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ふぅん、
[孝博の様子に笑みを浮かべるような意識、
少し探るような意識で]
孝博は、血に、反応、した?
血が、見えた時に、反応、した?
[確認をするような一語一語はっきりとした意識で]
[しばらく走ると聡と話している涼の姿、
聡にはあまりいい色の顔をしなかったが、
すぐに笑いかけながら涼の方へ]
涼ちゃん…?大丈夫かな?
ごめんね、ばたばたと。
玲ちゃんもちょっとぴりぴりしちゃってたみたいで、
涼ちゃんのこと嫌ったとかそんなんじゃないから、ね?
[フォローを入れつつ]
落ち着いてきたようですね
[榛名の様子を見て言う。やはり精神的なことで発作が起きたのだろう。当たっていなければ、常備薬やら、医者。後、榛名の親にと思考がまわっていたわけだが]
かな…もう少しだけ様子を見てからのほうが
[水をもってきた裕樹に軽く頷きながらも、傍にいるのは玲に任せ少し離れた場所に立つ]
[榛名が落ち着いてくれば、玲の感情も少しずつ治まって来て]
あ、裕樹さん。
…榛姉、お水。飲めそう?
[ベッドの傍に置かれたグラスを見ながら、そう問いかけた]
…涼ちゃん?
驚かせちゃったかしら…。
[小百合の言葉には軽く睫を伏せて。
それでもまだ少しささくれ立ったままの心は。村人以外であるという一点において、どうにかしようとは思わなかった]
へ、・・・ちょッと、史ッ
・・・・行ッちまった。
[遠ざかる背中を、やや呆然と見つめる。]
何だッてんだよ、一体。
[くしゃりと髪を掻いて、足の速度は緩めずに。]
……って……!
[明るさの理由は、丘の下までたどり着いてすぐにわかった]
なんでっ……ありえねっ……。
[丘の上、風に揺れているのは、花も葉もない桜の枝のはずなのに。
そうでなくてはならないのに。
にもかかわらず、そこにあったのは、満開の桜]
……錯覚……?
[そうであって欲しいと。過ぎる願いを嘲るように、風に舞った花弁が頬に触れた]
咲けぬ桜は、生命裂かれて花開く……。
……舞い散る紅、闇夜に舞いて、花染める。
[思い返すのは、教えられた伝承の一説。
それが意味するのは何か]
[こちらも早足で歩いていたが、もどかしかったのか先へ走っていく史人。
それに、ちっ、と舌打ちすると]
馬鹿か。何が起きてるかわからんのだぞ。
[そう言うと、左腕を庇いつつ史人の後を走っていく。]
………。
[ベッドに運ばれ横たえられ。蒼白となった顔を天井に向け寝かされる。呼吸はまだ荒いが最初よりは落ち着いてきていて。何度目かの荒い呼吸の後に固く瞑られていた瞳が僅かに開かれた]
…こ…ふん、し…ゃだめ…て、いわ…てた…に…。
…また、…んなに、め…わく、か…ちゃ…た…。
[掠れた声が紡がれる。
玲に水を飲めるか訊ねられると、僅かに首をそちらに向け、小さく頷く。水を飲むために上半身だけ起こそうと身じろいだ]
[ぱたんと手を下ろす。]
だれかと、一緒がいい。
[目を合わせてくれるさっちゃん。なんか優しいのが、嬉しい。]
―― さっちゃん、私、いらない?
あ。
……ごめん、なんでもない。
[目を地面に落としてしまった。だって、そんなこと聞くなんて、どうかしてるし。]
……冗談じゃ、ねぇ……。
[低く呟き、丘を駆け上がる。
伝えられてきた伝承。
例え家を離れても、忘れる事のなかったそれ。
それが間違っていればいい、と考えたのは、恐らく初めての事で]
……っ!
[桜の根元。
そこに広がるいろを見たとき、それは、間違っていてほしい、という祈りのようなものに変わって]
……綾……?
[桜の根元。広がる紅。その上の、真白の装束。それを纏えるのは、今は惟一人]
[近寄ってくるほかのひとの音。
目をあげたら、おにーさんって、訂正した人。]
あ。
…ご、めんなさい。
……るりおにーさん?
[言われた言葉に、頷くけど。
まだこわいのは、消えない。]
・・・・分かんねーの?
[晴美の言葉に、不思議そうに瞬いた。
庇っている様子の左腕にちらちらと目を向けながら。]
ッて、待ってってば。
[慌てたように、後ろから走り出した。]
…ん。まだ万全には通そうだが…。
安心、して良い領域なのか?
[自身よりは、詳しそうな蓮実に近付いて問い掛けた。
玲に名を呼ばれれば、少し安堵した眼差しで頷き]
…これくらいしかできなくて、すまない。
そうみたい。良かったわ。
[後の事は玲に任せてベットから離れ。
蓮実と裕樹と同じく、榛名の様子を少し離れた場所で伺いながら。]
そうね、落ち着いてきたなら大丈夫だとは思うけど…。
[玲の村の外の人間に対する感情、にも配慮するべきかとも思いながら。]
だいぶ聡になついてる様子だけども?
[涼の様子からそんな雰囲気を感じ取り]
それで聡はどこにいくつもりなのかな?
[とがめるように視線をそちらに向ける]
大丈夫。迷惑なんかじゃないよ。
…隣で怒鳴ったりして、ごめんね。
[頷きに応じて身体を起こすのを手伝おうと。
一人で支えきれなければ、蓮実の方を振り仰ぐだろうか]
うん、ゆっくり飲んでね。
[求めに応じて、そっと手に取ったコップを口元へと近づけた]
榛名さん。人というのは多かれ少なかれ迷惑をかけてしまうものなのですよ
誰であっても、一人で生きるのはひどく難しいものですからね
それに迷惑と思っていることが意外に迷惑でないこともあるんですよ
[身じろぎしながら起き上がり、水を飲もうとする榛名に、玲だけで足りずに必要ならば手助けしながら]
ああ、私は、勝手に心配して勝手にやってるだけですから少なくとも一人分は気にしないでください
[付け加えるように]
[自分と同じくらいの背の涼の頭をなでながら]
ううん、謝らなくてもいいんだよ。
怖かったんだよね?
[じっとその顔を覗き込みやさしく笑いかけて]
うん、ボクは琉璃、八幡琉璃。
こんな見た目だけど男だよ。
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