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[素敵、という言葉に、僅かに緑の瞳を細め。
それでも、それに対して何かいう事はなく]
まともに食べてないというか、食べる暇がないというか、だけどなぁ。
[不満げな様子の弟には、笑みで返す]
まぁ、わざわざありがとなぁ。
大事なのは分かるけど。
それで『絵師』が倒れたりしたら元も子もないよ。
[あくまで軽い対応の兄に、やれやれと首を振って。
一歩進み出、殆ど押し付けるようにバスケットを差し出す]
で。
その様子だと、今度のは終わったんだ?
そこまでヤワではない。
……つもりだが。
[妙な間を持たせつつ言って、バスケットを受け取る]
ああ、無事に、な。
[向けられた問いへの答えは、ごく短いもの]
こんにちはぁ。
[現れた少年に、にっこりと微笑む。
エーリッヒの方へと目を向け首を傾けて]
ええと、息子さま?
[笑顔で真面目に聞いた。]
自信ないんだ。
[半眼で見上げ。
渡ったのを見て、手を離す]
そう。
家にはまだ帰らない?
[返す言葉も簡潔に。
二言目には別の質問を]
……はい?
[少女の言葉に、瞬間、思考停止]
……あのねぇ。
こんな息子がいるんだとしたら、俺は一体いくつなんですかと。
[そんなに老けて見えるのか、と。
そちらがショックだったらしい]
……倒れたことは、ないぞ。
一応。
[半眼の言葉に、ぼそりと返して]
……あー。
しばらくは、大丈夫だと思うが。
溜め込んだスケッチの整理とかもしないとならないからなぁ。
もうしばらく、アトリエ篭りかな。
[問いに答えつつ。
少女の問いにショックを受ける様子に、何となく頭をぽむ、とかやりたくなったが、自重した]
あら。
あらあら?
[自分の言葉に、ショックを受けたような二人の様子に
口を白い両手で抑え、驚いた顔をした後
直ぐに、笑顔に戻った。]
違ったかしら?
ごめんなさい、だって雰囲気が似ていたものだから。
一応って。
[尚も何か言いたげに見上げていたが]
…そっか。
[返った答えに、視線を地面に落とした。
撫でられたりしたらもっと落ち込むかも知れなかった]
[そして、エーリッヒの方を向き
じっと見つめ]
あら、だって…
歳は、不詳だわ?
[言ってから笑顔をミハエルに向け]
あら?
年上、なのね…驚いたわ?
[屈託無く、ころころと声を転がした。]
まあ、似てるのは、ね。
兄弟だし。
……まだ27なんだけど。
さすがに、18の子供がいるってのは、無理があると思うんだ。
[少女の言葉にこう答えて]
倒れた事はないんだから、いいじゃないか。
[弟に返すのは、強引な理屈。
視線を落とす様子には、苦笑を浮かべて]
[不詳、の言葉に首を傾げた。
共に過ごしてきた期間が長いだけに、他から見た感覚は分からない]
…え。
そうなんですか。
[年上だというのがこちらも意外だったよう。
瞬いた]
兄弟、きょうだい。
素敵ね、素敵ね?
うふふ。
[笑みを向けると、数歩後ろへと下がる。
白い綿毛草の中、くるりと白いワンピースの裾を広げながら回る。]
貴方も絵を描くの?
「絵」を?
[ふと、歌おうと開いた口を閉じ
ミハエルへと問いを零した。]
大丈夫だ、倒れる前に休む。
[釘刺しにも、返す言葉はどこか軽い]
……で、そういうお前はちゃんと休んでるんだろうな?
[ふと、思い出したように問いを投げる。
創作にのめり込みやすい、という点で似ているという認識があるためか、こちらも心配はしているらしい]
いえ、僕は…
[ふわりと舞う白い色。
答えようとした言葉を、一度止める。
繰り返された言葉の意味は、恐らく]
…『絵師』は、1人ですから。
[笑みには少し苦い色が混じる]
そう、そうね。
聞いた通りだわ?
[ふふふ、と、
細められた緑の瞳も
苦い色が混じった声も 笑みで塗り替えて
上機嫌にしか見えない少女は、
小さく口の中、歌を紡ぐ**]
絶対だよ。
[軽く返される言葉を、信用ならぬとばかりに見たが]
ん、…まあ。
[自分のことに話が及べば、やや目を逸らした。
一応寝てはいたが、場所が場所だった。
他人のことは言えない]
ええ。
[短く返して。
やがて楽しげに見える少女の、ほんの微かな歌声が聴こえたか。
自然指が動き、楽器を奏でるように。
程なくしてそれは止まり]
…それじゃあ、僕はこれで。
続き書かないと。
[浮かべるのは未完成の楽譜。
いてもたってもいられなくなり、踵を返す]
兄さんも、一段落ついたら戻ってきてよ。
待ってるからさ。
[一度振り返り様にそう言い残して、その場を*後にした*]
はいはい。
気をつけるから、お前もちゃんと、ベッドで休め?
少なくとも、俺はそうしてるからな。
[弟に向ける言葉はどこまでも軽く]
ああ、一段落ついたらなぁ。
[最後の言葉には微かに笑みつつ頷いて、戻って行く背を見送った]
さぁてぇ。
仕事の邪魔しちゃ悪いし、俺も行くかぁ。
[歌を紡ぐ少女にじゃあね、と声をかけ。
綿毛草の奥、つがいの林檎の元へと向かう。
周囲に響くのは水音。
それは、都市で聞くそれとは微妙に異なる響きを帯びる]
……いーい天気。
だねぇ。
[小さく呟くと、林檎の樹の根元に腰をおろし。
渡されたバスケットと、スケッチブックの両方を*開いた*]
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