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[問いは届きはしなかったようで、ぽつんとベアトリーチェだけが取り残されました。ハーヴェイに、「行かなくていいのか」と訊ねられたかもしれません。]
うん。ベアトリーチェは、よいんだ。
[グラスをかたむけて、ゆっくりと喉に流し込んでゆきます。]
……駄目だと、云われているから。
[微笑って、云うのでした。それは、ぽっかりと空虚な笑みでした。]
[かすかに、動く。
声は出ない。
傷が、癒されているのを感じた。
封印を、施されているのも感じた。
声は、出ない。]]
[揺れるなと、そう言ったのは自分、だが]
「揺れている、か?この私が」
[その声は楽しげに響いたか]
「ああ、来るな」
[だが、流石に…咄嗟に術式を組めるほど、能力があるわけじゃなく。
もう少しきちんと学んでおくべきだったと、ちょっぴり後悔。]
…ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい…
[声は出せないが。
心の内で、思うことは出来た。
ふたりに、強く思う。
せっかく、望んでもらえたのに、私は。]
[相変わらず冷ややかな視線をクレメンスに投げたまま。]
ふぅん……。
貴方からそんな言葉が聞けるなんて、ね。
貴方の方がよほど……珍しいと思うけども?
本来の属性を、別の属性で隠してるなんて、ね。
[うっすらと、ゆっくりと目を開く。
焦点は合わないがぼんやりと赤い、真紅の髪が、見えた。]
……
[唇を薄く開く。声は出ない。]
[ティルの視線に首をかしげて]
ティル、どうしたの?
大丈夫だよ。何も心配することなんてないよ。
だって、約束だもの。
[しかし...もティルの手をぎゅっと握り。
まるで「どこにも行かないで」といわんばかりに]
力、が。
[動いてくるのは感じていた。
けれど現状ではこれ以上どうにも手をだしようなんてなくて。
緊張しながらただそこに立っていた]
−→北東−
[目的地もわからぬままに、アマンダが目指したのは北東の方角。
森と、墓地――イレーネが身を寄せるランプ屋の小屋のある場所]
[千花を片手に抱いたまま、未だ重い身体で走って走って――]
[アーベルに、笑みを向ける]
そうですか?これも生活の知恵というものですよ。
あなた方、精霊と違って、魔族は嫌われ者ですからねえ。
おかげで、こんな有様です。
「……私に謝る事は、ありません。」
[何もしていない、視ているだけの、自分こそが。
彼女はそう思いながら、言葉を紡ぐ。
揺らいではならない、揺れてはならない]
…今は、休んだ方がいい。
つい、本性に戻ってしまったんだろう?
枯渇しているから、暫くは動けないと思う。
[目を開けた彼女に、そっと囁いて。]
[絆を結ぶ者たちの様子に、ふと、笑む。
永遠の孤独の内にある彼には。
それは、決して手に出来ぬものだから。
……もっとも、その笑みは近づく力の波動に溶け。
紫と翠の異眸が、空へと向けられる]
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