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そうなる。
「ブリジット=エメス」はあれの名だ。
[隠し立てをする気は、やはりないようで。
あっさりと肯定の頷きを返して、口唇が薄く笑みを形づくった。
能面のようだった。]
よかったな。
足手纏いが、いなくなって。
「弧狼」たるもの、他者の存在など邪魔だろう。
中途半端に情などを抱くから――ああなる。
ヴォルフ=シュトゥルムヴィント。
「惜しかった」な。
[ただ単に、知っている。
その一言だけでは、済ませられないような、物言い。]
/*
>>+24
アンデッドモードの墓下なんて
好き勝手動いて、狼かき回してナンボなんだゼ?
と、勝手に持論をほざいてみます。
*/
/*
まあ、私とシリウスの赤相手なら、
多少どころでなく無茶してもどんと来いだと思います。
それじゃ、絡めそうな場所あれば、回想で乱入します、が、
時系列を表と同じにしておきたければ遠慮しておきます。
*/
……なるほどね。
[ならば、この変化にも、納得は行く。
自壊した、という言葉の意味するところも、ある程度は]
……「足手纏い」……ってのは、イレーネの事か?
だとしたら、そこら辺は大きなお世話……とだけ言っとく。
[静かに言い放ち。
含むものを感じさせる物言いに、す、と細められる蒼]
惜しかったのなんのと……何が、言いたい。
いや……何を、「知ってる」?
−L−
[ほぼ一晩の睡眠の中で、青少年は何を夢に見たのか。
ぼんやりとした眼、欠伸をひとつ。
扉のあたりでかりかりと音がするのは猫のせいだろう。
出せー、出してー、出してくださいー。
にゃー、にゃー、にゃーん。
そんな感じだろうか]
…お前はいいよなぁ、気楽で。
[ふわ、と小さく欠伸をして。
猫を外に出そうと扉を細く開けてやれば猫はてちてちと足音をリノリウムの床に響かせて廊下のどこかへ消えていった]
…。
[消えていった後姿を見送れば扉を再び閉める。
しばらくすれば、水音が部屋の中に響いた。
そして、またそれからしばらくするとしっとりと濡れた髪をタオルでわしわしと荒く拭く姿が見えた]
生きてここを出るには、勝ち残るしかない。
にも関わらず、他者を気にかけるとは――ね。
[それは、眼前のアーベルの事を指しているのか、
それとも他の誰かの事を言っているのか、
どちらでもあるような、酷く曖昧な響きを帯びていた。]
……そのままの意味だ。
情に流されなければ、
むざむざ負ける事もなかった、という意味だよ。
約束を違えず、貴様らの元にも戻れたろうにな。
あの男は。
[ベルトから外した鞘を、手の上で躍らせる。]
[地上へと続く扉に手を掛けて、ふいに視線を上げた。
珍しいとも思うべきか、己を呼ぶ声が響く。
直接耳へと届く韻に、緩く瞬いて]
――嗚呼、もういないんですか。
[抑揚の好きない声に、ぽつりと呟いた言葉が
端末へと括られた碧の紐に繋がる鈴が拾い上げる。
感情の色は、見えない。]
…そうでしょうね。
「不要品」は棄てられて、終わりだ。
きっと何の未来も無い。――それでも。
レールを外れた所で、行き先が無いなら。
…選択肢は、一つしか無いでしょう。
[静かに、紡ぐ。その響きには、珍しく苛立ちの色は見えずに。
自らに言い聞かせている様にも、――何処か、諦めにも似た。]
元々、棄て置かれていたにも等しい身が、
…縋りつくには、此の道しか無いんですから。
……情に、流されて……。
[掠れた呟き。刹那、蒼は伏せられて]
……馬鹿兄貴が……。
[零れた言葉は、どこか、吐き捨てるような響きを帯びる]
……あんっまりにも「らしすぎて」、怒る気にもなれやしねー……。
[ばさり、大きな音を立てて、銀翼が羽ばたく。
人の姿であれば、前髪をかき上げるか、でなければ肩を竦めるか──そんな仕種だろう]
/*
突然、ぶりじったんへお返し。
時空列的には、現在に近いかも?
イレぽんと会話→地下でゴタゴタ→いまここ
みたいな感じで!(適当ですね)
リーチェと戦うなら、このまま上出てってぶち当たりたいんだけど
……本人いねぇー!
*/
−回想:地下・スペースb−
……何をしているのだか。
[靴音は小さい。
地上に戻るには、メディカルスペースの傍を通る必要がある。
当然の、二人のやり取りは聞こえた。
呆れたような響き――けれど、感情のいろは薄い声で呟く。]
貴様も他人の事は言えまいに。
おかげで、
――やりやすかったがな。
[ブリジットならば、端末でそうしたように。
鞘に収めた刃を、口許に当てた。]
……だから、大きなお世話だってんだ。
[そも、ここに連れてこられた経緯からして、人質を取られたがため。
そしてここでイレーネと会って……動きに鈍さが出ていたのは、否定できず。
声は、憮然とした響きを帯びた]
……って。
やりやすかった?
[何が、と問いつつ、訝しげな蒼を、向けて]
…さて。
[グローブをはめれば窓からひょいと飛び降りる。
ざ、とブーツが地面を踏みつけたのはそれからしばらくもなかった。
ポケットの端末を接続して現在の状況を確認しながら足は南へと向かう。
瓦礫の谷間を抜けてブーツが礫と砂とを半々に踏む頃には空に月が昇って]
−→中央〜南域境界地帯−
だから、そのままの意味だよ、
アーベル=シュトゥルムヴィント。
“やりやすかった”ゆえに“生き残れた”。
おかげで、私は今――こうしてここにいる。
[細めた冬の緑は、月のように。
隠された口許もまた、同じか。]
感謝せねばなるまいな?
破壊行動を起こすな。
騒がしい。
[嗜めるというよりは、面倒くさそうに。
ティルとユーディットを順に見て、腰に手を当てた。]
……ああ。そ。
[冬の緑の、月の笑み。
それを、銀に包まれた蒼が見返す。
冬の海の色ね、と。
彼を育てた姉は言っていた]
お役に立てて何より……とでも言えばいいのかね?
[吐き捨てるような言葉。
声音にあるのは、微かな憤り。
それがどこへ、何を意味して向くのかは、定かではなく]
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