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ミハエルさんか。
ツィターデレ家の扱う瑠璃は総じて一級品だって評判なんだよ。
年嵩の兄弟もいるはずだけど、こっちに来たりしてないみたいだし。取引の一切は彼がやってるんじゃないかな。
凄い子供だって思ってた。
[だからこその口調と態度だったのだけれど。
それでもまだ多感な少年なんだなと思ったから、過去形]
まあ、ゼルさんのイレーネさんへの態度を見てれば。
ライさんと浮気するとは思えないよね。
[聞こえても口を挟まずにいたのだが、ぼやきになってゆくライヒアルト>>481には小さく吹き出してしまった。
自衛団長の所へ行くのならいってらっしゃいと見送る形]
[そう言うと、イレーネの顔を心配そうに見つめて。
それでも同行すると言われればわかった、というもののゼルギウスに視線を向け、ゼル兄も一緒だよね?と問うだろう。
カルメンの人形について、ユリアンから手元に残したいなら、と言われれば、え、ときょとんとした後慌てた。]
えと、その、可愛いって思うけど、その。
私、こういうの持つの、似合わないし。
あんまり持ち合わせとかないし、こんな綺麗なの、買えないよ。
[女の子らしいものは持ったことがないのもあり、どぎまぎとユリアンやカルメンを見た。]
ママだとそう感じるのだね
おなかの子供と繋がっていると、嬉しいも悲しいも解っちゃうみたいだ
[元気そうなら、ほと一息をつき好かったと娘は安心する態になり。おなかの子を想う母の仕種を見て緩く眸を細めた。]
イレーネさんも用事があるのだね
それは直接渡した方が好いのかい?
クロエもああ言ってるし、頼めそうなら請け負うし、
呼びつけても好いと想うのだよ
[気遣う様子を娘は覗かせる。それでも直接向かうのならば、
ゼルギウスの事も想って大丈夫だろうかと結論付けるが。]
え、ちょ、ちょっと待ってよ
凄いなあって、想ったけど、欲しいとかそんな厚かましい事は云わないのだよ
扱わせてもらった事はあるけど――――…
お客様優先しないといけないし、ね
[ふと、カルメンとユリアンの話を聞き娘はうろたえ気味になった。欲しいとは思いつつも雑貨屋を経営する身として、そんな抜け駆けは駄目だと祖母には云い聞かされてきたから。その反面、矢張り気になるのか、欲しいとは言いだせずにおろおろしてみせるのだけど。]
や、あ、あのっ
私、その…、悪い、から!
[カルメンから礼と共に気に入ったものがあれば譲ろうかと言われれば、商売の邪魔をしてしまったかと更に慌てて手を振って。
だが、決して欲しくないわけではないので、同じようにうろたえるゲルダと共に顔を見合わせるだろう。]
買って呉れる好い人に巡り合えるとうれしいね
そうそう…品もまた、人を選ぶとも謂うし
[クロエとの人形の縁の話を聞き、頷く仕種を娘は見せた。誇りだと口にするユリアンにはそうだねと同意をして。]
でも、欲しいとか、綺麗だなって想う事は悪い事じゃないよ
せめて何が好いのか気に入ったとか伝えてあげるのも好くないかな?
[女の子らしくどぎまぎとするクロエにそう伝えて微笑み、彼女の真意を問おうと娘は言葉を待った。]
[全部、というユリアンには少し瞬いたが、その意図は察したか特に何か言うこともなく。
言葉に対する二人の反応はとてもよく似たもので、思わずくすりと笑った]
似合わないなんて、そんなことはないと思うわよ。
[テーブルに両肘をつき、組んだ指の上に顎を載せて、可笑しそうに眺め]
ゲルダさんのお店にはいつもお世話になっているし。
そう言えばクロエさんには、この間のハンカチのお代がまだだったわね。
もしよければ、お礼の代わり、ということでどうかしら。
[二人を交互に見ながら、そんな風に提案した]
ん…ミハエル君一人、みたい。
あ、使用人さんは居るみたいだけど。
[仕事している最中、たまにミハエルと話している男性を見かけるが家族ではなさそうだったから恐らくは、と。
自分の足りない言葉を補足してくれたユリアンの言葉を聞けば、ミハエルの立場や心情を思って更に表情は曇っただろうか。
ゲルダが手にした本を抱きしめ、愁いているのを見れば約束を取り付けた意味がまだあることに思い至ってその背を撫でて。
ライヒアルトからそろそろ行くか?と聞かれれば、顔を上げ頷いた。]
うん、そうだね。行こうか。
[そう言って、同行する、と言っていた面々に向かって行けそう?と首を傾げ。
他の人たちからも了承が得られるなら共に自衛団へと*向かうだろう。*]
え…そ、そりゃすごく可愛いとは思うよ?
あ、う…え、えっと…。
[ゲルダから微笑まれると言葉に詰まり。
ユリアンからも笑いかけられ、カルメン本人からもお礼代わりと言われれば赤くなりながらも欲しくないわけではないからなんといえば良いのか解らなくなり助けを求めるようにゲルダを見て。]
じゃ、じゃあ…ゲルダも一緒に見させてもらお?
[やっぱり一人で貰うわけにはいかないから、と幼馴染を巻き込んだ。**]
どうぞ?
[クロエたちの返答に微笑んで、籠をそちらに少し移動させた。
やがて詰所に行く面々にはついていかず、その場で見送る心算]
そういえば、こちらが頼んだものは今あるかしら。
[それらが一段落した頃か。
ふと思い出したように手を合わせ、ユリアンに*尋ねた*]
そうね、ここは平和な村だったのだし。
[今まで"狩る"時も、極力村に影響のない者を、時には麓で、その周囲で行い。
自分たちの住みかに影響ないよう注意を払っていた。
それを崩した原因を思えば、やはり調子は少し沈む。
それでもそれを口にすれば、また夫や同胞に気を使わせてしまうので告げる事はなかったが。]
……ふふ、そのつもりだったわ。
[同行を薦められる前から、渡すのであれば彼女らと一緒にという思いはあったので笑みながら返す。]
考えてる事は一緒、ね。
ええ、なるべく疑われないように……。
[全ては腹の子の為に。
子の宿る袋を撫でながら、母は穏やかに微笑んだ。]
[幼馴染からもミハエルの事を聞いて。
何処か自分達とは纏う空気が違うことを少年から感じながら、
娘は、そうなんだ、と相槌混じりに娘は返事を返す。]
そうだね、行かなくちゃ
ずっと待ってて呉れる様子でも――無かったし
[クロエと共にカルメンの人形を眺めながら
どうしようかとも訊ねたりしているうちに好い時間となり。
待たせてしまった面々に詫びを入れながら自衛団の詰め所へと向かうことになる。]
じゃあ、行って来るのだよ
カルメンさんとユリアンはお互いにいい商談にまとまる事を祈ってる
[付いてきて呉れるライヒアルトにお願いした途端、
イレーネの話を思い出しながら娘は、]
白雪色に染まる髪、綺麗にライヒ君にも似合うと想うのだよ?
[心配を掛けさせるかはともかく、娘は想った事を口にした。]
石商人の噂と、親父から教わった話だけど。
俺もちゃんと話したのは今年が初めてだ。
うん、可愛いよね。仲も良さそうでさ。
[カルメンに、これは外すねと目線で告げる。
ゲルダが買うとは限らなくてもそうするのが良いと思った。
クロエも選ぶならそれについても同じように]
ああ、別に其処まで気を使ってほしい訳ではなくてね…
でもユリアンが良いと想ったのなら遠慮しなくてもさ
[おろおろしながらも、如何しようかと娘はクロエにも同意を向ける。
―――内心としては、きちんと大切に扱えるかの方が解らなく自衛団が考えを改めないのなら…という想いも娘の心中に或る。
だからこそ、愛らしい人形たちが血に濡れることなく、如何か良い人たちにめぐり合ってほしいと望む訳で。]
うん、本当に可愛いよ
[悟られぬように二人へ極めて常の笑みを向けると、手にした本をぎゅうと抱きしめた。クロエに不安そうに思われたのか背を撫ぜられると、有り難うと耳元で囁いて。]
― 宿→自衛団詰め所 ―
[話もそこそこに向かう面々達に声をかけて宿を出る。
宿から其処まで遠くない場所に詰所は建っていた。治安を守る名目よりは寧ろ鉱山で採れる瑠璃の産出量を取り締まる事の方が常の仕事ではないかとも娘は感じていた。だからこそ今回の騒ぎで村を掛け回る団員達の姿に違和感を抱くのも当然の事で。
当然、此処までの道のりも前にも後ろにも団員達が付いてきた事もあり、処置の為された手首を撫ぜながら不安そうに娘は俯く。時折脚の歩みが遅くなる事もあり、後ろに居た人とぶつかりもした。娘は謝りながら詰所内へと急ぐと其処には先程宿屋で処刑の取り決めをした自衛団長の待つ執務室へと一向は通される事となる。]
―――ギュンターおじいちゃん
[団員達の鋭い眼光に萎縮こそすれど逃げるわけでもなく。娘の脚が小さく震えるのは恐怖では無く、得体の知れないものに脅かされた人間の空気で。]
僕の聞きたい事、それは――――…
[震える唇はやや云い淀むが、
それでも言の葉を紡ぐことは辞さず。]
10年前、僕の双子の弟のエドガーが死んだのも
もしかして人狼の仕業だったのかな…
[不幸な事故だったとその時の人は云う。雑木林で野犬か獣に襲われたと確かあの時はそう結論付けられた筈で。…けれど娘は見てしまったのだ。弟が無残な屍に成り果てた事を。
其の時の人狼と、今回の事件が重なるとは思ってはいない。けれど、如何しても近視感を拭う事が出来ず老年の自衛団長に恐る恐る訊ねた。返事が返らずとも言葉が濁されても、其れも一つの答えとして娘は受け入れたのだろう*]
─宿屋・食堂─
あ、それ可愛いよね。
女の子も猫さんが一緒だから寂しくなさそうで。
うん、やっぱりカルメンさんのとこの子は可愛いな。
…あ、そうだね。
もうそろそろ行かないと爺ちゃんも忙しいだろうしね。
ごめんねカルメンさん、また後で見せてもらっても良いかな?
[ゲルダも一緒に人形を見てくれれば、安堵したように微笑んで。
ベッティやブリジットも交えてどれが可愛いなどと話をしただろうか。
背を撫でたことに対してゲルダから耳元で礼を言われれば擽ったそうに微笑んで。
結局自分は明確にどれが欲しいとは言わぬまま、ゲルダ達とともに自衛団詰め所へと向かった。]
─宿屋→自衛団詰め所─
[詰め所へと向かう自分にキーファーはついてきただろうか、ついてこないなら大人しくしてるんだよ?と声をかけ、ついて来るならそっと抱き上げ連れていっただろう。
詰め所へと向かう者達の前後を監視するかのように自衛団員たちにつかれ居心地の悪い思いをしながら道中を行き。
途中ゲルダの歩みが遅くなることがあれば大丈夫かと問い手を差し伸べた。
そうこうしている内に詰め所につき、執務室へと通されれば自衛団長がそこにいて。
ゲルダが自衛団長へと問いたことを聞けば、彼女の憂いの一因を知り驚きに目を見開いた。
かける言葉は持っておらず、彼女の細い肩をそっと支えることしか出来ず、自衛団長の返事を待っただろう。]
[ゲルダと自衛団長の話が終わっても彼女の傍についたまま、連れ立ってきた面々が自衛団長と話すのをただ聞いていて。
結局皆の話が終わるまでゲルダの傍を離れなかった。
皆が帰ろうとする頃合、どうしようか、と悩んでいるところに自衛団長からクロエ、と名指しで呼ばれはっと顔をあげるとこちらを見つめるその人の姿があって。]
ギュンじい、ちゃん。
[話があるのだろう?と問われれば躊躇いがちに小さく頷いた後、言って良いのかどうかわからぬまま、こんな希望を述べた。]
出来れば、爺ちゃんだけに聞いて欲しい。
[その言葉を聞けば周りの自衛団員は止めただろうが、自衛団長はわかった、と頷いて人払いをしてくれた。
ゲルダ達はどういう反応を示しただろう、それに対しては彼女達の方は見れぬままでごめん、と謝罪だけして。
誰かが自衛団長の方を見ていれば、気になるならば聞いていろ、と目配せされただろうか。
そうして、二人だけになった部屋の中。]
ギュン爺ちゃんは、おじいちゃんから、聞いてたんだね。
私の、目のこと。
[その言葉は、問いではなく確認だった。
頷きをもって返す自衛団長をまっすぐに見つめたまま、震える声で言葉を続ける。]
……だから、私を村に置いていたの?
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