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「……ええ、そうでしょうね。」
[それは奇しくも、彼女が少女を想うように。
その障害となるのならば、誰であっても、]
ー教会・礼拝堂・現在ー
[ナターリエの言葉に、笑みを向ける]
実を言えば、一人で鍵の書の気配を探っていました。そこへ、あの騒ぎです。流れた力を捉えようとしたところが適わずに…ああ、その時ロザリオを壊してしまったのですよ。
おかげで、気の調節が面倒です。
[アマンダはベアトリーチェの挨拶に、手を振る]
うん、ベアも。こんばんは。
「チッ」
[茶色の瞳のアマンダは、特にその手の上の品(輪)を気にしない。
千花は、少しだけ警戒風。]
やあ、こんばんは。
……体調は、良さそうですね?
[アマンダの声にそちらを振り返り、挨拶と共にこんな問いを投げ]
不思議な感じ……ですか。
[ベアトリーチェの言葉には、微苦笑を。
時空と天聖。対を持たぬが故に、対となるもの。
その感触は、確かに言葉にて言い表せるものではなくて]
―現在/教会 礼拝堂―
そうだろうね、君なら出来ることがわかったらすぐにやるだろう。
[とてもまじめに頷いて、しかし苗床は続く言葉には口元に笑みを刻むばかり。]
さあ。
君より強いなどというと、なかなか居ないと思うけれど。
此処は人の町であるしね。
まあ、だいぶ、色々居るけれど。
[闇の質問を耳に入れ、苗床の瞳がかの女を写す。]
『それこそ、契約となりそうだけどね。』
[その言の葉で、終わりというように、口唇をつぐんだ。]
……なるほど。
じゃあ、アリバイ確認は無駄じゃないって事か。
[満足げに頷き。]
……そういや、『鍵の書』ってのはそもそも何処にあるものなんだ?
遺跡だったっけか?
[ガキの頃に遺跡を探検した事はあるが、あまり深いところまで入った覚えはない、と付け足して。]
[アマンダはオトフリートにも頷く]
うん、もう大丈夫。
大地が、癒してくれたから。
[アマンダはオトフリートが倒れたなんて知らないから、気遣うことなく、そのままミハエルを見る]
やあ。昨夜は、ありがと。
[茶色の瞳には、悲壮さなんて欠片もなく]
あぁ、この遺跡は元々、封印のために作られたもの。
それを奉り、守るために人が住み、
人が集まり、街となり、
そして、遺跡の意味を忘れてしまったらしい。
ずっとずっと、昔の事だが。
[首をかしげたのは、鳴き声をあげた千花に対してだったでしょうか。
ともかく輪を手に持ったままに、苦笑いを浮かべるオトフリートを見上げると、明るいベアトリーチェの髪とは対照的な虚を思わせる深いいろの髪や、ベアトリーチェの緑より濃いいろの眼を眺めます。]
オトフリートも、感じるのだろうか。
―今朝・詰め所―
「鍵の書」はわかる人にはわかるってわけか……。
そして封印は直接解かないとダメってわけね。
[...は腕組みをして一端の探偵気取り]
「鍵の書」は確かに北の遺跡にあったって聞いたよ。
僕も小さいときは遺跡で遊んでいたけど、危ないからって奥は立ち入り禁止立ったはず。実際、昔行方不明になった子がいたみたいだし。
―泉―
[己も飛び込みたい衝動を我慢して、傍らにひざをつき、短剣をそっと浸す。]
[しばらく後、引き上げた短剣をかざして。]
……おぅけい、っと。
とりあえずはこれで凌げる。
[短剣をシースに収め、そのまま北へと向かう。]
[どうやら、すぐ傍にある違和感に気づかなかったようだ。]
[クレメンスの「気の調整が面倒」という言葉に]
そうなんですか? その割には今日の神父様の気配は十分安定していたと思いますが
[ティルがこちらを見ているのに気付くと]
? どうかしましたか?
それは何より。
[大地が癒した、というアマンダの言葉に、ほっとしたような声を上げる。
その後の呟きには、何も言わずに]
……そうですね。
不思議な感じ……落ち着くような、不安なような。
でも。
この感触が失われたら、きっと、寂しく思うのでしょうね。
[自分を見上げる少女の言葉には、静かにこう返す]
ー教会・礼拝堂・現在ー
[ナターリエの言葉に、手にしていた聖書を掲げて見せる]
勿論対策は講じています。この聖書でロザリオの代用に天聖の気を補っているのですが、古いものだけに、力が強いのは良いものの、なにしろ、ロザリオと違って持ち歩くのが「面倒」で。
[ためいき]
魔法が絡んでいるとはいえ、一定の法則はあるみたいだな。
[再び腕を組み。]
なあ、騎士のにーちゃん。
あんた、『アレ』が無くなった時は何処にいた?
他に誰かいたって言うんなら、そいつの名前を挙げてもいい。
[早速、アリバイ確認。]
[アマンダへ首肯して]
進展が無いのだったら、無いのだとしても遺跡を見て来よう。では。
…オトフリート、何か掴んだら一人で追わず報せろ。
[抗魔銀の腕輪の位置を直す仕草、一行から離れ、門をくぐる]
ううん?
なんでもないよ、シスター。
君がどういう質問をするのか、気になったんだ。
[それから、神父へ向けた言の葉に、確かに、と頷いた。]
……あ。
[呼びかけにそちらを見やった時には、ミハエルは既に門を潜っていた]
……掴んだら、ね。わかりましたよ。
[動き出す前には、と。
続けた小さな呟きは、氷破の精霊に届いたか]
『俺の場合は、単独の方が動き易いんだが……な』
[ついでに、言ったが最後総突っ込みを食らいそうな呟きを、心の奥底でぽつり、と。
勿論、それが無謀である可能性は見てはいる……つもりだが]
えっ、ねえ。一人で行っちゃったら危なくない?
[スタスタと歩き始めるミハエルに驚いて]
どうしよう?
[周囲の人々の顔を見回した。
遺跡には何だか奇妙な気配が漂っていて、積極的に追いかける気にはなれなくて]
―→北門―
[遠くに見える一団に、小さく手を振り歩み寄る。]
やぁ。皆さんお揃いで。
何か動きはあったかい?
後……ティルは見かけなかったか?
寂しくなるの、オトフリート?
ベアトリーチェには、よくわからない。
[またたきもしない緑の眼はじっとオトフリートを眺めていましたが、声に顔を逸らすと、門をくぐってゆくミハエルの後ろ姿を見えました。まっ暗な天には星がきらきらと輝いて、薄ぼんやりと世界を照らしています。]
遺跡へ。いってらっしゃい、ミハエル。
[――いいなあ。そう呟いた声は、とても小さいものでした。]
[ベアトリーチェに鳴いた千花を片手で宥めつつ、オトフリートの声に笑う]
うん。大地は、優しいから。
[それから。ミハエルの言葉と行動を見送って、頷く]
そう、よい進展が、ないなら。私も、私なりに。
「チチッ」
もちろん、千花も。
…またね。
[アマンダは皆に手を振り、遺跡には近寄らずに踵を返した]
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