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やっぱり、見つけた、のか……
[エーファが零す言葉>>56にぽつりと落とす]
君は君の役目を果たしただけだよ。
だから、思いつめなくていい。
[そう言って、その先はエーファとイヴァンが話すのを耳だけで追いながら、倒れたカルメンを見つめる。
血の気のなくなった顔は、それでもまだ僅かに体温を残していた]
カルメン、このままにしておくのも可哀想だし
部屋まで連れて行くよ。いいだろう?
[雪の上では冷え切ってしまう、と、そんな心配はいらないのにそう思って
慎重に、丁寧に抱きかかえ、屋敷の方へと足を向ける]
二人とも、風邪を引かないうちに戻った方がいいからね。
[そんな風に言い残して。
腕の中のカルメンは、思っていた以上に軽かった。*]
―屋敷の中―
[カルメンを抱えて、彼女が使っていた部屋へと運ぶ。
どこかわからなかったから他の部屋まで覗く羽目になり、途中でライヒアルトの亡骸を見て目を伏せた。
部屋を探し当てたなら、他にならって床へと降ろし、手を組ませて簡単にシーツで包んだ。
こうして見ると人と変わらないのに。
そんな素振りも見せていなかったのに]
でも、これでもう君は、誰も殺さずに済むんだね。
[生き延びて欲しかった、だけど、これ以上殺して欲しくもなかった。
結局は、これでよかったのかもしれないと、そう思わなければやりきれないから]
おやすみ、カルメン。
[最後に残すのは、感情を抑えた声、一つ]
……どうしたいって?
[逆に問いかけられて、表情を歪めながらくつりと笑う。
嘲笑するようでありながら、苦笑にも見える顔]
今更じゃねーか?
俺はもう何人も喰ってる。
自分を犠牲に出来るなら、とっくの昔にそうしてるさ。
[生きることを諦めたくないと。
そう決めたから躊躇うのを止めた。
衝動に流されながらも後悔するのを、止めた]
俺達は生きるって決めたんだ。
[喩え誰を犠牲にしようとも]
[カルメンは、と問われると、歪めていた表情が曇る]
……さっきから聲が聞こえねぇ。
聞こえてりゃ、必ず返ってきたのに。
[嫌な予感ばかりが過ぎり、オトフリートの部屋を出た後はカルメンを探していた*]
―広間―
[カルメンを安置して広間へと向かえば、そこにはお茶の用意をするユリアンの姿があった>>50]
おはよう、ございます。
暖めておいてくれてありがとう。
[そんな風に礼を言えば、言い難そうに顔を曇らせ話すのを聞いて]
ええ……イヴァンから聞いて、今上に行ったついでに覗いてきました。
それと……カルメンが死にました。エーファが……
エーファが言うには、カルメンは人狼だったそうです。
[そう伝えてソファーに腰掛け息を吐いてユリアンを見る。*]
カルメン────
[名を呼ぶ] [返る聲はない]
───── カルメン、
[返らないと分かっているのに、呼ぶのを止められない]
エーファ、 他に、誰が人狼かとか、見つけたのか?
[エーファには問いをもう一つ投げかける。
その答えを聞けたなら、オトフリートの勧めに倣い、エーファも促して屋敷の中へ戻る心算*]
─ 庭園 ─
[思い詰めなくていい、という言葉>>58に、更にきつく唇を噛んだのは条件反射。
そうしないと、叫び出してしまいそうだったから。
叫びの代わりに落ちるのは、強く噛み過ぎて切れた事を示すあかいろ。
黒猫が案ずるように、にぃ、と泣く。
運ばれて行く姿を見る事はなく。
イヴァンに問い>>67を向けられると、どうにか口を開いた]
…………ユリさんは。
ひと。
ライヒアルトさんと、ユリさんは、陽のひかりの下に、いた。
[ぽつり、と問いに答え。
中へと促されると視線を落とし、あかに染まった手をじ、と見た]
…………着替えて、くる。
[ぽつ、と落とす呟きは短く。
直後、その場から駆けだした。*]
[オトフリートが平静そうだったので、遠慮がちに質問を追加した。]
……あのう、変な質問だと思われるかもしれませんが……、
人狼は誰だと思っています?
カルメンさん?
それとも、他に?
[問いながら、ユリアンが来て説明してくれないだろうかと思い、広間の出入り口へちらちら視線を向ける。]*
─ 庭園 ─
[想いを背負い込み過ぎているように見えるエーファの唇から紅が落ちる>>68。
堪える感情を具現化したかのよう]
エーファ、血。
[指摘して手を伸ばし、彼の肩に手を置こうとする。
次いで、問いの答えが返り、エーファが視た二人の名を得た]
…そっか、分かった。
ひとまず中入ろう。
……でも、エーファが探せるってんなら、ユリアンはなんだったんだ?
アイツも誰が人狼なのか分かるっぽかったんだけどな。
[中へと促した後に呟いた疑問。
着替えると言って駆け出したエーファには届いたのかどうか。
走り去るエーファを見遣ってから、イヴァンもまた屋敷の中へ*]
─── カルメン、
死なせたくなかったのにな。
[同じ境遇に立ち、数日を過ごした相手に対する仲間意識は強い]
[その分、喪失感も]
―回想・客間で―
[こちらが知っていることを、イヴァンも薄々気付いてはいたようだった>>61
どこまで納得したかはわからない。男自身、自分がそうなるまで御伽噺と思っていたのだから]
「場」について前から知っていたのは本当だよ。
でも、こんな事になるとは思っていなかったな。
なんだろうね、君たちを死なせたくないって思うから黙ってた、って感じかな。
[光の者が人狼を狩ろうとするように、闇の護り手は人狼を護ろうとするのだろう。
それが何故か、正しいのかどうかもわからずに]
[どうしたい、と短く向けた愚問。
それに返るのは、ある程度は予想通りの答え>>62]
生きる事を諦めていないなら、いいんだ。
人狼だから死んでくれ、なんていわれて、そうですかなんて言える人はいないと思うよ。
[彼らの中に強い意思がある事を知って、笑う]
「場」が壊れたなら、人を食べたいっていう衝動も収まる筈なんだ。
[だからどうか、それまで見つからないで欲しいと、願うのは胸の内だけに止め。
カルメンの「聲」が聞こえないと言われたならいぶかしむのは少しだけ]
何か、あったのかもしれないな……
[その予感が当たるのは、それから少し後の事。*]
―庭園―
[カルメンを運ぶ用意をしながら、ふと見ればイヴァンが感情を押さえ込むように手を握りこむのが見えた>>65
今は抑えて欲しいと思う。
願いが届いたか、次にこちらに向けられたのはどこか穏やかな願い事>>66]
いいよ。
カルメンとも約束していたからね、演奏を聞かせるって。
落ち着いたら声をかけてよ。
[必ず、と約束をしてカルメンを運ぶ。
残る二人も、すぐに戻ってくるだろうと思いながら。*]
[話している途中で、あることに気づいた。]
じゃあ、今ここに残っているのは4人?
オトフリートさん、イヴァン、エーファ、ぼく……。
人狼はまだいるんでしょうか?
『場』が終わったかどうか、いつわかるんですか?
[オトフリートから答えはあっただろうか。]*
─ 庭園→自室 ─
[短い指摘に蒼が瞬く。
自分を保つ事に意識を向け続けていたから、肩に伸びる手には気づけなくて。
かかる重みに、びく、と小さくない震えが走った。
その場から駆けだしたのは、触れられている状態から逃げだしたい、そんな気持ちも少なからずあった]
…………わかんない、よ。
[自室に駆け込み、は、と息を吐いた所で零したのは小さな呟き。
それは、駆けだす直前に届いた疑問への、率直な答え]
わかん、ないけど。
……信じたい、よ。
[力がひとだから、と示しただけではなく。
祖父を亡くした時に向けてくれた言葉が、嬉しかったから。
だから信じたい、というのは偽らざる思い]
[ふる、と首を振り、手にしたままの短剣を見る]
……ちゃんと、手入れ、しないと。
[血の付いた刃物は、ちゃんと手入れをしないといけない、というのは、薬学の師からの受け売り。
もっとも、彼の人が示したのは治療道具の事だったけれど]
……やんなる、よなぁ。
これが、形見になっちゃうとか、さ。
[祖父がこれをお守りと称した意味は、今なら何となくわかる。
零れた声が震えているのを感じ取ると、ぶん、と頭くを強く振って刃に着いた血を拭い。
それから、着替えを持って部屋を出た。
向かう先は大浴場。温かい湯を使って血を落とし、返り血のついた服を着替えて。
銀の短剣は、相変わらず上着の内にしまい込んで]
……いこか、モリオン。
[待っていた黒猫に呼びかけ、歩き出す。
どこに行こうか迷って、結局は、人のいそうな広間へ向かう事になるのだけれど。*]
―広間―
[ユリアンが入れてくれたお茶に礼をいい>>69、こちらが今見てきたことを提示すると、ユリアンはやはり酷く驚いた様子で。
口論でも、と言う言葉に、彼は知らなかったかと軽く首を振って]
エーファは「誰が人狼かわかる」力を持ってるらしい。
『幻燈歌』の「見出す者」がエーファだったんだ。
それで、カルメンがそうだってわかったらしい。
[そんな風に伝えるべき事実だけを伝えてお茶を一口飲んで
その後に続けられた質問>>70には、どこか困ったような表情を浮かべた]
エーファを信じるなら…彼がそういう嘘をつくと思えないから信じるけど
人狼はカルメンだろうね。
[まずはそこだけを確定のように言って、ユリアンが残りの人数に気付いて問いを重ねる>>75のには、考える「ふり」をする]
─ 厨房〜広間 ─
[オトフリートとのやりとりの間だったか。
彼か、あるいは広間へやってきた者が空腹だと言えば、
厨房へ赴き、自分で作った魚の香草煮を温めて深皿に盛り付ける。]
我流ですが…ぼくも一人暮らしなので。
[謙遜の言葉を添えてテーブルへと出すだろう。]*
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