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[青年を抱えた儘][扉を閉め、内鍵を掛ける。]
[部屋の中へと歩み寄り]
[死した恋人の隣に、]
[瀕死の青年を横たえる、]
[婚姻の褥の如くに。]
[然うして}
[青年の刺さった儘のナイフの柄に手を掛け]
[一息に抜き取る。]
[丁度、出血を止める栓の役割をしていたそれを。]
[開いた傷より][勢い良く溢れ出す血液]
[赤く赫い][生命の泉]
[甘い馨りに酔った男は]
[青年の着衣の前を乱暴に開く]
[釦が飛び][布地が裂け]
[滑らかな膚を露わにし]
[湧き出づる泉の源][ぱっくりと開いた傷口に]
[口唇を寄せ]
[ごくごくと喉を鳴らし]
[鮮紅の美酒を飲み干す。]
[蜂蜜の様に蕩けた][琥珀色の眸は]
[淡い黄金の光を][其の底に宿し]
[恍惚と揺蕩う。]
[剥き出しの平らかな胸に指を這わせ]
[愛撫に似た手付きで弄る。]
[やがて]
[泉が枯れ][緋の奔流も途絶え]
[何時の間にか息絶えて]
[冷えてゆく青年の躯、]
[美しい恋人の骸と並ぶ其の隣に]
[共寝するかの如く][添い伏して、]
[恍惚と眸閉じ][緋色に染まった唇を嘗め]
[赫い闇の眠りに]
[*堕ちてゆく。*]
――二階 廊下――
[思い当たる人を探し、彷徨う少女の耳を掠めた男の声に――]
[こつり――]
[少女は歩みを進めて、階下を覗き込むように顔を出す。
そして目に飛び込んできた情景に――]
あっ――……
[その言葉だけを落とすと――
緩く崩れ落ちる蒼髪の青年の姿を――
少女はただ、見守っていた――]
[崩れ行く蒼髪の青年。ルーサーが自分が亡き後の少女の身を託していた――]
[しかし今の少女には駆け寄ることも出来ず、ただ――
刻一刻と蒼褪めていく表情を遠くから見つめることしか出来ず…]
[かつん――]
[聞きなれない音に視線を上げれば、加害の男が毛布に包まった何かを部屋に運んでいて――
それが何かとは、少女には簡単に理解出来ず、ただ視線の先を通り過ぎていくのを見遣り――]
[再び通り過ぎていく加害の男の手に委ねられた、蒼髪の青年の蒼白しきった顔を間近で見れば、もう既に手遅れだということを理解して――]
[ぱさり――]
[その場に崩れ落ちるように少女は座り込んで、加害の青年の行方を、ただぼんやりと見つめながら、しばしの時を過ごして――]
[ゆるり――]
[立ち上がると、少女はルーサーの亡き姿が横たわる部屋へと歩みを進めた――]
――廊下→アーヴァインの部屋へ――
――アーヴァインの部屋――
[部屋に入ると、やはり変わらず横たわっているルーサーの亡骸に、寄り添うように近付き少女は一時の眠りに就く。
内鍵が壊れた部屋。無防備に眠る姿を神父が見たら、何と言うだろうか?
少女は苦笑交じりに微笑んで――そっと瞼を閉じていた]
――夜明け アーヴァインの部屋――
[そして差し込む日差しの眩しさに瞳を開ける――]
[目に映る物は昨晩と何ら変わらず。勿論自身の体も生を受けたもの特有の温かさを携えており――]
あ…私まだ…生きていたんだ――
[呟く言葉に感情の色彩は込められておらず――]
[そして疼きだす背中の感触に、薄く笑みを零すと――]
手向けの花…探す前にまずは身を清めないとね…。だから少し待ってて?神父様――
[ルーサーの額に…軽く唇を落として――]
[ふわり――]
[柔らかく立ち上がると、少女は部屋を後にした]
――アーヴァインの部屋→浴室へ――
――浴室――
[少女は熱いお湯に浸かりながら、ルーサーの言い残して言った言葉を反芻していた。]
人狼の餌食に、または人々の疑いの矛先が向かう先。私達がその両方の対象になったとしても――
一人残る――
神父様は人狼の餌食に…。そしてナサニエルさんは…怪我をしていた青年によって…。
――ねぇ、神父様…。あなたは初めから…こうなることを予想していたの?
予想していたから私に……?
[ぱしゃり――]
[水音が跳ねて、少女の顔を濡らす――]
[跳ねた水滴を右手で拭いながら]
あなたから授かった『聖書』は…、やはり私には重すぎて――でも誰を頼ればいいか判らなくて…。結局私は無力だって――思い知らされる…。
[ぱしゃり――]
[再び水音を立てて左手を水面から差し出し、じっと見つめて――]
せめて成長が止まっていなければ…
今よりはもう少し楽に――あの『聖書』を扱えたはずなのに……
[少女は薄紅色の唇を強く噛みしめ――]
[滲み出た血液をそっと舌で掬い舐める――]
美味しくない…血なんて…。
こんなの…食事じゃないっ…
だから人狼の事なんて――解らなくていい…。
だから…答えなんて…要らない――
[交差するのは過去の記憶――
一命を取り留める代わりに与えられた問いかけに――
少女は…解き明かすことを拒絶して]
探さなきゃ…人狼を――
[弱さを流し落とすように勢いよく立ち上がり、少女は浴室を後にした――]
――浴室→*客室へ*――
――客室――
[一日振りに戻る自分宛に差し出された部屋はもう、既に少女のものでは無いような気がして。]
[さらり――]
[頬を掠める金糸を耳に掛けて――]
[少女は手際よく着替えをし、荷物から小さな何かを手に取り、『聖書』を抱えて――]
さよなら――
[離別の言葉は何に対してか――]
――客室→温室へ――
[久方振りの][夢の無い睡りから目醒めて]
[血と死の匂いで満ちた部屋で]
[ゆっくりと目を開ける。]
[茫漠とした眸は未だ夢の中に在る様で]
[暫く然うしてゆったりと]
[死した恋人達の居る寝台の上で]
[茫と視線を漂わせていたが]
[やがて、]
[其処から下り立ち。]
[引き裂いてしまった青年の服の襟を掻き合わせ]
[傷口を隠して][毛布を掛けた。]
[思い付いた様に]
[部屋に掛けられた鏡の前に立つと]
[血に染んだ口元を舐め取り][其処に在った布切れで丁寧に拭い]
[吸血の痕跡を消し去る。]
[部屋の中を捜して][見付けた青年の荷物の中から衣服を取り出すと]
[切り裂かれた服を脱ぎ捨て][其れを身に着ける。]
[然うして]
[すっかり身支度を整えると]
[ふらりと]
[部屋の外に出て行く]
――温室――
[以前訪れた時と同じように少女は花籠を携え、室内をゆっくりと歩く――]
[細く小さな指が選ぶのはフリージア。神を捨てた少女に、献花に選ばれる花など目に映らない。
やがて籠いっぱいに摘み取られた花びらに、黄スイセンが入り混じったのは、花言葉に込められた少女の願いか、今は誰も知る由も無く――]
[さらり――]
[揺れる金糸は、誘われるように舞い――]
さぁ、神父様の器にお別れをしなくてはね…
[少女は花籠の中に閉じ込めた『聖書』に一度だけ視線を落として――]
[ふわり――]
[花の匂いを漂わせて――]
――温室→屋敷内へ――
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