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[少女の後について広間へと向かう。食事を作る前と違い、人が集まっているのが分かった。]
今晩和。
何か、ありましたか?
[中に踏み入り、深刻な様子に眉を顰めて。]
[どうして、というユリアンの小さな呟き。
それを捉えれば、僅か、苦笑して]
……錯覚と思いたかった。
笑いたきゃ、笑え。
ついでに、ある程度の確信を得るまでは動かねぇのが、俺の流儀なんでな。
それに……むしろ、あの首が意味する事。
その方が重要だと感じていたってのも、ある。
[ユリアンは真剣にアーベルの証言に耳を傾けた。
箱庭だの人狼だの――
ああ、あの哀れな老人が呟く世迷言だ。
年をとった人間は、あるいは辛いことのあり過ぎた人間は、悲しいことにあのようになってしまうことも珍しくない。
それだけの話だと小さく頷きながら聞いてやり、そして自分はその侭忘れようとしていた言葉をアーベルはしっかり聞いてやったのか]
…そうなんだ。
アーベルさんがあの女の子の夢を見ただとか、
何かの勘違いだとか…
そういうんじゃ、ないんだろうね。
[己の正気と間違いの無さを確信した瞳で語るアーべルの言。
間違っていたのは自分の目の方だったんだろうか?
ユリアンは首を振る。
…いや間違いなく見た。それではあれは、そっくりなだけの別の?
ぐるぐると渦巻く物思い。
そこに朗らかに歌いながら現れた、金色の髪の――]
―father's room―
そのようなことをおっしゃらないでください。
[熱にうなされるfatherに、...は悲しげな顔を見せる。]
わたくしにつきそってくださったのは、あなたですよ。
[だが続いた、下、という言葉。]
…Yes, すぐに戻ります、father
[また、ギシリと躰が鳴る。
急激な変化はクレメンスに負担をかけているようだったし、まだ人狼として一部しか目覚めていないようだった]
う…う…ぁ……
そのもの、ですか。
[訊きかえした時、台所の方から音が響いた。
そちらから姿を現したのは、金髪の青年と、件の少女]
ベアトリーチェ……
[安心と困惑が入り混じった瞳で少女を見る]
おいしぃ おいしぃ はんばーぐ♪
たべよー たべよー みんなで…
[室内のただならぬ雰囲気に気が付き…]
どしたの?
[くびを傾げるその表情は、あの穴の向こうの物と同じに見えるかもしれない。]
father
[ache in the my head...
i don't take notice of my eyes, gold.
頭が少し痛い。
目が変化しているなんて気づかないけれど。
without knowing it.
変調に気づかせないように]
[広場に入ってきた二人。どちらも金髪の少女と青年に、軽く、視線を向ける]
……元気だな、お前?
[それから、小首を傾げる少女に、問い。
室内の明るい空間の中、やはり、その表情は穴の向こうの首を思い起こさせる]
…神父様。
わたくしはずっと、そばにおりますから。
今は、休んでください。
…神父様が、何でも。
[and go out to...]
―open door and go to downstair[一階]―
[ざわめきは大きい。
...は眉を顰める。]
何か、あったのかしら。
嗚呼、食事。宜しければどうぞ。
[言いながら、老人の前にレモンエードを。その視線は此方を見ておらず、溜息を吐きたくなる。
厨房と広間を往復し、皿を並べた。
首、と言う声に。]
嗚呼。
その話なら、先程神父様のほうから聞きましたが・・・
[向けられる視線に首を傾げる。それがこの無邪気な金髪の少女と如何関係あるのだろう。]
―and enter to salle[広間]―
こんばんは。
…?
あ。エーリッヒさん、作ってくださったのですね。申し訳ありません。
…神父様に下の様子を見てこいといわれたのですけれど。
何があったのでしょう?
あ……
[ベアトリーチェは皿の大きさでいっそう小さく見える手で、料理の載った器を歌いながら運び入れる。
アーベルの証言の正しさが証明された。
ユリアンは気が抜けたように椅子に座り込む]
ああ…は、はは……良かった。
本当だ……無事だったんだ。
[深く深く息を吐いて、漏れる笑い声。
だけどもそれは当然、アーベルの笑いたきゃ笑えと言う言葉に反応したものではなく。錯覚と思いたかったと、落ち着いた大人の男として冷静に見えても、そう人間らしい言葉を零すアーベルにふっと笑う]
言う通りだった…やれやれ。馬鹿だね、俺。
[安堵した胸にもやはり気にかかることは生まれた]
でも確かにそれじゃ、あれは…
あの首が意味する事って……何なんだろう。
[そう尋ねてみながら、今入ってきたばかりのエーリッヒにも目を向ける。ほっとして微笑みたい気持ちと、勘違いに恥ずかしいやら、どう説明していいか困る表情が混ざって、半笑いだ]
うん、げんき!
[にっこりお日様の笑みを向けて、その後、室内を見回し…]
みんな、げんきない?
はんばーぐたべたらげんきなるよ!
[ユリアンの笑い声にふと緊張を解く。
少女の方に...も小さく笑いかけ]
そうだ。昨日は毛布をありがとう。
とても温かかったよ。
[その瞬間、昨日の老人の視線を思い出す。
けれどそれには自分で気が付かない振りをして]
うん、おいしそうだね。
ベアトリーチェが作ってくれたのかな。
[もっとも、幼い少女一人では作れないことだろう分かっていて。
エーリッヒの方にも小さく頭を下げた]
[はっと顔を上げてユリアンを見た]
…よくは、ないのよ。
別人だったとしても、あの場所に女の子が死んでいることに変わりはないわ!
[そう強く言うと、再び幻視が眼前に蘇ったか]
[…*うずくまってしまう*]
ん……神父も見てきたのか。
[エーリッヒの疑問の声に、一つ息を吐いて。
何気ない様を装い、そちらに歩み寄る]
……その首の、顔の話は、聞いてねぇの?
[投げかけた問いは、青年にのみ、届くような小声のもの]
嗚呼、いえ。御気になさらず。彼女・・・べスも手伝ってくれましたし。
それより神父様の御具合は?
[シスターの謝罪にはひらと手を振って、気にするな、という意を示す。料理は嫌いではないし、特に滞りも無く済んだので問題はない。]
何があったのかは、僕も良く分からないのですが。
[話の中心、青い髪の青年たちのほうを見て。]
どうしたのって?ん、んん…
[「この屋敷の裏庭に、お前とそっくりの生首が落ちてたんだ」
そのようにはっきり言ってしまったら、この少女はどんな顔をするだろう。果たして幼い子供に説明して良いものか。
迷うユリアンは首を傾げるベアトリーチェから目を逸らし、それが少女の表情があまりに穴の向こうにあったものと似ていたからだと心の中で言い訳する。
こう、ぼかしてでも上手く説明する方法は無いものかなぁなどと呟いて、他の者に説明を押し付けることにする]
今日はハンバーグか…
[神父から聞いたというエーリッヒ。ナターリエも姿を現す。
ユリアンはちらちらと、ベアトリーチェを目で示して]
それがな、俺も見たんだけど…
…そっくり、だったのさ。
魘されておいででした。
[エーリッヒにfatherの様子を尋ねられ、顔が暗くなる。]
それでもわたくしに、下の様子を、と仰って。
うつしてしまう、などと。
[それから、つられるように中心を見――
聞こえたエルザの言葉。]
死んで…?
俺は。
警告と受け止めた。
……この箱庭の創造主からの、な。
[ユリアンの疑問に、静かに答え]
[叫ぶエルザには一瞬、うるさそうな視線を投げる]
……人が死んでたくらいでぎゃあぎゃあと騒ぐなよ。
裏道じゃ、日常茶飯事だぜ?
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