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[グルリと室内を見回す。
外の騒ぎの原因であるものはとりあえず見当たらず]
ノーラ様、エーリッヒ殿。
黒い何かを見つけても、触れられませんよう。
[唐突な言葉は奇異に聞こえようか]
―西殿の木陰前―
[クレメンスの軽口には、軽く脇腹を抓ってみるだけで。
人型へと戻ったオトフリートへと会釈した後には]
私もつい先程来たばかりですけれど。
何やら、"混沌のかけら"というのが大放出中みたいです。
[端的に説明した後、ザムエルから聞いた話を詳しく説明した]
一意専心、終始一貫……。
[零れ落ちるのは低い呟き]
……Eins!
[垂直に構えたロッドを横に滑らせ、横合いから一撃を叩き込み]
Zweiっ!
[体勢の崩れを目で追いつつ、戻したロッドを長く伸ばして、脳天へと振り下ろしの一撃を落として]
……Dreiっ!
[前方に傾いできた口に向け、突きの一撃。直後]
風雷、裂閃……爆砕っ!
[溜め込んだエネルギーを一気に叩き込み──文字通りの爆砕を引き起こす]
ええ、多くの方がいらっしゃるようです。
下手に向かわない方がよろしいかもしれません。
[流石に戦闘ともなれば、何がどうとは明確に感じられずとも多数の力が動いていることくらいは、ここからでも感じられようか]
―碧虹の峡谷―
[砂漠は変わらずそこにあり、だが波模様の移り変わりが僅かに速度を上げている様子だった。風の影響か、大地の影響川かは判らない。
碧き虹も変わらずそこにあったが、常に舞う雨は風に揺れ、薄雲に弱まる陽射しは虹を寄り儚い存在に見せていた]
………。
[青い髪の青年は出立する少し前のように虹を見上げ、黙して佇む。その側に黒い何かが漂い過ぎっていったが、心あらずな青年がそれに反応する事も逆もまたなかった。
『混沌』の領域は、その特性ゆえにか大きな影響を受けぬまま、今の所は平穏を保っていた]
[閃光走り、しばし、周囲に風と雷が舞い散るか。
それを制しきるにはやや、余力は足りず。
それでも、崩れる事無くその消滅を見届ける]
……ふぇぇ……。
焦ったあ……。
[オチはそれか、と突っ込まれそうな嘆息が、もれた]
─西殿前の木陰─
[見上げれば黒き竜。旧知の者と知ると右手を上げることで挨拶とした。理解したらしいブリジットには頷きで肯定を示し、クレメンスの言葉にそちらに視線を向け]
「揺らすもの」の介入で生じたものじゃと?
なればそれも納得ではあるか…。
竜郷を揺らすためにばら撒かれたと捉えることは出来る。
[右手で顎髭を撫でながら考えを纏め]
おじ様の間違いじゃろうて。
まぁお主はあちこち出歩いておるじゃろうから、知っておってもおかしくはないとは言えるが。
[一応突っ込みは忘れない]
―西殿の木陰前―
そうですか。
混沌の欠片……そんなものが出てるんですか。
――なんというか、混沌の欠片がかわいそうになってくるくらいですね。
[先の疾風と雷撃の様子を思い、遠い目をする。]
俺、ちょっと見て来ます!
[言うが早いか部屋から駆け出していった青年に、天竜の娘の言葉は届いたかどうか]
―― 東殿・食堂→西殿方面 ――
おっとオティーリエ、お帰り。
ってわけで、万一その辺漂ってる黒の見つけても、触らんのが吉だぜ。
それが混沌のカケラ…ティルらの前に居たものの、前の姿だ。
[その説明で分かるのか。そう警告はしておいた。]
攻撃してきたりはないんですか?
[クレメンスに問いかけるのは、心の方のこえ。]
[それから結界を、こっそりと見た。
その中に入れるようになっているのだろうか。
入り方を聞かなければと考えた。]
[「欠片」が爆砕するのを見て、体を起こしてパンパンと服の埃をはたき――手の平の血が服に少しついたのを見て、眉を顰めた。
ゆっくりとその方向へと歩み、落ちた鎖をまた体へと巻きつけて肩当てを肩へと戻す。
細く息を吐いてティルを見た。]
怪我はありませんか?
最もなさっているようには見えませんでしたが。
[言葉をかけながら、その紅い髪の随行者の方は少し息があがっている。]
黒い、何か。
[ 鸚鵡返しに呟くも、駆け出す機鋼の竜の声に遮られる形となった。]
……若いですね。
[ 己を未熟と称したのとは裏腹な言葉。
遠くより響いた爆音は、誰の耳にも届いたろうか。]
―西殿の木陰前―
まあ、こんなとこで現れてご愁傷様、ということです。
[オトフリートの遠い目には、くすりと微笑みを向けて]
間違えて触れないように、しないといけませんね。
……ちなみに。氷破の"封印"で、封じておけるものですか?おじ様。
["混沌のかけら"について、詳しそうな命竜へと問いかけた]
…ほー。
[やるなぁ、と風竜へは感嘆の声。]
で、今の…もしかして、あれ?
[留守番中の相方から聞いた惨状を思い出してぽつり。]
―西殿:木陰前―
見事にティル殿の憂さ晴らしに使われましたね。
もしかしたら、エミーリェ殿のも。
[ブリジットに向けて、小さく微笑んだ。
それから続く言葉も聞く。
そこらへんに、その物体がいないかと、話を聞きながら目を動かした。]
あー、さっき一発もらったのが、ちょっときいたけど。
兄貴に喰らう竜巻落としに比べりゃ、軽い軽い。
[ミリィにけらりと笑ってこう返す。
実際には回避主体で打たれ弱いため、かなり痛いはずなのだが。
ここで、素直に痛がらないのはきっと性分]
てゆっか、フォローさんきゅー、おかげで動き易かったよー。
─西殿前の木陰─
[かけらが破砕されるを見て、おお、と声が漏れる]
見事じゃ。
ミリィもティルも、怪我は無いか?
[かけらと相対していた二竜を見やり声をかける。
傍に居た小猿はすぐさまティルの下へと]
―西殿の木陰前―
[ブリジットに脇を抓られれば、あひゃいと奇妙な声を上げたが。]
あーどうだろ。封じた事はないから分かんね。
とりあえず知ってるのは、触るとああなるから、触らない方がいいって事。
…感知はどうだろうな。
封印しようとする力に反応して、封じられる前にどうかなる、って可能性はあると思うぜ。
[ブリジットにはそう答えながら、ザムエルには。]
えーだって、ちょっと俺、今日は大分疲れてさー。
さっきも言ったけど、生命の海にも出てきて大騒ぎだったし。
その前にうちの竜ら、やっぱり一騒動起こしてやがったし…。
姐さん帰るまえに直るのかね、うちの城。
[さり気無くぎょっとするような事を言って。事が終わったのをみると、木陰からは出てきた。
そして功労者二人へと近づいていく。]
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