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あはは…むぅ。抜けない抜けない〜頑固者〜♪
[枝に腰かけ、実を手にとって、もぐように軽く引っ張る。
抜けない。何度か引っ張るようにして、もぐと、実は手の中で枯れて崩れ落ちる
それにどういう意味があるのかは知らない。]
あは、楽しい。楽しい〜
[崩れ落ちたのを捨てて、もう一つもぐ。
同じように枯れて崩れ落ちた。それがやけに楽しくて。陽気に笑って足をぶらぶらさせた]
[アヤメが去り、静寂が満ちた。
風が重い翼を揺らすのが不快で、一度羽ばたく。]
…………食べてはいるんだがな。
ジョエルと同列でお説教を食らうとは情けないものだ。
[顰め面でアヤメが行く方向とは別の方へと飛び立った。
仕事の邪魔をする気はない。
もう少しその場にいれば、休めと言ったはずの人物と遭遇したのだが、幸か不幸かそれを知る事なく大空へ。]
ふぁ……
[翌日は、通常通り、施療院の仕事をこなしていた。やってくる患者の数も、さほど多くはなく。
手持ち無沙汰なひと時に、思わず出てくる小さな欠伸をかみ殺す。庭の木々がしゃらしゃらと鳴れば、開け放した窓から、ふわり、陽の光に温まった風が舞い込んで来た。]
[ 聞こえた声にきょとんとした様子で。]
……え…はぁ、ありがとうございます。
そちらも、お気をつけて。
私が成功するとも限りませんので。
[ そう言った自身の右目は巫女の姿を捉えている。]
……いない?
[少年の言葉に、不思議そうに瞬いて]
少なくとも、アタシとラウルは、全然知らない相手じゃないと思うんだけれどねぇ?
[冗談めかした言葉に同意するよに、ラウルはぴぃぱた、羽ばたいて]
大変だけど、好きで選んだ仕事さね。
やってて、楽しいモンだし。
材料は、これから探しに行く所さ。ラウルが木の実を食べに行く、っていうから、それを待ってたんだけどねぇ。
……えっ?
うん、そうだね。あはは……
[返ってきた思いがけない言葉に、ちょっと潤んだ瞳を慌てて手で擦り]
仕事……楽しい……んだ
……えっと、僕にも、手伝えること、ある?
ん〜……見せに行くのはいいんだけれど、さすがにこの後は食事の準備とかもあるし……。良かったらジョエルんが持って行ってあげてくれないかな?
お茶は今度改めてでも問題ないしね!
[と、ジョエルに話しつつ、ラスに牽制をかけて遊んでいる]
[支流か本流か、川の流れを逆しまに辿り、
せせらぎを聴きながら、急ぎ足に歩んでいく。
一度、肩に手を置きはしたものの、
ゆるりと首を振り、翼が開かれることはない。
そのうちに話し声が聞こえ、歩を緩めた]
[風を切り、四翼を羽ばたかせる。
限界まで速度を上げ、翼を大きく広げ滑空する。
森に落ちた影が滑るように縦断した。]
………。
[アヤメとの話の影響か、通り過ぎざま施療院に視線を投げる。
見覚えのある顔を見つけ、下の一対を立てて速度を落とした。]
[笑う少年の様子に、そうだよ、とこちらも笑う。
目を擦る様は、見て見ぬ振りをしておいた]
楽しいよ、物を作るのはね。
アタシの仕事は、村の皆の役にも立つし。
……って、手伝い?
機織自体は、手伝ってはもらえないけれど……。
[ほんの少し、思案するよに、眉を寄せ]
……ふむ。森に住んでるなら、どこにどんな草があるとかは、アタシよりも詳しいかねぇ?
[ジョエルの不審な目には、赤くなった顔で目を細めつつ下げながら、困った顔をする。
それでもひょいと首を伸ばして絵を後ろから覗き込み]
あぁ、綺麗だな。
[素直な感想を述べた。]
[崩れ落ちた実を手に握るようにしたまま、更に上に登る
実の次は天辺へとせわしなく移る。
手を伸ばし、足を運び、登る登る。上へ上へ]
あは、あはは。ここも高い。高いな〜あはは〜♪
[当たり前のことを言って陽気に喜びながら、誰か見えないものと目を凝らす
空を駆けている者は見えたが、地は見えづらくわからなかった]
エリィじゃないか。
こんなとこまで、散歩かい?
[名を呼び、こちらへ近づく姿に問いを投げる。
腕に止まったラウルが、挨拶するよに一つ、羽ばたいた]
[ふと、かすかな羽音が降ってきた気がした。窓際によれば、紫紺の翼が近づいてくるのを見つけ、手を振った。一度、窓から顔を引っ込めれば階上の露台へ、あがって、出迎えようとする]
スティーヴ。本当に来てくれたんだな。
[ジョエルとラスの感想にさすがに頬を赤くして照れながら]
え、えへへへへへへ〜♪
そのときはみんなそろってお茶かいだぁ! 私お茶菓子いっぱい作るからね!
[と、言いながら、イラストをジョエルに託すと、照れ隠しにラスの背中を平手打ち]
いやぁ、もう恥ずかしいから感想なんていわないでよ〜!
村の皆……?
僕、どんな人が住んでるか……知らない
……アヤメさんは、皆のこと、好き?
[首を傾げて聞いてみる]
うん、このへんなら、案内できるよ。
[と言うと、ちょうど現れた、新たな気配の主の顔を窺うように見た]
…俺がそっちを心配するのは、不思議か?
破壊をするなら、一人より二人のほうが楽だろうって事さ。
まぁ、勿論全てを壊したら――
…あんたも、破壊の対象になるかもしれない。
だがそれは、お互い様だろう?
げふっ!
[背中を叩かれて、少し前につんのめる。
お陰で赤くなった顔はマシにになったが]
いや、素直な感想だけどな?
なぁジョエル。
[細い目を糸にして、ジョエルとリディアを交互に見た。]
散歩……と言えば、そうなるかな。
私の活動範囲は森の中が主だけれど、
確かに此方の方向に来るのは珍しいかもしれない。
[数歩距離を置いたところで歩を止め、
鳥の真似のように片手を挙げた。
二人と一羽とを、それぞれに見る]
先日、一方的に見かけはしたけれど、
言葉を交わすのは、久しぶり……になるのかな。
道案内でも、頼まれていた?
[暫くの時間の後、覚醒を促したのは花の香。
…と、下がった気温]
…っくしゅ!お…?
あー…、眼を閉じとくだけのつもりが……、結構本格的に寝てたか?
[瞼を擦り、大きく伸びを一つ。
傍らに置かれていた花を掌に乗せ、洞窟の外へ]
お茶会か、クローディアも喜ぶだろう。
[リディアから絵を受け取り、ラスの言葉に頷く]
ああ、本当に上手だ。
頑固者の私が認めているのだから間違いない。
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