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―書庫→広間―
[咄嗟にユージーンに掴みかかったりするだろうが、それはおそらく周りの者に止められるだろう。ハーヴェイから広間で事情を話すと聞けば、渋々ながらも腕は放すが、ユージーンには不審の目を向けておく]
・・・彼女に布団か何かを掛けてやるでござるよ。
このまま放置しておくわけには参らぬ。
[重々しい口取りでそれだけ言うと、自分の部屋に戻ってシーツを持って来て掛けてやる。その後、ハーヴェイ達を追って広間に戻った。]
[自分はほかの皆の反応がどうであれ、ハーヴェイに従う。
広間につき紅茶をいれようとする様子に自分が手伝う]
……
[動いていれば少しは気分が晴れるだろうとハーヴェイは思うだろうか?
広間にいる皆の中から求められた者に紅茶を*差し出していく*]
二人似合う。
幸せ。
[邪魔にならない様多くはコエにも出さないようにしているが。一度だけそう囁いた]
残念。
[同じ場所に行かれないなら哀しいかもしれない。
アグレアスのコエにそんな事を考えたのが*零れた*]
─書庫→広間─
[素直に頷くヘンリエッタに、やわらかく笑んで]
……さ、私たちも参りましょう。
[ハーヴェイたちが移動するのに続いて、書庫を後にし、広間へと向かう。
広間に戻ったなら、ヘンリエッタは椅子に座らせて。
ハーヴェイの手つきに不安を感じるものの、シャーロットが手伝う様子にそちらは任せる事にして]
私たちにも、お茶をいただけますかしら?
[こう、声をかけ。差し出されたカップのひとつはヘンリエッタに。
自身も、カップから立ち上る香気に、しばし気を安らげた]
うれしい、アグレアス大好き…。
[アグレアスのことを信じて疑わない好意の感情をそのまま込めたコエ。
自分のことを本心でどう思ってるかとかそんなことはさぐらない。だって信用するアグレアスのことだから。]
でもこれで…ピュエリアも嘘つきやすくなったのかな?
セシリアは…仕方がないよ、だって皆のこと殺そうともしたんだもん。
同じところ、仲のいい人は同じところに送ってあげるのがいいのかな?
[あげるのは疑問の*コエ。*]
―広間―
[書庫にあるセシリアの遺体にシーツを掛けた後、皆の居る広間へと戻る。ハーヴェイ達がお茶の準備を終えるまで、広間の隅に黙って立ったまま眺めている。その瞳は何時に無く険しい。]
・・・我の分は遠慮するでござるよ、ハーヴェイ殿。
とてもではないが飲む気にはなれぬゆえ
―広間―
[マンジローがユージーンに怒りの形相で掴みかかるのはすぐ見てとれる。
間に入るにはシャーロットがいて出来なかったが、声での制止を聞き入れるだけの理性は残っていたようだった。
セシリアの遺体を労わるマンジローらより先に広間に戻った。
紅茶は結局、途中からシャーロットに任せた。その方が本人も気が紛れると思ったので。
受け取った紅茶を一口のみ、喉を湿らせてから、まずマンジローに何を話すか言葉を探す。
マンジローが険しい目でこちらを見るのは理解できたので、小さく息をつくだけだった。]
………セシリアは、人狼を殺せさえすれば、後のことはどうでもいいと。
最悪全員殺すしかないかと、そう言っていた。
全員殺せば、人狼を殺したことになるからと、口にする様は段々と狂気に囚われていくように見えて…。
こちらに殺意をむけかねない状況で、先にユージーンがセシリアを殺していた。
[そう言った後で、一つため息をついた。]
……能力者という存在を知っているか?
人狼と対になる存在、とも言われている者たちの事だ。
人狼を追い詰める事のできる特殊な力を持つ者。
それ故に人狼に近づけば自身の力に飲み込まれ、精神に異常をきたす事もある。
セシリアは、たぶんそういう類の人間だったんだと思う。
[彼女は『殺しさえすればそれが人か狼か見える』と言っていた。
それはおそらく、霊能者と呼ばれる部類の能力者だということ。]
どーしたの?
[広間の、机の近く、影になるような場所におなかいっぱいでへたっていた。
ので、起き上がって、ふしぎそうに皆を見る。]
─広間─
[紅茶のカップを傾けつつ、周囲の様子に気を配る。
セシリアの言葉──殺せば見分けられる、という部分の真偽を確かめる術は、女にはない。
だが、そう言った力を持つ者とて、立ち回りをしくじれば殺められる事もあり得るのだと知らしめた]
…………。
[能力者について語るハーヴェイの話を聞きつつ、思考をめぐらせる。
傍らの少女もまた、その力持つ者なのだろう、というのは容易に思い至る。
そして、そんな部分とはかかわりなく。
ヘンリエッタの身の安全を図るには、どうすればいいのか。
女の意識は、その方向へと強く動いていた]
・・・馬鹿なことを申せ・・・!
[自分が見ていたセシリアは、主に事件の後ギルバートと話していた頃の印象。確かに事件が起こる前の彼女とは印象が変わり、違和感があるとは思ったが、とても狂気に陥っていたとは思えなかった。]
信じられぬ・・・!
確かに彼女は人狼を倒したいと言っていた。
事件の昂奮の所為か、いつもより饒舌になっていたのは分かるが、人狼を倒すために全員を殺すだの狂気に囚われていただのと!
我は今朝の彼女の笑みを覚えておる。
子供のような、あの屈託の無い笑みを。
あれが、狂気に囚われた者の成せるものであったというでござるか!?
[ハーヴェイが伝える言葉は、あまりにも自分が持つ印象と違いすぎる物だった。知らず知らず語気が荒くなっていく。]
[味方を増やせば、少なくとも人に殺められる可能性は少なくなるか。
人ならざる者に対しては、なす術もないけれど。
ならばどうするか。
そんな思案に沈む表情は自然と険しさを帯びるか。
傍らのヘンリエッタが変化に気づき、気遣うよな声を上げるなら、とっさに笑みを作って大丈夫です、と返し]
……狂気は、時として無邪気さと似る事もありますわ。
ひとつの目的のために純粋に突き抜けていたのであれば、屈託など見えなくなるかもしれなくてよ?
[語気を荒げるマンジローに、静かな口調でこう告げる]
……それに……「人であっても今は殺さない」という言葉が。
正常な思考から出るとは、とても思えませんわ……。
……もっとも、実際にどうだったのか。
私たちには、もはや知る術もないのよね。
……その事で、言い争うのは得策ではないのではないかしら?
[続いた言葉は、ため息混じり。
広間にいる者を見回した後、カップの中を干して、立ち上がる]
―広間―
[―霊能者。死んだ人物が本当に人狼だったかどうかを知ることができる者。確か、そんなことを聞いたことがあるような気がする]
彼女がその能力者で、その能力ゆえに狂気に陥ったと、お主はそう言われるのか?
[もちろん、自分にもその話の真偽はわからない。自分としては納得のいく答えではなかったが、目撃者はハーヴェイだけではない。シャーロットもキャロルもヘンリエッタもいる。彼女らがハーヴェイの言い分に同意すれば。信じざるを得ないだろう。彼ら全員が嘘を言っていない限り]
我には、残念ながらその話を確かめるだけの知識はござらん。
しかし、あの書庫には墓守殿とハーヴェイ殿以外に3人もの人が居った。
とすれば、信じるより是非はなし。
[それは搾り出すかのごとく重々しい声であった。惨劇の夜からようやく落ち着いたというのに、こんな事で一人命を落としてしまうとは!]
……なら踊り子の君にエッタ嬢、シャロにも聞いてみればいい。
違う事を言うんだったら、俺の目が異様に腐ってただけだろうさ。
[怒りを隠そうとしないマンジローには淡々と、冷静さを含んだ面持ちで告げる。]
成せるものかといわれたら、そうだと言わざるを得ないな。
俺は彼女が子供の頃にも、何度か会っていて。
幼い無邪気な顔も、さっきの狂気も、どちらの顔も目の当たりにしたんだからな。
[とは言ったものの。キャロルが言うように実際はどうだったか。もはや可能性を口にするしか出来ない。
>>51話を聞けば、マンジローも少しは冷静になったのだろうか。搾り出すようだが納得したという声に、それ以上告げる言葉はなかった。
そう言ったあたりか。今目を覚ましたというようなトビーに気がつき、彼の問いには。]
セシリアが死んだんだ。
[とりあえずそれだけ告げおいた。
どうして死んだか問われれば、殺した相手がユージーンだと告げるだろう。
おそらくそのあたりを聞いても、トビーは動じたりはしないのだろうが。]
[起き上がってきたトビーには、セシリアのことを伝えるか少し逡巡する。だが、そもそも隠す事に意味は無いし、トビーはもう人が死ぬのに慣れっこであるらしい事は分かっていた。おそらく、淡々とした反応しか返らぬであろう]
セシリア殿が死んだでござるよ。
・・・狂気に囚われて
[ただそれだけを告げ、後はその場に座り込んだ]
[起き出してきたトビーへの説明は、ハーヴェイとマンジローに任せて、女は傍らの少女を見やる]
……エッタ様、部屋に戻って休まれますか?
一度に色々とおきましたし、お疲れでしょう?
[気遣う言葉をかけて、退室を促す。
ここでは色々と、落ち着かぬだろう、と思ったから]
……ハーヴ殿。
後で、ちょっとお話したいことが。
[立ち去る間際、ハーヴェイに小声でこう告げてから、広間を出て、二階の客間へと向かい。
ヘンリエッタが休むのを見届けたなら、自身も休息を取るだろう**]
[セシリアの話を聞いて、不思議そうな顔をする。]
死んじゃったの?
人狼に殺されたの?
それとも、病気?
誰かが蹴った?
そういえば、ええと。アーヴァインさん?も、捨てた?
セシリアさんも、捨てる?
[誰に、とかは聞かなかった。
ただ、虫がわいたら汚いよ、と。]
・・・申し訳ござらぬ。
[キャロルがヘンリエッタをつれて広間を出て行くのを見れば、うつむいたままそう呟く。
確かにここで確かめようのないことで議論した所で事態は悪化しかしないであろう。]
ハーヴェイ殿と墓守殿にも、迷惑を掛けた。
[その場にいれば、ハーヴェイとユージーンにも謝るだろう]
[聞いてくるトビーにはかすかに頭を振り]
セシリア殿は・・・狂気に囚われ、人狼を倒すために我ら全員を殺すと言い出したそうでござる。
そのため、墓守殿がその前にセシリア殿を刺したでござるよ。
童っぱ、死体は捨てるものではござらぬ。
ちゃんと穴を掘って埋葬するでござるよ。
全てが終われば・・・
[もっとも、そういう自分自身も、戦場で捨てるほどの死体を見たことはあるのだが]
[キャロルに声をかけられれば、普段であれば茶化すのだが。流石に今は口にする気もなく。]
ん、分かった。後で部屋に行く。
[微か笑みながら、こちらも小声で短く返した。
出てゆくエッタと、キャロルを目でのみ見送り、トビーの悪意なき言葉には、更なるため息が出るだろう。
説明するのはマンジローが先に口にしたので任せた。ユージーンが人狼かどうかは答えない。
捨てるかどうかには、軽く首を掻いて、やや首を傾けながら。]
そうだな、土に埋めて、大地に返すのがこの辺りの通例みたいだし。
[埋葬に同意するように、呟いた。
マンジローの謝罪には、ゆるく左右に首を降る。
しかたないとも、気にしないとも、*うけとれるように。*]
セシリアさんが死んじゃったのがいちばんで、狂ってるとか、そういうのは大切じゃないと僕は思うよ。
だって、死んじゃったら何もできないし。
[マンジローの言葉に首を傾げる]
殺されるなら殺しちゃっていいと思う。
まいそう?
土にうめるの?
不思議なんだね。たいへんだと思うのに。
[トビーの返答は半ば予想通りのもので。嘆息しながらも、一方ではこのような状況ではひょっとしてトビーのような考え方が一番精神に負担がかからないのではないか。そんなことすら考え付く。]
殺されるからといって、いちいち相手を殺していたらきりが無かろう。
どこか出られぬ場所に閉じ込めるとか、方法は色々あろう。
人狼ならば殺すしかないかも知れぬが・・・
[嘘だ。
かつての故国は、確かにそんな世界であった。裏切りと戦が日常茶飯事で、親子兄弟でも殺しあう。何処も同じなのだと考えると、ますます気が重くなるように感じた]
少し・・・夜風に当たってくるでござるよ。
忘れ物も探さねばならぬし
童っぱも今日はもう遅いゆえ、早く寝るでござるよ。
[ふらりと立ち上がると、庭へと歩き出した。そう言えばあの樹の下に編み笠を忘れてきてしまっていた事を思い出す。もしかしたらもう残っていないかもしれないが、そんなことはどうでも良かった**]
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