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―庭園―
[ざぁ、と。風が抜ける。
一段、強い風を纏い。たん、と小さな音を立てて蒼の魔が地へ降り立った。
風が止み終わる後には、はらりと、青い髪が頬へと掛かって。
降り立った青年の紅の光が見据えるのは、
割れた硝子窓の向こう側。]
/中/
眠い眠い眠い…頭まわんねー!!orz
あぁぁもう皆ゴメン。・゚・(ノノ)・゚・。 動くの遅くてごめんorz
そして動きやすい場所をとるか、フラグが拾える場所かで
悩んだ挙句に、間を取ったチキン。
……おでまし、か。
[蒼の魔の姿に、小さく呟く。
その口調も声も変わらず彼のものだが、翠は冷たく。
二つの狭間。
そこに揺らめく存在であると、その組み合わせが物語り]
……旋律にひかれた……か?
[紅が見つめていた先に気づいて、ふと小さな呟きをもらす]
[最後の一節を弾き終え、ゆっくりと目蓋を下ろす。
鍵盤から離した右の手を緩く持ち上げれば、薔薇は其処に収まった。
棘は肌を傷つける事もなく、其処に在るのが当然であるかのように。
黒に映る映像は、傾いでいく世界。
耳に届く旋律は、ない。
朧げな残滓から読み取れるのは、その程度で。
音色を紡ぎ終えた後には、ただ、暗闇と静寂とが残った]
[金の光に僅か目を細めるも、視線は直ぐにへと正面へ戻り。
闇に溶ける色を纏う室内へと向けられる。]
―――…御機嫌よう。
[投げ掛ける声は、誰へと向けられたものだったのか
微かに浮かべる笑みは、僅かに冷淡さを浮べ。]
…何故、其れを持っている?
[室内へ近づく事もせずに、ただ曖昧な問いを]
[音色を気にはすれど、外に吹き抜ける風を宿す魔が感じ取ったか。踵を返す先は外へ通じる扉。]
―庭園―
[少し離れた場所で、蒼の姿を見留めて立ち止まった。]
[隠れこそしないのは無駄なことと理解しているからか。様子を伺うように、2つの影を視線で追う。]
[室内に向けて投げられた問いが意味する事は理解の外。
故に、そちらには何も返さず。
……ふと、空間に増えた気配に気づいて、翠を軽く、そちらに向ける。
肩の真白がゆらり、尾を振って。
案ずるような真紅の瞳を、そちらに向けるか]
おや。好い夜ですね。
[椅子から立ち上がり、カタン、と蓋を閉じる。
黒薔薇を口許へと添えれば、笑んだ口許が隠れた]
少々、拝借しまして。
[半ば閉じるように細めた眼には、様子を窺う色。
月光を受けたモノクルは、輝きを弾いて煌めく]
…全く好い夜だ。―――今し方まではな。
人の物に手を出す様な、中々の手癖だとは。
[意外だった、とくつり浮かべる笑みは、あくまで愉快気に。
それでも孔雀色を見据える瞳の紅は、微かに昏さを湛え]
言った筈だ。
―――…"起こす"のは、勧めないと。
[此方には聊か不都合が多すぎる、と。
本当にそう思っているのか、臆する事無く告げて]
[翠が此方に向けられるのを感じ取ったか、軽く首を傾けるような仕草を取る。白い生き物に対しては少しだけ紫を細めて見せるも、声を返すことも其処から立ち退こうともしない。]
[響いていた旋律は止み、黒い執事の声へと変わる。室内へと視線を向けた。]
[旋律は止まり。不自然なほどの風が抜ける。
そして使用人達も庭園へと目を向けている。
もてなす客人も減ってしまったのだし、使用人もさすがに人だから気にはかかるのだろう。
そこにまじって...は庭園を盗み見る。
そこにはぽつぽつと、魔と大別される者達が…やはり感心はこちらなどには向かない。
それはとてつもなくありがたい]
……不都合?
[その言葉に、ゆるく、瞬いて]
起こす起こさない、という事は、完全に融合してはいない……と。
[その点は自身も変わらない訳だが。
しかし、それをいとも呆気なく明かすのは、何故なのか、と。
疑問と共に、やや、表情には険しさが浮かぶか。
紫を向けられた真白は、その意思を感じてか。
鳴き声を上げる事もせず、真紅を蒼き魔へと向け]
客人に対しては礼を尽くしますが、
そうでなければ、手段は選ばないもので。
それに真正面からぶつかり合うというのも、芸がありませんから。
[――ひゅ、と。
黒薔薇を相手方に向かって、真っ直ぐに放つ]
申し訳御座いません、天邪鬼なもので。
魔なのに鬼とは、奇妙な話ですが。
[くすくすと笑う様子は、傍目には悠長に映るか]
…これは、手厳しいお言葉だ。
正式な招待客だった筈なんだが、それでも客とは認められないらしい。
[冗談めいた口調で告げながら、くつくつと喉を鳴らし。
向けられた黒薔薇を紅玉に写せば、反射的にか右手を払うように捕らえる。
楽譜へ触れる手に気付けば、紅の光が細まって]
手始めに、―――貴様のものから頂こうか?
[告げる声は彼には珍しく、冷やかに響き。]
――起こす・・?
[呟く眸は、紫から紅へと色を変えた。]
[蒼の魔に細めた視線を向ける。その奥で“眠って”いるのかも知れない青年を見定めようとするかの如く。]
主に仇名す者は別ですから。
そして、それは遠慮致しましょう。
[カツン、と靴を鳴らして、窓辺へと歩む。
楽譜を抱く手の甲、刻印が昏い輝きを増す]
――懐かしき記憶を。
[言の葉と共に解き放たれるは、
先程読み取った残滓と、己が奏でた旋律。
それは触れた相手の脳へと、直に伝わるか。
オルゴールの音が他の意識を捕えるが如くに、
蒼の魔の意識を包み込まんと響き渡る]
[話は聞こえないまでも、お互いに話を交ぜあわせている様子。
それと位置だけ確認すると。
さて、知覚範囲がどこまでかはわからないが、絶好の射場でも探そうか…なんて、使用人達を無視して移動しようと思っていたが…
一つの人影を見て、足が止まり沈痛な面持ちへと変わって呟く]
イレーネ……
[どうするつもりなんだ…と]
―――…っ、な…!
[言葉と共に、脳へと響き渡る、音。
何かに、弾かれるように後ろによろめき。数歩下がる。
額を覆うようにして、手の合間から覗く紅の光は僅かに振れて]
…っ、を、起こすな…!
[掠れる様に向ける声は、蒼の青年の気配を滲ませる。
それでも尚、意識を残す紅の能力が
薔薇を捉えた際に傷付いた掌から滴る赤を、右手の中で刃へと形作り]
……っ……アーベル!
[よろめく魔から微かに感じた気配に、とっさにその名を呼ぶ。
真白もあわせるように、甲高く鳴く]
……完全に融合していないのであれば、切り離すのみ……。
盟約なき憑依は、仮初に過ぎぬ。
[低く呟くのは、果たしてどちらか]
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