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えっ、あ、はい。
[殆ど使ったことの無い携帯。
それでも一応念のためと持たされてはいて。
しかし取り出したそれには「圏外」の表示。
万に一つに賭けてもみるが、勿論繋がるはずも無く]
…ダメです、電波も届いてない…
[その無情な表示をヒサタカに見せて]
[軽く目頭を押さえながら小さく息を吐き、淡々とした言葉に視線を向ける。
彼女は…誰だったっけ?なんで夢なのに、名も知らない人がいるのだろう?そんなことを考えながら。]
事実?
今此処で起きてることが?
貴女は……これが現実と思ってるの?
…………そうか。
だったら、朝まで待った方がいいな。
[ヨウコの言葉への返事が、意外そうな声ではなかったのは、ある程度の予測がついていたからだろうか?]
…彼女を寮に運びたいんだが、部屋を知っているか?
[腕に抱いたマイコを差し示して尋ねる]
……、……………。
[ふるふる、何度も、かぶりを振った]
ソレは、駄目だ。
[短く言って、立ち上がる。
握っていた拳で、目の辺りを擦る。]
[返事が冷静だなと思えば、自身も少し落ち着いた表情になるか。
一瞬女子棟に男子生徒を入れていいのかとか思ったが、既にそんな場合じゃないと頭を振って]
そうですね、朝になったらまた試してみます。
はい、分かります。こちらへ。
[そう言うと寮の方へと歩き出す。
ウミやサヤカの会話は出来るだけ耳に入れないようにしながら]
[桜を見上げていた視線を下ろすと、サヤカに向き直り]
現実じゃなかったら何だって言うんです?
夢? 幻? それとも、妄想とでも?
そう言って逃避するのは簡単でしょうけど
起きたことを起きたこととして認識できないと……死にますよ
[そう言うと、返答も聞かずその場を後にしようとする]
…、うん。
[立ち上がったのを眺めて、
ぽつりと零れる言葉を肯定する様に、短く言葉を返す。
ゆっくりと自らも立ち上がって。]
…だから、明日の朝にでもリュウ探してあげませんか。
今からでも良いッスけど。
[俺でいーなら付き合いますけど、と
立ち上がった事で自分より低くなった相手へ視線を向けながら]
………すまない。
[ヨウコの案内に従って、寮にマイコを運んでいく。去り際に、校門近くにいるショウとアズマに、一瞬視線を向けただろうか]
ギタイ?擬態。
ヒツヨウ?必要。
[どちらかといえばまだ交じりきっていない部分が表に出ただけか]
面倒。でも我慢。
[それはいつまでもつのだろうか]
[ふと、此方へ向けられる視線に気付いて、
ポケットへと手を突っ込んだまま、ゆるりと意識を向ける。
寮へと向かうのか、歩みを進める集団の中から
視線の持ち主を悟ってか、不思議そうに緩く首を傾げ]
ん、ヘーキ。
オレだけでも、捜せる。
アイツの事だから、中、いるかわかんないし。
[居て欲しくない、と思う気持ちと。
居て欲しい、という願いとは、半分で]
あずまんは、休むといーよ。
…あずまんも、
[“アレ”と同じようなモノを、見たのか。
そう問いかけようとして、止める。]
[そのまま、寮の部屋へとマイコを運び、ベッドへ寝かせると、後のことはヨウコに頼んで、自室に引き上げていくだろう]
[どう考えても、*眠れるはずもなかったが………*]
[向けられる視線に気づいて、顔を上げる。
いつの間にか、桜の大樹から少女は消えていて、
人も疎らに散っているようだった。
…けれど、すぐに顔を戻して]
―――…、あ。
あずまん、コレ、お願い。オレの部屋に。
[バスケットボールを拾って、アズマに向けてパス]
こんな夜にこんな所に突っ立っててもしょうがない。
[話し込んでいるアズマとショウから視線を外した。]
それにしても。ウミは、強い子だね。
[ヒサタカの後を通ってフユは寮へ。]
[マイコをベッドまで運んで貰い、感謝を述べてヒサタカを送り出す。
それから衣服を緩めたりなんだりと苦しくないようにして]
―――。
[数瞬、その寝顔を見つめ]
…おやすみなさい、舞ちゃん。
[そう言うと明かりを消して扉を閉める。
それからゆっくりと自分の部屋に*戻った*]
音色と親しい子。
ヨウコは羨ましかった。
[マイコを見下ろし憑魔が哂う]
いつも元気いっぱい。
きっと普通の人間でも力は溢れてる。
[それでもまだ手は出さずに]
まぁ、ヘーキなら…いーんスけど。
無理はしちゃダメッスよー?
[目元を擦った相手に、不安も過ぎったが
無理強いする事でも無いし、と思い直して。
相手の返事に、りょーかい、と。軽く返事を返す。
と、続きかけて消えた言葉に、ん?と首を傾げるも
投げられたボールに、咄嗟にポケットに突っ込んだ片手を抜いた。
一度弾いて、今度は両手で受け止めて。]
…センパイの部屋っスね。
ういス、頼まれましたー、と。
[気をつけて下さいね、と。左腕にボールを抱えると、
ヒラリ手を振って。そのまま寮へと*足を向けた*]
ん。じゃなー。
[へらり、笑みを浮かべて見せて。
相手の返答に頷いて、裏庭へと駆け出す。
感覚はあるのに、何処か、*現実味がなかった*]
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