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[食事の準備を終えて、ユリアンから荷物の運び場所を問われれば場所をお願いしたりと、
それから泊まりたいとのクロエの言葉]
ああ、かまわねぇぞ。
ゲルルンの部屋の場所もクロっちやブリたんの近くにしといた。
[ブリジットの名前を出してから、先だってあったやり取りを思い出したり。
いつもながらのやりとりを行ない、安堵をするのは変わらない幼馴染の姿を見ることができるためか]
ああ、代金はいらねぇよ。
[宿代の件には皆に返してるような説明を、一度家に戻るとの言葉に]
わかった、気をつけて行ってこいよ。
[そう、クロエの姿を見送った]
─宿屋・裏口─
[しばらく、ぼんやりと紫煙を燻らせていたものの。
煙草の半分が灰になった辺りで、ポケットから瑠璃のダイスをつかみ出し、しばし見つめる]
……とりあえず、女神様のご意見は伺っておくとするかね。
[小さく呟いて。
手にしたそれを無造作に投げ上げ、受け止めた]
……ん。
そう、来ますか、と。
[何れを視るか。
今、揺らいでいるのは三箇所。
近しき者と、知り合ったばかりの者と、血縁と。
その三つに対し振ったダイスの示す目には、やや、苦笑が過る]
……ま、何処に対してカードを切るにしても、分の悪い賭けには違いねぇし、な。
[そんな呟きを落とした頃には、煙草は燃え尽きて。
団員の視線も、いい加減うっとおしく思えていたから、再び中へと戻る事にした]
―修道院―
いや、気にしなさんな。
御蔭で愉しく過ごさせて貰ったさ。
[本はまだ読み掛けだが青年にとっては
有益と思える時間が過ごせたらしい。
ユリアンに他の者の態度を言われれば苦い笑みを浮かべ]
……だな。
家族なのだと言われてたが……
本当の家族もこんなもんなのかねぇ。
[物心つく前に両親は失踪し修道院の者が家族代わり。
本物の家族の繋がりを知らぬ青年の呟きは珍しく重い。
けれどそれは束の間の事。
ワインの出来には嬉しそうに頷いて]
御気に召したようだな。
これなら買い叩かれはしねぇか。
[ユリアンの返事に渋る要素はない。
元々円満に纏まるのが常の取引]
嗚呼、問題ない。
日暮れまで間もないか。
馬車、こっちに持って来てるか?
それなら他の者に其処まで運ばせるが……
[用意していたグラスにラベンダーの香りを移した
白ワインを注ぎユリアンに振舞う]
商談成立と一人前になった祝いだ。
[にんまり笑い自分のグラスを近づけ乾杯の仕草]
─宿屋・自室─
[食事を終えるとベッティに言われた通り、食器はそのままにして。
ゲルダが戻って来ると借りた部屋へと案内する]
ごめんね、時間取ってもらって。
[扉を閉めながら、まずは謝罪を入れて。
ゲルダに椅子を勧めてから自分はベッドへと腰かけた]
それで、話なんだけど。
…昨日の、誰を信じるかの、話。
何人か、信じたいと思う人は出来た。
それとはまた別に、僕は君を信じると決めたよ。
君が人狼じゃない事が分かったから。
人狼が銀の刺青を入れられるはずが無いからね。
[笑みながらの宣言。
けれど相手の反応を見る前にハッとした表情へと変わり。
途端にわたわたとうろたえ始める]
あ、いや、その。
見たくて見たわけじゃなく、昨日君が転んだ時に、その。
……眼に、入っちゃったから……。
[刺青の部位が部位であったため、誤解無きよう言い繕う。
最後辺りは耳まで赤くして俯いてしまった]
……ええと、何を言いたいのかと言うと。
一つは、君が人狼では無いと分かったから、出来得る限りの協力をしたいと言う事。
僕に何が出来るかはまだ分からないけど…手伝えることは手伝いたいと思う。
それともう一つ、こっちが本題。
ゼルギウスがね、人狼を探せるみたいなんだ。
それが人狼に知られるとゼルギウスが襲われてしまうから、誰にも言わないつもりだったんだけど。
ゲルダは違うから、教えておこうと思って。
僕、ゼルギウスに人狼じゃないって言われたんだ。
本当かどうか知りたかったら、本人に聞くと良いよ。
ゼルギウスの事は、僕が信じたいと思った人にしか教えない、って約束してるから。
きっと教えてくれるよ。
[そう言って、またにこりと笑った。
無邪気とも言えるそれは相手にどんな印象を与えるだろうか]
[厨房でベッティと料理中、特別なことはしてないという彼女に、そんなベッティだからだよ、と微笑んで。
恋の悩みと言われれば、話が摩り替わっていることに気付いたものの、そういう悩みがあるだけいいじゃない、と悪戯っぽく笑ってみせ。
そのまま女の子同士の会話に移行していっただろう。
ベッティから幼馴染達とも近い部屋にしてあると聞けば安心したようにありがとう、と微笑んで。
気をつけて、と見送ってもらえれば解った、と頷いて宿を後にした。
自分についてきてくれた蒼鷹にも礼を言って、そのまま洗濯小屋へと帰り。
着替えや身なりの整えに必要そうなものなどを手頃な大きさの鞄に詰めて宿泊の準備をした。
その最中、ふと祖父の墓に供えている煙草の箱が目に入りどうしようかと逡巡するも。]
…これも持っていこう。
[日中ならば墓参りも出来るだろうと考え、煙草の箱も鞄の中へと入れた。]
─宿屋・食堂→調理場─
……お。
[食堂に戻ると、蒼鷹の姿はなく。
とはいえ、いなくなる事態は一つしか考えられないので、特に慌てはしなかった。
ただ、どこに行ったのか、は気にかかるから、と厨房を覗き]
おーい。
クロエ、どっか行ったのか?
キーファー見当たらないんだけど。
[投げかけた問いは、つながりがわからないと意味不明なものだった。
かも知れない]
―宿屋内―
[その後も食べ終えた食器を片付けたり、掃除をしたりと、なんだかんだでちっとも安静にしていなかったりして、
今はなんとはなしに見かけないアーベルの姿を探してぶらぶらと宿屋内を探したり]
あいつどこにいるかな?
いや、まぁべつにな、またふらりとどっかいったんじゃないかって心配なだけでな。
[誰に言うでもない独り言のような言い訳をぶつぶつと言っていた]
―修道院―
図書室が空いてて良かった。
[機嫌悪くない様子にほっとした]
さあ、どうなんだろう。
俺は家族っても親父しか知らないし。
ああでも、ダルダちゃんのお婆ちゃんはとても心配してたよ。
どうにかできないのかって俺にまで言ってくるくらい。
[これまた物心ついた頃から運命共同体な旅生活だったので、重い呟きにも困ったような返し方しか出来ない。
そして本来喜ばしいだろう雑貨屋の老婆の言葉は苦い笑いを呼んでしまう。
続けて楽しい話題でもなく、さっさと本題に入ることにした]
できるだけ早くに確保しておきたかったしね。
あの味なら文句のつけようもない。
[早くに確保しておけば、自分の分も確保できるのだ]
神の御加護があらん事を。
[グラスが高く澄んだ音を奏でる。
ユリアンに声を向けたあと]
――…未だ、死にたくねぇな。
[一度目を伏せ小さく紡ぐのは
自衛団長と団員の話を思い出しての事か]
お前さんに譲って貰った本も未だ読めてねぇし。
[本気とも冗談ともつかぬ声でそう呟く]
家族ってやっぱ心配して呉れるもんか。
ゲルダは愛されてんだな。
[ならば自分には家族はいないのだろう。
院長の余所余所しい態度ばかりが思い出された。
父親が居るだけでも、と思うが曖昧に頷き]
そうさな。
早く引き取り手が決まる方がこっちにも有り難い。
これが冬を越す為の資金でもあるんでね。
[雪深い山地だから夏の内に用意したい物はある。
けれど、ユリアンが自分用まで勘定してるとまでは
気づかなかった]
―回想―
[(>>392)心配そうにゼルギウスを見てくるクロエへの答えは、カルメンへ答えたことで答えとなっただろうか。]
ん。でも、私、背丈だけはある方だから。
運ぶの大変だったろうし……―――
[(>>397)アーベルからの謝罪の返答は、とても軽くて。
だからこそ、逆に居た堪れなくなったのか、もにゅもにゅと言の葉を紡ぐ。
と、ユリアンの声が聴こえて振りかえった。
アーベルと同じように謝罪を向ければ、同じような返答。]
体調は、出来るだけは気をつける、けど……―――
[前と同じような視線(>>307)をユリアンに向けながら、謂い淀む最後は、(>>403)アーベルが去れば、空に消えて、誰にも聞かれることはなかった。
けれど、何かを感づいていそうなユリアンには引っかかりを覚える様なそんな言葉選び。]
―修道院―
あっ。ナーセル連れて来なかった。
何やってんだろ俺。
[慌てすぎたと額を押さえた]
入口まで出して置いてもらおうかな。
急いで連れてくるから。
でもまずは、ありがたく。
[注がれたワインからは優しい香りも立ち昇る。
グラスを受け取って縁と縁を軽く触れ合わせた]
いい香り。落ち着くね。
頭悩ませることが山積みすぎるんだもんな。
[まずはグラスを揺らして堪能してから一口含む]
……俺だって死にたくないよ。
って、気にするのはそこなのか。
[しみじみと返してから冗談めかした声に小さく笑う]
その家族次第なんじゃないかとは思うよ。
俺の場合は……必要だと思えば窮地にも追い込んでくれる親父だからなあ。
[曖昧な頷きの意味は読み取りきれず、また苦笑する。
それにもしかしたらこうなる可能性も知ってて寄越したのかもしれないと、少しだけ疑い始めていた。考えすぎだろうとも思うけれど]
冬の間は閉じこもることになるもんね、ここは。
修道院だって何もかも自分の所だけでとはいかないだろうし。
[だからこそ、夏だけでも商売になる。
自分達だけでなく、何人もの商人がこの村を訪れるのだろう]
―修道院―
……連れて来てねぇのか。
あー、じゃあ修道院の荷車で運ぶか。
押すの手伝ってやるからお前さんが引けよ。
ま、入り口に置いとくのでも構わんが。
[修道院の前の物をもっていく不届き者はいないだろうと
ユリアンに選択を任せる心算で]
ああ、ラベンダーだ。
たまにはこういうのも良いだろ?
確かに、頭の痛い事ばっかだよなぁ。
[肩を竦め、それからこくとワインを嚥下する]
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