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[ブリジットが一緒に歌い始めたのを、微笑んで見つめて]
そう、上手ね、ブリジット。
[そういって、歌いやすいように少しテンポを落としてブリジットに合わせて歌を続けて]
……ああ。すっかり、忘れて……た……
[荷物を見せるオトフリートに、そう言って]
[視界が変わった事に驚いて、再びゆっくりと瞬く]
…………重い、よ……?
[まず最初に出た言葉がそれなのは、どうなのか。
そして次に気にするのは、落としてしまったランプの行方]
[彼はスノーマンに近づくと、その体を軽くたたく]
ごめんね、ひとりぼっちのままにして。でもきっとみんなが、居てくれるよ。みんな優しい人だからね。
[そして、走り出す、闇の中へ]
―ベアトリーチェの部屋―
[少女はタンスの中を漁っている。
少女も必要最低限の衣服しか持ってきてないが、一着ぐらいブリジットに貸せるものはある]
[服を持ち、居間に戻ろうとしたその時――]
『――トクン』
[心臓が一つ大きな音をたて]
[少女は右肩を押さえながらその場に崩れさる]
[身体の奥から沸き上がる右肩の熱さに、
少女は声も出せず、ただ――]
[闇を伝い自室へと戻る。
全てはツームを通じて把握済みだが、ツァウンは上で寝ていたのだ。
その点に注意をと心に刻み、表の顔が入れ替わる。]
重くないけど?
[きょとん、として。
ランプを探して床を見るイレーネの視線を追ったが、落下の衝撃でどうなっているかは上手く見えず]
で…、どうする?
[もう一度同じ問いを繰り返し。
目を丸くしたオトフリートにやっぱりきょとん]
[エーリッヒにはこれ以上言葉を重ねずに、ただ微笑みを]
[イレーネを抱き上げたユリアンに、きょとんとした様子で見られて]
あ、いえ。
……少し驚いただけです。ええ
[][エーリッヒにはこれ以上言葉を重ねずに、ただ微笑みを]
[イレーネを抱き上げたユリアンに、きょとんとした様子で見られて]
あ、いえ。
……少し驚いただけです。ええ
[何を探しているのか][と思って気付く]
[近づいて、]
[ランプを拾って]
[幼馴染以外の人間とは、あまり接した事はなく。
こういうものなのだろうか、と内心首を傾げつつ]
……う…ん、と、………時間も……時間………だし…
[ユリアンの質問に。部屋、かな。と、ぽつり呟く]
[オトフリートが驚いたと云うのに不思議そうな顔。
これくらいは普通だと思っているらしい]
[ふと。窓の向こう。
完成したものと作りかけのスノーマンの傍。
…誰か、居たような気がして]
[けれども暖炉に当たっていても]
[寒いと緩は思う]
[脳裏に浮かぶのは、ベアトリーチェ]
[キラキラした陽の光]
[この手の中にずっと留めたくて]
[百舌鳥が獲物を木に刺すように]
[烏が光るものを集めるように]
[陽のひかりを沢山持ちたい]
[エーリッヒは刹のもの]
[ベアトリーチェは緩のもの]
ベアトリーチェ…
[響く歌を聴きつつ。
ある種、心地良くもある、ぼんやりとした空気に漂っていた意識がふと、現実へと帰ってきた]
……っつ……。
[右肩に、走る、痛み]
……ちっ……。
[苛立ちを感じつつも、右肩を掴むことで、押さえ込もうと試みる]
[階段の方から声が聞こえ、窓から其方へ視線を向ける]
…ん、怪我人。
[自分が抱いているから恐らく見えるだろう、イリーナの右腕。
狼だってさ、と付け足して]
部屋ね、了解。
[イレーネの答えには頷いて。
確かにもう休ませた方がいいだろうとも考える]
じゃあ、揺れると思うから落ちないように掴まってて。
[けれども]
[ベアトリーチェが話すと陽が翳る]
[まるで緩のように思えてくる]
[緩とは違う]
[喋らなければ、綺麗な綺麗な陽のひかり]
[凭れかかってきた少女の髪は、とても柔らかかった]
[陽のひかり]
[きらきらきら]
[嬉しそうに歌うブリジットを見ながら、妹がいたならこんな感じだろうかとふと思って]
Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky……
[ふと、裏口の戸が開く気配がしたけれど、今はブリジットが心配だった]
[外で、叫び声と狼の遠吠えが響く。 前者はとてもかすかに……意識しないと聞き漏らしてしまいそうな程、かすかに]
(響く遠吠え……そろそろ、狼の時間か……)
[何時までも、階段の前に立っているわけにも逝かないので、居間の中央へと足を進める]
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