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[実のところ、青年に触れるのはこれが初めてだった。
触れるのを厭うという話は使用人伝に聞かされていた為、自ら触れようとすることはなかったし、そもそも触れる理由も無かった]
[使用人の部屋へ去る二人を、何処か怯えたように視線を外す令嬢を静かな目で見送った後、墓守は開け放たれたままの扉の中に入って行った]
/*
ご心配をお掛けしてばかりですみません。
必要なら今日吊りを寄せておかませ襲撃無しとするのもありとは思いますが、村の流れ方次第でしょうか。お二人からキャロルが殺されそうになるなら事故的に流れるのも不可能ではないかと思ったり。明日は今日より余程動ける筈なので何かあれば提示して置いて下さい。
お二人に甘えたまま今日もお先に失礼致します**
[トビーとともにキャロルとヘンリエッタが立ち去っていくのを眺め、軽く頭を下げる。去り際にトビーに向けられた、ヘンリエッタの言葉とキャロルの鋭い視線に、見送った後嘆息まじりに小さな声で話し掛ける]
童っぱ・・・。お主、彼女達に言ったでござるな、あの事を・・・
[それに対する返答は、いつもと同じく軽い調子であったろうか。これでおそらくトビーの依頼人から狙われる理由が増えたかとも考える。
だが、もとよりそれは覚悟の上だ。]
まぁ、過ぎた事を今更どうこう言ってもどうしようもあるまい。それに、どの道遠くに逃げるのであろう?
安心しろ。我が責任もって、必ず我の国まで送ってやろう。
[安心させるように力強く笑いかける。その言葉に、彼も笑みを返しただろうか]
―使用人の部屋―
[ハーヴェイの治療を受けながら消毒液にはわずかに顔をしかめて、
ナイフを抜かれるときには]
……んっ…
[痛みに微かな声を漏らす。
傷口を布でおさえられて血がある程度とまったところでその上に包帯を巻かれる。
少したった後に肩をきつく縛った布を解かれて]
…うん……(こくり
[ハーヴェイの銀じゃなくてという呟きには微かな声と頷きで答える。
微笑みかけられると、自分も微笑みを返す。]
……
[今度は自分がハーヴェイの右腕の傷の手当てをした。布を押し当ててぎゅっと止血をし包帯を巻く。
手当てが終わった後ハーヴェイに*微笑みかけた*]
/*
お気になさらずに、こちらもピュエリアにたくさん助けられていますし。
襲撃おまかせで吊り先しだいで村の行く末はどう転がってもいいようにというのはありですね。
今日ならなかったので狼陣営と村陣営で3:3の投票の形になるのも面白いかなとちらっと考えたりも。
ああ…あれは邪魔だ。必ず殺す。
[インサニアのコエに応えた後、少し間をあけた。]
インサニアが喰うかい?
血を浴びたのに喰ってないと辛いだろう?
あまり喰い甲斐はなさそうだけど。
[痩せこけたトビーを思い出してはそう言った。]
うん、任せてピュエリア。
[信頼の視線を受けて、そうコエを返し]
ピュエリアは大事な仲間だから、だから私が助けるのは当然のことだよ。
[かけるのは仲間への親愛の意を込めたコエ]
/*
ん、むしろお陰さまで精神的にだいぶ助かってますので気にしないで。
<3:3の流れ
できればもってければいいんだけど、少なくとも村人が動かないと、俺は強く村人を襲える理由がないのがね…。
かといって、今日ピュエリアに黒出しはあんましさせたくないなーとかもちらっと。二番煎じだから。
……まぁ最悪、場が動かなそうで、強引に動かすならそれも考えとうか。
とりあえず今日の村人(特にマンジローとユージーン)の動き次第。そして俺の帰宅時間次第…。
[少ししてアグレアスに微笑みかけた後のことかけられたコエに]
うん、でもアグレアスはいいの?
[尋ねかけるコエは遠慮をするような内容でも、その声色は期待に満ちていたかもしれない。
だって、ギルバートの心臓を食べたときはとてもおいしくて、体中の血が歓喜してざわついたから、自分の手で狩った獲物はどんな味がするのか。
本当はそれをすでに幼いときにはあじわっているのだが、それゆえさらに期待は増えるのかもしれない。]
トビーは確かに小さいけど、どんな人でも価値は…でしょ?
―青年の部屋―
[先ずは青年を横たえ、廊下にあった雑貨屋の遺体を運び、その隣に並べた。
前の二人の時もそうしたようにシーツを剥がし、けれどすぐに被せることはしない]
申し訳ありません。
[謝罪に応えは無い。
頭を垂れ、暫くは動かなかった]
護るべきは、貴方だったかも知れないのに。
[意識が逸れた刹那、少年が告げた言葉は耳に残っている。
かの令嬢が、あの場で「笑って」いたと]
後程、訪ねてみましょうか。
[ゆっくりと頭を上げ、低音は呟く。
もう一度小さく頭を下げた後、並べた二人に一枚のシーツを被せる。
青年のいる左側が、長く放置されていた雑貨屋の方よりも早く染まって行く。
それを暫し眺めた後、深く礼をして、部屋の扉を*閉めた*]
[インサニアの言葉が甘く響く。
内に燻るものはある。足りないと騒ぐものはあれど。]
…食べたくないとは思わないけど、我慢は効く方だしな。
ピュエリアの怪我の方が酷いし、早く治すためにも食べておいた方がいいだろう。
[何より、あの子供は狩りの練習相手には丁度いいようにも思えた。]
俺に気兼ねすることはないよ。好きなだけ喰っておいで。
[そう微笑み告げた。]
―二階廊下―
[ユージーンはラッセルの亡骸を抱えて出て行き、ハーヴェイとシャーロットも手当のために下へと降りていった。トビーも皆がいなくなればまた広間へと戻っていくだろう]
・・・我も、部屋へ戻るといたそう。
[ただ1人その場に残されれば、忘れていた疲労感がたちどころに襲ってきた。もはや考える事も億劫になり、疲れた体を引きずるように自分の客室へと戻る。
ベッドに倒れこめば、泥のように*眠り込む事だろう*]
ありがとう、アグレアスは私のせいで怪我したのに…。
でも、それじゃあ私が…、
[言葉は一度区切りかみ締めるように]
トビーを…狩る…。
[コエにして血はざわめく。
今すぐにでも駆け出したい衝動を*抑えながら*]
─2階・廊下─
[一緒に、という言葉。
女はひとつ瞬いた後、ゆる、と首を傾げ]
ええ。
エッタ様をお一人で放り出すような事はしませんわ。
[少年の言葉。
『連れ戻しに来る』。
それが望まれぬ事と感じたから、そうならぬよに、と。
それは、今の女にとってはごく自然な発想]
では、参りましょう?
墓守殿、申し訳ないけど、後はお願いするわ。
[去り際、墓守にはこんな言葉をかけ。
ひとまず、向かったのは自分の客間。
そこで、ヘンリエッタの背に打ち身の痕がないかを確かめたり、少女の気を紛らわせるために他愛ない物語を聞かせたりしている内に、大分時は過ぎていた]
……お茶をお持ちしましょうか。
あと、何か食べるものを。
あんな事の後で食欲はないかも知れませんけれど……何か、食べておきませんと。
[手伝う、といわれたなら、お疲れでしょうから、とやんわり遮って。
ひとり、部屋を出る。
廊下には、死者の姿も生者の姿もない。
静まり返った館内を、女はゆっくりと歩く]
さて……どこにいるかしら。
いつも通りなら、広間だろうけれど。
[小さく呟く。
ひとりで出てきたのは、少年に会うつもりだったから。
時間を置いたのは、自身の気を静め、冷静さを保つため。
少年が発した言葉。
その意を問わねばならない、という思いからの事だった]
[ヘンリエッタの抱える事情については、深くは知らぬ。
流浪の舞手が踏み込むべき領域ではない、と一線を引いていたが故に。
けれど]
……さすがに、この状況では、そうもいえないものね。
[少年が何をどこまで知っているのか。
それを、問いただしておきたかった。
彼は、何も知らぬと言っていたけれど。
追う者がいるというなら、その情報は得ておきたい。
話を聞き、その上で少年が己が目的を阻む要因となりうるならば取り除く事も視野に入れて]
……もっとも。あまり、手荒な事はしたくないのよねぇ。
[経験がないわけじゃないけれど、と。
そんな呟きは、ここ数日で何度も接したもの──血のにおいに遮られる]
……また……誰か?
[掠れた声で呟く。
狼は、まだいるというのか。
そんな疑問を抱えつつ、においを追う。
やがて、目に入ったのは僅かに開いた玄関の扉。
そちらに近づくにつれ、においは強くなるようだった]
─館外・玄関前─
[僅かに開いた隙間を押し開き、外へ出る。
湿った風が吹きぬけ、金の髪を揺らした。
身に纏った紅の紗が翻る──その色の向こうに見えた、それよりももっと深い、紅]
……っ!
[玄関の、すぐ横。
倒れ伏した少年の身体を中心に開く、色鮮やかな、大輪の花]
……何故?
[口をついたのは、短い言葉。
少年の、痩せ細った身体には、はっきりそれとわかる獣の爪痕]
まだ、いるという事、ね……。
[低い呟きが口をつく。
女はしばし少年の亡骸を見つめ、やがて、ひとつ、息を吐く]
ねぇ。
あなたは、何を知っていたの?
……あの時、何を「見てた」と言うの?
[ヘンリエッタが笑っている、と。
少年の発したその言葉は、捉えてはいた。
けれど、それが何を意味するのかは女にはわからない。
否、わかりたくもない]
このままには、しておけないわね。
皆に知らせて……中に、入れてあげないと。
ここは……寒いもの、ね。
[呟くように言って、立ち上がる。
一際強く吹き抜けた風が、金と紅を大きく揺らした**]
―使用人の部屋→厨房―
[自分の治療は自分では難しいので。
シャーロットに包帯を巻いてもらい血止めをした後、脱いでいた上着を着た。
少し落ち着いたところで部屋を出ようと立ちあがり、扉を開けようとして手を止めた。]
そうだ…腕の怪我はすぐ治るだろうけど、なるべく暫くの間、使い辛いように振舞うんだよ。
もし使った後は痛むようにするのを忘れないように。
[そう言い聞かせるように助言して、扉をあけた。
そうして一旦、水を求めて厨房へと向かう。
シャーロットは共に来たか、それとも途中で分かれたか。
左手で水を飲みながら、残った者の事を考えていた。]
(霊能者と占い師は死んだ。守護者は…分からない、元々いないのかもしれない。
居たとしても、もう遅い。)
……さぁ、次はどうする?
[誰に言うともなく、ぽつと小さく*呟いた。*]
―使用人の部屋→広間―
[いくらかの時間がたった後、ハーヴェイとそこで別れた。
別れ際にかけられる言葉には頷いて、微笑みかけた。]
……(こくり
[廊下を歩きながらあたりは人の気配も少なくなったせいか静かだった。
向かう先はまず広間、そこにトビーは一人でいた。]
……
[どうしたの、シャーロットさん。血に汚れたままだよと彼は笑いかけるのだろうか?
そちらによっていききゅっと抱きしめた。トビーの反応はどうだっただろうか?]
―広間→館外・玄関前―
……とびーが…いけないんだよ……
[小さく呟く声はきっと彼の耳に届いて、それは微かな声だったためか恐怖をあおるかもしれない。
彼の小さい体を抱き上げて口をふさいであたりに注意をしながら広間を後にし、玄関を出て外に。
ここで見つかったら元も子もないから。あたり人の気配を感じないの確認してから玄関の外に。
抵抗をしようともがくトビーをこのまま崖の下に放り投げればその行方もわからなくなるのだろうけど。
そんな考えも浮かんだけど、左腕の治療されたところを何度も叩かれる。痛みとともにもうここで殺してしまおうと思って……]
―館外・玄関前―
[トビーの首をまず裂いて言葉を奪う、以前にアグレアスがそうしたように。
塞いでいた口から吐き出された血が手を濡らすが気にしない。]
……もらうね……
[胸を刺し貫いて小さな体からその鼓動を取り出す。
トビーの抵抗は段々となくなっていくその身を地面に放り出し、手の中でまだ鼓動を止めぬままに噛り付いた。]
…………(はふぅ
[漏れ出すのは歓喜の声、十数年ぶりの狩りとそれによる獲物の味。
自分の中を巡る色濃い人狼の血が歓喜と狂気を増していく。でも、その狂気に支配されるまでにはまだいたらない。]
あははははっ!アグレアス。
おいしいね、人の味は…最高だよ。
[足元には地面に転がる少年の死体。もう動かない。血が広がり大輪の花のように地面に広がる。
あとはこの体をどうしてやろうか、考えている間に人の気配が近づくのを感じてその場を後にした。]
―館外・玄関前→浴場―
[屋敷の中に戻ると物影に隠れてキャロルが外に出て行くのを見送る。
キャロルの姿が見えなくなったのを確認してから見つからないように注意深くそこから離れた。]
……
[ラッセルとトビーの返り血でだいぶ血塗れていたので浴場に向かった。
トビーの抵抗のためか傷口はまだ開いたままなのでそこに注意をしながら血を落とすだけにして、ハーヴェイの忠告を思い出す。
ちょうどいいのかもしれないとそっと包帯の巻かれた左腕を*撫でる。*]
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