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[お茶のカップをツィンカが取ろうとすると、宿の大時計が時を告げる。]
あら、こんな時間……。
もう寝ないと。
[残念そうにカップから手を放し、未練がましく自室へ戻っていった**]
あら、お気になさらずに。
わたくしが好きでやっている事でもありますから。
[旅人にこう言って、また、新しくお茶を注ぎます。]
あらあら、お菓子に恋してしまったの。
それじゃあ、美味しいのを作らなきゃ。
……その代わり、外の話を聞かせてくれるかしら?
[宿に着くなりかけられたツィンカの声に、髭面が歪みます。]
……まーだ独り身だよ、悪いか。
それにお前誰だ?
なんでオイラのこと知ってるみたいなことを…
そっちのも見かけねえ顔だし……。
[木こりは無愛想な顔と声で宿にいる面子を見回しました。]
[決して褒め言葉には聞こえない評価に、
牧師は少しだけ顔を膨らませます。
サクランボ、と聞けば
牧師のお腹がまたくぅと小さな音を立てます]
もうそんな季節ですか。
あ、私なら一人でも平気ですよ。神様がついてますから。
[牧師はえへん、と胸を張って見せます。
宿が見えてくれば、足取りは少し早まりました]
あら、ドミニクさん。
忘れてしまいしまたの、あの子の事?
[木こりの声に、笑いながらこんな事を言います。]
それにしても、女将さん、どこに行かれたのかしら。
御用なら、長引かなければいいのだけど……。
[中々戻ってこない女将さんがちょっと心配になってきました。**]
そうか。
礼になるかは分からないが、何かあれば言ってくれ。
[旅人はドロテアにそう言って、お茶を飲んでいます。
すると、扉が開く音がしました。]
おや、村の人だろうか。
旅の者で、ここにはつい先程来た。
ルイと言う。
[旅人は席を立って、ぺこりと挨拶しました。
たずねられましたので、きちんと名乗りもします。]
……行っちまったか。なんだったんだ?
ああ、旅人か。オイラは木こりのドミニクだ。
[残ったルイに名を返し、荷を渡すのが先と厨房へ。
薪束を下ろして戻ってテーブルに着きます。]
…あの子? ドロテアさんは知ってるのか。
女将ならさっき裏にいたから料理を頼んどいた。
食前のお祈りは神様のついてる牧師さんにまかせる。
[ドミニクと、うしろに牧師がいるならそちらにももう一度頭を下げてから、旅人は席に座りなおしました。]
そうだな。
出歩くには少し遅い時間だ。
[心配そうなドロテアの声を聞いて、旅人もかちこちと音をたてる大時計を*見上げるのでした。*]
ルイさんですか。
私はこの村で牧師をしている、メルセデスと申します。
たいして見る所がある村ではありませんけれども
……なんて言うと、村長さんに怒られてしまいますね。
住んでいるのは、良い人ばかりです。
どうぞ、ゆっくりしていってください。
[牧師は旅人にそう言うと、頭を下げました。
テーブルについた木こりの言葉が聞こえると、
牧師は苦笑を浮かべた後、神へとお祈りを*捧げ始めました*]
おや、老女 ゼルマ が来たようです。
[笹の葉先に夜露が結ぶ夜明け前、一人の老婆が森の中をゆっくりと歩いておりました。後ろにはやはり年老いた黒猫がまぁるい目をして従います。]
今夜は蒸すわねぇ。天気も崩れるかしらね。
[そういうと、リウマチで思うように動かなくなった右の膝頭をさすります。
痛みが治まりかけた頃、遠くにぼんやりと小さな明かりが見えてきました。]
あらまあ。はて、誰かしらねぇ。
[今度は腰を伸ばしてから明かりのほうに二、三歩近づきました。]
[やってきたのは噂好きな一人の男でした。夜明け前の森の中で、思わせぶりに、身体いっぱい使っておおかみの話を聞かせます。老婆はなぜかそれを聞いてうれしそうです。]
はいはい、ホラント。あんたの話は面白いけど、あたしの知ってる昔話も聞いておくれでないかい? まだ村の誰にも話したことのないとっておきの話さ。
あれはこのゼルマがこの村に嫁に来る前、隣村に住んでいた頃の話さね。その頃の私はこれでも美人で通っていたのさ……。
[黒猫がにゃぉん、と短く啼いてホラントが呆れ顔ですたこら行ってしまったことを知らせます。それでもしばらくしゃべり続けてから老婆は言葉を止めました。]
ふふっ、ホラントはこの手で追い払うに限るね。ああ、でも教えてくれてありがとうね、ヴァイスや。
[ゼルマはショールを掛けなおすとまたゆっくりと森の中を歩き*始めました。*]
[ゼルマは村の一軒宿でカップやらお皿をキッチンに運びます。何人か泊まりのお客がいるようです。
もう日が高く上っているというのに宿は静まり返っています。]
女将さんもいないし、ドロテアもまだかしら。静かすぎるわね。
[この村にしては普通の、けれども旅する人の目にも粗末と映るであろう朝食を用意し、ナプキンを被せておきます。]
早起きの人が居なくて助かったわ。
[老婆は洗濯を片付けようと*奥に入っていきました。*]
おや、少女 アナ が来たようです。
ホラントお兄ちゃん。
きょうは、どんなおはなしをしてくれるの?
虹のねもとに埋まっている夢のうた?
ひとりきりの月の零したしずくのうわさ?
黒い森で暮らす双子のものがたり?
それとも、
それとも。
〔やがて始まるおはなしに、
まぁるい眼はきらきら光る。
楽しいことならばわくわく、
悲しいことならばしょんぼり、
こわいことならばびくびく。
それがどんなおはなしでも、何度聞いたおはなしでも、
いつでも、ちっとも、変わらない。
* アナはホラントの、いちばんの聞き手なんだから。*〕
〔朝になって、アナがやってきたのは、村の宿。
ここにはいろいろな人が集まるから、よく遊びに来るみたい。
けれども、今日は静か。
きょろきょろとしていると、ひとりの老婆が来て、机に何かを置いてくれた。〕
わあ。
ありがとう、ゼルマお婆ちゃん。
〔冷え冷えのグラスに、ほんの少しだけ緑に色づいた水。
その正体はすぐわかって、アナは頬を緩めるんだ。〕
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