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ったー…間に合った。
[光の間に合った様子に、ほう、と息を吐く。機械竜は、カシャカシャと羽ばたきながら、青い光を明滅させてブリジットの周りを一度旋回してから肩に戻ってきた]
怪我はありませんか?
あー、っとに。
なんか、タイミング劣悪な時に戻ってきたなあ、オレ……。
[何となく、大げさなため息をつくものの。
同時に、この場にいたのが自分なのは良かったのか、とも思う。
姉の機嫌が中々直らない理由、未だ、義兄にも明かされていない秘密。
それを思えば、騒動の渦中に姉を送らずにすんだのは行幸。
もっとも、この状況はこの状況で、姉にはよろしくなく]
さっさと……バイパスだっけ?
そいつをみつけて、どーにかしねーと……。
[迅速に、というザムエルの言葉に呟くように言う。
その瞳は、いつになく真剣だった。かも]
[結界の方から生じた弾かれる音に僅か遅れて振り向き、氷破竜が機械竜の青い光に受け止められるのを見た。
裂かれた腕に眉を寄せるも既に数人近づいており、青年より治癒に向く者も居るのを確認して眼差しを向けるに留める]
氷破でも破れませんか。
[各竜王の声はそれぞれの随行者に届いているのとは裏腹な強度を持つ結界に真剣な瞳を向け、レンズの陰で半ば瞼を伏せる。
残る綱は若焔の結界管理能力だが、交わされる漫才めいた会話からは頼りにするとは言いかねた]
[受け止めた機竜と、駆け寄った天竜の邪魔にならないようブリジットに触れ。
ティル、エーリッヒ、エルザには軽く頷くに留めながら。
手はほんの数秒、流れる血には構わずに、傷口をなぞるように動かす。
離れれば、氷破の竜の細腕に残るのは、既に流れた血のみ。
赤いそれを、服の中に入れておいた白いハンカチで拭えば、弾かれる前と同じ状態に戻っていた。
へらと湛えるのは常の笑み。]
おし、大事ないな。服も汚れちゃいないか…?
ティルじゃないんだし、あんま無茶すんなよ。
[それは疾風竜ならいいのかという事ですかそうですか。
そんな軽口たたきながら、自身の手の平に残った血は、面倒なので放っておいたり。]
/*
開示確認。
そう遠くない位置にある、程度は感知できるだろうと。
力が移動するのを感知できれば、誰かに渡したかは予測できるのかな。
一箇所に留まってるのなら、家捜しすればいいわけだし。
[ブリジットのことは若い竜達に任せ。
近付いてきた小さな影に視線を向ける]
おや、これはハリョン殿。
…その眼鏡は?
[光竜王の末弟である仔竜に頭を下げ。上げられた手にある眼鏡に疑問を投げかける]
あらあら。ごめんなさいね。
[手当てしてくれている命竜や天竜、心配そうにする回りの竜たちへと声を掛ける。
そして、結界を少し見た後に]
さっきは惨敗だったけれど……
正攻法でも、外側からなら何とか行けるー……かも、しれないわ。
といっても、まず式の解析だけで10日……か、2週間ほどかかるかも知れないけど。
[また情けなさそうに、息を零した]
ノーラがへいきなら、いいの。
リーチェも、へいき。
[幼子と共に揺られ外へと出でる。西殿の方か、遠く幾つかの属が重なる気配。
その喧騒とは異なった大気の其れが、この身にも感じられる。
感じては居たが、しかと感じる空気は事態が只事では収まらぬと告げる。]
…どうしたの。
――こわい?
[小さく問う声に視線を上げる。仔の視線は、木々へと向けられていた。
意思や気配を感じ取りこそはすれ、確りとした声を聞き取る事は私にも叶わぬ。
王と、この仔らとはまた違う故に。
揺らぐ幼子の瞳には、再び不安の色が過ぎろうか。
事態の掌握まではせねど、木々の告げる言の葉を容易に感じるのは翠樹の属故。]
明 夏玲(ミョン・ハリョン)殿。
[刻まれた記憶から陽光の仔竜の名は滑らかに紡がれる。仔竜の顔ではなく挙げられた手に向けた青年の眼差しが月闇へと流れ、また手の眼鏡へと戻された]
その眼鏡はどうされましたか。
返さねば月闇殿がこけてしまわれるかもしれませんよ。
……それ、どういう意味だよ?
[クレメンスがブリジットに向けた言葉にむう、と眉を寄せ。
それから、ずっと手にしていた『風雷棒』を縮めて背に戻す]
…………。
[青の瞳で再び結界を睨むように見た後、目を閉じて、それに手を触れた]
[悪すぎはしないが、よくもない視力。
普段と違う視界に、歩く足はゆっくりと。
小さな仔が向かう場所は、先に通った場所。]
[一騒動が起きた後のようであった。
仔の姿を探し、立ち止まり、翠の目を一巡させる。
そうして、仔だと思われるほうに、近付いた。]
見つけて、その者達に結界を解除出来るかはまだ分からぬがのぅ。
[ティルの言葉にもう一つの懸念を口にする]
ともかくやるべきことは見えてきておる。
問題は、そのバイパスとなっている者が誰か、じゃ。
[命竜に触れられると、あっという間に痛みが引いて行き]
……いつ見ても、凄いわねえ。
本当にごめんなさいね、お手間を掛けて。
ありがとう、クレメンス。
[自分の腕をしげしげと見つめ、ややあって、命竜の名を呼ぶと共に微笑んだ。
彼の手に残った血を、今度は自分のハンカチで拭ってやって]
無茶は、もうしないわ。
[綺麗に治癒したらしい傷に、ほっと息をつき、クレメンスに笑顔を向ける]
やっぱりすごいですね、クレメンスさん。
[続くブリジットの言葉には、うーん、と首を傾ける]
そんなに長い間十五竜王が閉じ込められていたら、均衡が揺らぐどころの騒ぎじゃなくなっちゃうんじゃないでしょうか?
[また、さらっと不吉なこと言ってます]
/*
ご協力感謝いたします。
お二方のお話を参考に結界に干渉して感知してみます。
勿論、お二方が動きたいならば構いませんので*ご自由に*
おっ、陽光竜の。
何かいいもん持ってるな。
[持ち主が誰であるかは簡単に知れた。
よっと、元気のいい挨拶には、こちらもよっと片手を上げた。
うっかり血まみれだったが。]
……ううん。そうなのよね、本当に。ただでさえ、既にこの天気ですもの。
[機竜のもっともな呟きに、ほぅと息を零す]
他の氷破竜も呼ばないと駄目かしら。
[口元に、治ったばかりの手を当てて、悩ましげに]
― 竜皇殿・中庭 ―
……こわい、か。
ベアトリーチェと同じ様に、
王が居らず、寂しいのかも知れぬな。
傍に居てやると良いよ。
[ それは半ば正しく、半ば異なるのであろう。
怖れるものがあるとすれば、未知の存在と、これから起こり得ることだ。]
さて、今の我に宥められはするか。
少しばかり、此処で待っていておくれ。
[ 中庭を幾らか歩み、草の上、木陰の許に仔を下ろす。]
[陽光竜の仔が、やってきたことに気付いたのは、かなり遅れてだった、生命竜がその手を挙げたのを見て、びくう、と背筋を強ばらせる]
く、クレメンスさん!血!血!血!
拭きましょうよ〜〜〜
[何故か泣きそうな声で訴えた]
…ともかく、早急になんとかしないとなぁ。
[…むぅ、と考えこんだまま。
結界内では、仕切屋の父がなんとかまとめようとしてるが、超個性的な面々の前では無駄な努力だったりしているみたい。]
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