情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[返り来る声に潜む感情に気づきしか。]
月白の神巫の力故かな、
己等も人の頃を思い出しそう。
[さても意に介す風もなく小さく咲ふよ。]
[ぴくり、と微かに指先が振るえ、そして蜜色が光を見る。
少し眩しそうに瞳を一度二度瞬かせ]
…我は誰そ。
……我は揺藍。…揺藍。
[言葉を重ねる。小さく、小さく欠伸を一つ。ふわり。
するすると袴の裾を引きずりながら童子を探す]
…湯浴みをしたいのだが。
[梔子色の結わきを解けばくすんだ空色が風に踊ってさらりと落ちる。
童子に導かれるように奥の間へと進み]
[あたたかな湯はどうやら天然のものであるらしい。
衣を脱ぎ捨て湯に身をしずめ──
暫しすれば濡れた髪を下ろしたままふらふらと縁側に現われようか]
そうかい、それなら朝餉を貰うと好い。
育ち盛りの坊に足りるかはわからぬけれど。
[猫の如き眼細め浮かぶ微笑は柔らかく]
その前に顔を洗うた方が好いかも知れぬね。
寝惚け眼の侭ではまた鞠に逃げられてしまう。
[露に濡れたびいどろを置けば、象牙の髪のおのこの姿。
それに礼をする童の声に、琥珀の眼差しは揺れて伏せられる。]
風漣か、よい名じゃの。
[そう呟くは、せせらぎを模した菓子を見つめてか。
されど己を呼ぶ幼き声音には、ゆると頭を揺らして見上げ、]
さてさて、どうであろうの。
我はそなたに敬意を払われるものではなかろうて。
[えいかでよい、と言い置いて。
空のびいどろと干菓子を残し、袖翻して立ち上がる。]
[朝餉を、との言葉に、ひとつ頷き]
鞠、逃げてしまう……?
[ついだ言葉に、思わず腕の中の鞠を見やり、それから、はあい、と頷いた]
……でも……よいの?
[言い置かれたえいかの言葉に、また首を傾げ。
新たに現れた空の色彩にまた、ゆる、とまばたいて]
なぁに、象牙の旦那。
其方が此方を早いと感じたように、
此方は其方を遅いと感じたのだから、
仕方なかろうて。
[言の葉にて遊ぶような物言いして眼移す]
空の君もお早うかな、
濡れた髪なればまるで海のようだけれど。
そうか、すまぬの。
[遠まわしに否と言うあやめに短く詫びて、続く言葉に瞼伏せ、]
いかな不思議も天狗の仕業。
なれば不思議も不思議にあらず。
[すいと琥珀を逸らして傍をすり抜けんとす。]
好い返事だね、風の坊。
そうそ、逃げられては大変だからね。
失くさぬよう、しっかりその手にお収めよ。
己が手に届くものは大切にしておくと好い。
離れてしまえばもうかえりはせぬのだから。
えいか―良い名だな。
[うんと一つ頷いて、新たな顔に目を向ける]
お早う、初めて見る顔だな―。
[と言っても他もまだ見知ったばかりだがな―と、笑い。
先ほどの名乗りを再び行うか]
…わらし。
[鞠を持つ小さな手に蜜色を微かに揺らす]
…花の君。
……湯浴みを、してきた。それ故に。
まだ、乾ききらぬので。
[腰を下ろしながら答えよう。
新たに見ゆる男の姿にちらりと蜜色を揺らす]
…そちは誰そ。
[逃げられては大変、というあやめの言葉。
それに、華の紋を抱きし手に、力がこもろうか]
うん……これは大切。大切な鞠。
[なくしてはだめ、と。その言葉は自身に言い聞かせるが如く]
……それがよいなら、風漣はえいか、とお呼びするよ。
[しかし、浮かびし陰りは刹那なるもの。
頷くえいかに、笑みつつこう返す]
否、生き別れなどという事もあるからね。
どこで縁が繋がっているかなどわからぬよ。
[朱の唇はやはり弧を描いたまま変わらず]
天狗、あまのきつねの仕業か、
確かに左様な話ではあったね。
成る程、なれば面妖でもないか。
其方は如何様に思うのかな。
[何の問いか定かならず相手に向きもせず]
…そうか。
我は揺藍と言う。…よしなに。
[言葉は少なく男に名乗る。
性の匂いを感じさせない風貌と声音の集合体は童子の持ってきた茶粥を啜る]
[こちらを見つめ、揺れる、蜜色。
それを、紅緋にてきょとり、と見つめ返し]
……だーれ?
[その訪れの時には眠りに落ちていたこともあり。
その問いは、自然に投げられて]
…ゆら。揺藍、という。
そなたの名を…我に教えてくれるか、わらし。
知らぬままではそなたの名が泣いてしまう。
[粥を掬った匙を持つ手を止めて少し首を傾げれば、くすんだ空色がさらりと落ちようか]
海は空の鏡と言うたかな、
天は彼方の世界の入り口にしか過ぎねども。
[独り言ちるは届かぬ場所を思うよう]
湯浴みか、それも好きかな、
此方も後でしにゆくとしよう。
先程から書き物をしていたものだから、
手に僅かばかり墨が移ってしまったよ。
[象牙のおのこに名を褒められれば、そうかと一つ頷いて。
あやめの問いには首を振るばかり。]
わからぬよ、我は何も。
まこと呼び声に答えし招きなら、何故に再び返すのか。
…乞うた覚えもないけれど。
[弧を描く朱を見ることなく、知らず止まりし歩を進め。
腰を下ろした揺藍とは逆に、白は廊下を歩みゆく。]
今日和じゃ。
…入れ替わりですまぬの。
[白が藍に染められるよに、青空と白夜が追いあうように。
よく似た姿と入れ替わりて*縁側から立ち去らん*]
揺藍。揺藍の……。
[どちらだろうか、と。
どちらでもあるような雰囲気より、思い悩みて]
……にいさま?
[僅かに首を傾げつ、感じたままに呼び]
風漣は、風漣。
[ついで、自身の名を告げて]
…褒めたところで何も出ぬよ、詠殿。
[名を何度も繰り返す様子に少しだけこそばゆいと表情を俯きかくして]
…左様か。
それならば手水を頼めばよいもの。
…けれど花の君が湯浴を好まれるならそれもよかろう。
海は…空の鏡などではないよ。
海には涙しか流れ着かぬと聞く。
[つぶやく。茶粥を一匙口に含み、嚥下する]
何ゆえに呼んだのかは確かなれど、
何ゆえに応えたのかは定かならず。
己等が真に、
己等の共に在るべきか。
それを見るために、
今一時の刻を頂戴な。
…いえ。
時の流れを、人の定めも行くところも我には止めることはかないませぬゆえ。
[えいかの去りゆく姿を匙を加えながら眺めゆく。
ふとわらしの迷う様子にすこうしだけ蜜色を甘く揺らし]
…どちらでもよいよ。そちに任せる。
我にすら自らがどちらなのかわからぬのよ。
[空になった椀に匙を下ろし、それを童子が片付けていくのを見ながら]
…そうか、風漣と言うのか。
仲良うしてたもれ、漣坊。
[少しだけ唇が柔らかくつりあがる]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新