、ほっとしたように一つ、息を吐く。
それでも、遠回しの言葉に、少しだけ眉は寄っていたが]
つか、片っ端から、お礼、って。
なんで、そーゆー事に。
あ、お茶あるなら、もらう。
ずっと、川風当たってたから、ちょっと冷えたし。
……ああ、すみません。
大丈夫です。
なんというか、頭の痛い話だなと思って。
[言葉に迷っているらしいダーヴィッドに、苦笑を浮かべてみせて]
今のは、お気になさらず。
嫌われることをしただけですから。
[さらりと言ってのけた]
アメディックさんとクロイゼルングさん、仲が宜しいんですね。
幼馴染、とかそういうのですか?
そんな高いところから魚釣りする人、初めて見たです。
[そりゃそうだ]
やっぱり、ゼルさんはすごいです。
[ゼルギウスに手を振りながら言った。
何がやっぱりだかは分からないが、ロミルダ自身はどこまでも本気のようだ]
[返事がかえってきたのでドアを開け、ゼルの姿を確認。
したところで眉間に皺を寄せ頭を振って]
…………釣れんの?
つーか何やってんのよ、けが人。
あは。
でも、もし、似ているだけじゃなくて、本当なら。
ある意味、良いのかもしれませんね。
その人達なら、「人狼」に対抗する手段を持っている、ってことでしょう?
[ロミルダに言うのは敢えて明るい声で]
まあ、何もない、で終わるのが一番ですけど。
は……?
[疑問に答えが返るより先に、当のブリジットから声をかけられ]
いや、俺はダーヴに言われて、ほんのちょっと手伝っただけ……なんだけど。
[話の流れを今一つつかめず、返したのは素の返事だった]
そっ。事前確定。
そこまで含めて飲むのがいいんだよ。
[クロエに笑いながら返し、カルメンの言葉を聴けば]
うん。楽しそうな表情。
難しく考える必要は無いよ。
ただ演奏することを楽しめばいいんだから。
全て一切、他の事全てを忘れて、演奏というものだけを考えて楽しむ。
それだけのことだよ。
[言いながら、最後に優しくその涙の跡を指でぬぐってみた]
見た目大袈裟なスプラッタって。
実際に怪我してんだから、自重しましょうよ。
そもそも自分をモルモットにしてたとかの理由もよくわかんないんだが…。
[自分で自分の行動を「碌な事」ではないという、その感覚がやはり分からずに、溜息を吐いた]
…いや、ほんと。
監視いるかもね、あの人には…。
[軽くこめかみを押さえながらの呟き]
[指で流れた滴の跡を軽く拭うように、そっと撫でる]
うん、分かった。
紅茶とルイボス茶なら、どちらがいい?
[カルメンに聞いてから、ユリアンを振り返る。
問いそのものは省略したが伝わるだろうか]
そこは当人に聞いてね。
おー。ロミちゃんもか。実は俺も聞くのもするのも初めてだ
やった。……運がいいんだけだろうけど
[何がやっぱりかはわからないが素直に感心するロミルダに無駄に満足感を得た]
お。ローザか。…釣れるかどうかは………うりゃっ
[竿を思い切り引きました。はたまた宙を舞う光に反射されてきらきらとする銀の鱗]
……釣れたよ……もしや針のおかげか
[物凄く複雑そうな顔をローザに向けながらとりあえず二匹目を放り込んだ
けがについてはそのまま誤魔化せないかなーとしている]
[雫の痕を拭われ、ようやく泣いていたことに気付く。
あ、と言うか細い声の後に、手の甲でごしごしと残りの痕を拭った]
えんそう、たのしむ。
うん、おと、ならすの、たのし、い。
そう、する。
[ブリジットの言葉に対し、こくりと頷いた。
とは言え、今回のように知らず別の感情が籠ることがきっとあるのだろうけれど]
……既にご説明いただけたっぽい。
[当人に、という言葉にがじ、と頭を掻いて。
葦笛は未だに手に持ったまま、袋を置いたままのテーブルへ向かう]
あ、紅茶あるなら、そっちほしい。
なんも、入れなくていいから。
……ちょうど、どなたか来たようですし。
任せておけば良いのでは。
[呟くダーヴィッドへの台詞は、暗に、痛み止め浪費防止への賛成だった]
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