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―雑貨屋―
詰所に寄ってたの?
また何かされたりしたんじゃないよね。
[雑貨屋の前でゲルダと合流した。
先に出ていたはずの理由を聞けば眉を寄せる。
自衛団への感情は最悪状態だし、ゲルダの様子が少し変わったように思えた。その理由までは他に思いつけない]
―村の通り―
なあ、ゲルダちゃん。
団長さんって何考えてたんだろう。
クロエちゃんの話だと、形だけ作っておいて後は一人で片付けてしまおうとしてたみたいに思えたんだ。
[荷物運ぶ帰り道、ゲルダに話しかける]
そんなの、結社の人間だからって無理しすぎじゃないか。
銀の武器は用意させたのにさ。
そんなに信じられなかったのかな、俺達のこと。
[答えを期待していたわけでなく、頭の中だけで考えを纏められなかっただけだったりした。
だから返事に詰まるようならそれ以上は話さないつもりで話して]
― 詰め所/安置室 ―
…お爺ちゃんが人狼を討たねばならなかった気持ちは解ってるよ
でもさ、僕はあの中に狼が居るなんて未だに思えないんだ
……甘いかな
[不器用で、厳しくも優しい思い出の中の祖父に問う。クロエのような力なんて無かったけれど、孫らしい事一つしてあげられなかったけど。]
何時か云って呉れたよね
「人を先ず信じなさい」って
だから僕、…狼さんとお話がしたいんだ
[娘に息づく心の根には祖父の想いが植えられていて。]
御伽話の狼さんはいっつも悪い敵役で、
村人達を困らせてきたけれど…
どうしてそんな事するのかは書かれてないでしょ?
だから僕は…”識り”たいんだ
[娘の頸元に掛かる白雪の髭が、冷たくて悲しい。自衛団長の亡骸を抱きしめ耳元に零すは切なる願い。其れだけ云い終えてそっと手を離した。
部屋の外で待って呉れた自衛団員に「もう好いよ」と告げて、自分の無理を通した事へ詫びを入れようとした矢先、突然向こうから非礼を詫びる言の葉を聞き娘は翠の眸を瞬かせた。]
ああ…そんなこと好いのだよ
でも出来れば僕の大事な人達にこんな事しないでね
[何時か自分の手を引いた団員だと解れば、困った様に笑み返した。詰所を出て雑貨屋へ戻ると事情を聴いた老婆に叱られはするが、自分を心配して呉れたのだと伝わると感謝と共に抱擁を。宿に行くと云えば、矢張り引き止められてしまうが其れだけは折れる事が出来ない一点を貫く事になり。
暫しの後にベッティと約束した物を用意して雑貨屋の前に運ぶと、ユリアンにお願いしに宿へ戻る事となる。]
― →宿屋 ―
ただいまなのだよ、思ったより手間取ってしまってね
[御免ねと謝りながらユリアンに歩み寄り。]
仕入れ時だったから片づけて無い所もあってさ
でももう雑貨屋の前に出して置いたから、
大丈夫そうな時にお願いするのだよ
[ユリアンに頼み共に雑貨屋へ向かい。
程無くして戻れば娘はミハエルの元へと向かう*]
あー…、あいつらかぁ。
[修道院の子供達。
歳の離れた兄弟のようには傍目に見えるだろうか]
あんな感じかねぇ。
家族――…いや、俺が保護者してるだけか。
親も知らねぇのに親のフリするってのも
ヘンな話だよな。
[無邪気に慕ってくる子供達。
その関係は悪くないと思っていた。
だから、同胞の言葉に何となく慰められた気がした]
からかわねぇって言うなら
幾らでも見せてやるよ。
[クツクツと咽喉を鳴らして
悪くないと思える先の話に思いを馳せた**]
―宿屋―
[荷物はベッティにも聞きながら中まで運んで。
次はと宿を出てすぐに見張りをしていたらしい自衛団員に捕まった]
もっと武器の数はないのかって?
持ってたら最初の時に届けてるよ。
使わせない気だったら最初から持ってきて無い!
[食い下がる相手を朝と同じように睨み付けて怒鳴る。
怯えの勝っている団員には良く効いた。
他の団員が来る前に振り払うと修道院へ向かった]
―修道院―
どうも。例年と同じ酒の仕入れに来ました。
こんな時かもしれませんが、俺達はこれで生活してるんで。
ライヒアルトさんとも約束してあります。
[応対に出てきた修道士に告げる。
案内される後ろについて中へと*入った*]
─宿屋・食堂─
ベル兄よりもってことは無いだろうけど。
私のことも大事だって思ってくれてたら嬉しいな。
[蒼鷹に視線を向けて微笑み、そのままゲルダへと顔を向け。
彼女が何か思案するような様子にはどうしたのだろうと思うも、無理に聞こうとはせず。
ぽふりと柔らかく抱きしめられると、ぱちり瞬きをした。]
私が優しいんじゃなくて、ギュン爺ちゃんが優しかったから、だよ。
…うん、だね。
[そういって苦笑するも、自分を想ってくれる幼馴染に感謝して。
自衛団長の立場を思いやった話し振りの彼女には、小さく頷いた。
ゲルダとイレーネの会話には邪魔にならぬよう少し離れているとベッティから声をかけられた。]
あ、勿論良いよ。何作ろっか。
[彼女の性格を思えばこんな時に座ったままの方が落ち着かないだろうと思い快く了承して。
厨房へと向かい、二人で準備を始めた。]
―修道院―
[読書に耽っていれば扉が叩かれ来訪が知らされた]
――…嗚呼。
[ぱたんと本を閉じて立ち上がる。
カップの中身は疾うに空になっていた。
応対をした修道士に茶器の片付けを頼んで
ユリアンに向き合う]
早速現物見て貰うかね。
[図書室を出てユリアンを地下へと案内する。
ワイン樽が並ぶ其処の一角にある木箱を指し示し]
ワインは昨年と同じだけ用意した。
苦蓬のは昨年の五割増しだ。
[多くと頼まれていたからそう告げて席を勧める]
ん?
…そんなことないよ。
ベッティだって、いつもいっぱい助けてくれてる。
ゲルダやブリジットも、勿論だけど。
私はベッティやみんなが居てくれるから、こうして普通にしていられるんだよ。
ベッティこそ、頑張り屋さんだから。
辛かったり、悩んだりした時は…教えてね。
私、さりげなく気遣うとか出来ないから、傍にいたりするしか出来ないけど、一人で抱え込んだりしちゃイヤだよ?
[不意にベッティから声をかけられ、首を傾げるも。
その言葉は自分を気遣ってくれるもので、胸の奥をじわりと温かくしてくれた。
この優しい幼馴染の胸にも何か抱えているものがあるのなら、一人辛い思いはしてほしくないと。
その返答はどうだったろうか、肯定でも否定でも何も言わずその背を撫で。
その後はわざと他愛ない話をしながら二人で食事の準備をした。]
―宿屋・食堂→厨房―
[厨房に行く前のこと、行ってくると言うゲルダには気をつけてなと見送り、
クロエと料理にと行く前に戻ってきミハエルに軽食をと頼まれて、ユリアンからの注文もあれば]
わかった、ちょっと待ってな。
[クロエと厨房に行った後、サラダとパンとコーンスープを用意して一度食堂に]
皿は後で片付けるからそこに置いといてくれ。
[そうして厨房に戻った後、クロエに話しかけるのはそれからのこと]
─宿屋・裏口─
[無理しないでね、というクロエには、何も言わずに笑むに止めた。
無理をしない、というのは容易い。けれど、それはかなりの高確率で嘘になる。
だから、何も言わずに、側を離れて裏口へ。
椅子の一つを止まり木代わりにしてそこに留まった蒼鷹は、クロエとゲルダのやり取りに、こきゅ、と首を傾げていたり]
…………。
[一人、外に出て、壁に寄りかかる。
遠巻きにする自衛団員の気配は感じていたが、特に気にはせず。
煙草を出して火を点け、立ち昇る紫煙をしばし、ぼんやりと眺めた]
[食事の準備も済んで食堂に戻れば既にゲルダの姿は無く。
ベッティからゲルダは雑貨屋に行ったと聞かされれば知らず安堵の表情を浮かべるか。
ゲルダもここに泊まることになったと聞けば、自分もしばらくはここに泊まった方が良いだろうか、と思いベッティに願い出た。]
ね、ベッティ。
昨夜泊まらせてもらった部屋、しばらく貸してもらえる?
…あ、ありがと。助かる。
えっと、お代は…え、いいの?あぁ、解った。
うん、それじゃ遠慮なく。
[宿泊費がいくらか聞こうとしたら、ベッティから経費は自衛団に回すと言われ苦笑しながらもそれに甘えることにして。
ふと、そういえば台車をここに置きっぱなしだったことを思い出し。
こんな事態になって仕事など出来そうもなく一度置きに戻ったほうが良いだろうと思い、またしばらく泊まるなら着替えや身の回りのものも取って来た方が良いかとも思い立った。]
あ、えっと…私、ちょっと着替えとか取ってくるね。
直ぐ戻るから、私の分のご飯とっておいてくれると嬉しいな。
[そういうと、外に出て置きざりのままだった台車に蒼鷹を入れてきた籠を乗せ洗濯小屋へと向かった。
蒼鷹も来るならば、また籠に入ってもらうか。]
―修道院―
遅くなってごめん。
[空になった茶器をそそくさと下げていく修道士に肩を竦める]
子供らは無邪気だけど、他はそうもいかないんだね。
[苦笑しながら地下まで連れて行ってもらう]
昨日貰ったのは味見たよ。
去年のも悪くなかったけど、今年のはまた当たりだね。
[苦蓬は5割増し。ならば]
うん、それだけ貰えればありがたい。
日が暮れる前に全部積めるかな。
[勧められた席に着く]
そうか?
自分ではなんか、特別にしてる気はしてないんだけどな。
[料理の準備をする手を止めることはなく、トントンと包丁がリズムを刻み]
私はほら、動いてないと多分死んじゃうからな。
辛かったり、悩んだりか……
[少し考える風に、それでも手が止まることがないのが毎日の慣れゆえか]
乙女の悩みつったら、恋の悩みくらいなもんだな。
[けらけらと笑いながらそう言い、話はそんな女の子の会話に摩り替わっていくだろうか]
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