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[聡の軽い言葉に隠すことなく表情が歪む]
…やれるものなら、やってる、わよ。
貴方に、私の、気持ちなんて…!
やりたくても、出来ない、私の、気持ちなんて…!
[徐々に泣きそうな表情へと変化していく。聡に向ける視線は嫌悪と、憤りと、妬みが込められている]
絶対に、分から…っ!
げほっ! っは、…、…ごほっ!
[絶叫にも近い声を発しかけて、それは咳き込む声へと変わった。手は口元と胸を押さえ、腕の中に居たコダマが地へと落ちる。綺麗に着地したコダマは、振り返るようにして榛名を見上げた。榛名は苦しげに咳き込みながらその場にしゃがみ込む]
[桜の下で利吉の煙草騒動があったとかは、勿論知らないわけで。
蓮実の視線は感じたが、何が言いたいのか察する事は出来ず、軽く首を傾げてみせる。]
?大丈夫?
[榛名のちょっと歪んだ表情に、また体調が悪くなったのかと思い、顔色を見る。
あまり近づくとコダマが暴れるかもしれないので、それなりの距離は保ったまま。]
まー私の第一印象とかあてになるものじゃないからね。
好きなら、そっちの方がいいよ。それに…ああうん、何でもない。
[『危うい透明感があったし』と言いかけたが、あははと軽く笑って誤魔化した。]
わぁぃ、ありがとう。
ううん、何かするよお礼。むしろしていかないと、うちの御主人が五月蝿いわー。
[首を振る榛名に、こちらも微かに首を振って返した。]
さっちゃんで、じゅーぶん!
[ガキじゃないもん。
そしたら自己紹介してくれたから、あだ名を考えなきゃ!]
――あ、えーと、はっちゃん!
私は、りょうです。南部涼っていいまーす!よろしく!
そりゃァ心強いわ。
[史人の言葉にへらりと笑い、続く真剣な突っ込みにもそれは変わらず。]
まァ、ねェ。
ずっと行方眩ましてたんなら、しゃーないかもな。
[人のことは言えないながらも。
晴美の表情の所為もあってか、首元に動いた手から視線は外された。]
みんなお友達が、嬉しいよ!
[だって、そのほうが、しあわせだからね!]
そっかーお手紙かー……
[同じに不本意とかいうさっちゃんは嫌い!にらんでやるー]
[孝博の名前と敬称の空白に僅かにピクリと反応するが]
そうか。で、捜し物とは何なのだ?
[そして、首を傾げて何かあったかと聞いてくる二人に眉間を解すと]
ああ、少し腹に据えかねることがあって、な。
[涼。はっちゃん。という言葉に一瞬とまるが、悪気がある様子もないのですぐに起動して]
ええ。よろしく。南部さん。
[といったところで、急変した榛名。眉を寄せて無言で近寄り、支えるようにしながら]
榛名さん。わかりますか?落ち着いて
…運んだほうがいいでしょうね
小百合さん手伝ってもらえますか?
[背中をさする小百合に近くの旅籠を顔を動かし促して言う]
[逃げていく聡の方をじっと見たまま、
そのあとの利吉の呟きに]
若いというか、まだ幼い感じだね。
[くすりと笑みを浮かべる。
きっと、かなり年下にみている]
ところで彼の名前は?
[そういえばよく聞いてなかったと思い知っていそうな利吉に尋ねれば聡だと教えられてなるほどと。
その後旅籠に着く前に利吉は用事があるとどこかへ、
なんとなくそのまま一人で旅籠の前につくと人だかりが見える、
珍しいななどと思いつつ皆に声をかける]
やぁ?みんなで集まって何かの相談?
祈りが通じる補償はねぇけどな。
[こちらはけらり、と笑って言葉を返す]
ま……そういう事。
だから、お前も戻るかどうかは覚悟入れて決めた方がいいぜー?
[いらん苦労するからな、と軽く言いつつ。
右手から視線が外れたことに、密かに安堵の息を漏らした]
悪い村どころか、風情がある良い村だよ。
いつか、俺も住みたいくらいには、な。
[ふ、と息を吐く。
両手を上げる様子には、けらりと笑い]
それなら、後で祭の解説でもしてもらおうか。
って…運命は流石に冗談のつもりだったんだが。
榛名さん、大丈夫?
[近づけは着地したコダマはフーッと、警戒したが。ちらりと一瞥したらどこかに逃げた。
咳き込む榛名の背をさすりながら。]
大丈夫?ゆっくり呼吸して…常備の薬か何かある?
それとも休んでいた方がいい?
[確認しながら、呼吸を助けるように背を撫で続ける。]
さわわ、さわわ。
それは、何かを呼ぶように。
揺らぎ、揺れる。
それに引かれたか、はたまた他に理由があるのか。
風が吹くのと前後して、宮司の姿が見えなくなったと。
そんな騒ぎが、起こり始めていた。
[はるなちゃんは苦しそう。
さゆりおねーさんが、看病してる。
どうしよう。
そう思ってしまって。
でも、なんだか。
――なにか、なにか。
――わかんない。]
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