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なんで、なんだろな。
見えて、触れないのって、寂しい、よな。
[少しずつ、大人しくなっていくカルメンに向け、できるだけ穏やかに言葉を紡ぐ。
見える、という事に無邪気に喜んでいた姿を思えば、反動が大きいのは容易に知れた。
泣き疲れの様子が見えてきたなら、そう、と身体を起こして支えようと。
いつの間にか肩にやって来た鸚鵡が、案ずるようにくるる、と鳴いた]
すみません。
気が付かなくて。
止められませんでした。
[俯きがちなり、小さく謝罪の言葉を紡ぐ]
今は、お二人とも――外に。
フォーサイスさんは、「洗ってくる」と。
[合点が行った後も、ロミルダがカルメンのように泣くことはなかった。
ただ眉の下がった顔でうつむいて、しばらくはそのまま*入口で佇む*]
そーみたい、ね。
それもカーラちゃんにとっては最悪の形でさ。
[ゲルダの呟きには、ほぼ感情を孕まぬ声を]
あぁ、ゼルギウスか。
しかも、それじゃまるきり無、
[無駄死に。
言いかけた言葉は、流石に飲み込む]
人と人が……、ですか。
片方は人狼だったかもしれないとは、お考えにならないんですね。
[揚げ足取りのような台詞を、ハインリヒに向けた]
…………。
[ゲルダの言葉に、一つ、瞬く]
……そ、か。
[言えたのは、それだけ。
理由はわからないし、わかったとしても納得できるかわからないし。
……何より、今、取り乱したら、という気持ちも少しはあって。
ただ、無言できつく、唇をかみ締めた]
ふぇ…クーリェ、みえる、のに、いない…。
みえる、のに、さわれ、ない…。
…ふぇええん。
[泣き方も大人しくなって行き。
ユリアンに身体を起こされるも、身体に力が入らない]
……クーリェ、じんろー、ちがぅ、のに…。
[小さく呟き、ロートスの声を耳にしながら。
泣き疲れたカルメンの意識は闇へと*落ちる*]
外、か…
[窓の向こうを見る。もちろん見えることはないが]
ダーヴィッド?
[どこか不自然な彼の言葉を拾って]
……誰がそれかわからないのに?
クロエがそうなら簡単には死なないだろうし、ゼルギウスがそうなら…そんな殺し方はしないだろう。
[ゲルダの言葉に、自分が考えたことを伝えて]
始まってしまったら。
もう、止まらないんでしょうか。
[抑揚薄く、口にする。
嘆くカルメンに視線をやるも、声はかけられなかった。
戻した視線はダーヴィッドへ。
何を言おうとしたか勘付いたか、咎めるような眼差しになった]
ん、まぁ、俺としてはゲルダちゃんまで巻き込まれるよりはマシかな、とか思うし。
謝る必要は無い、と思う。
ん…、そっか、外か。
教えてくれてありがとな。
[柔らかな声を紡ぎ、手を上げかけるも]
な、撫でようにも撫でられないな、これは。
[首の座らない赤子を抱えては、どうしようもない]
そういうものなんですか。
人狼って。
[簡単には死なない。
初めて知ったと、小さく漏らした。
それ以上の追求の言葉は紡がなかったが、疑いを解いた素振りも見せない。
そんな様子を、ロミルダがどう見ていたか――或いは見ていなかったか、どちらにしても、わかりはしないけれど]
撫でなくて、良いです。
こう見えても、もうすぐ20なんですから。
[赤子を抱えたダーヴィッド。
近くでじっくりと見るのは初めてだった]
……預かりましょうか。
代わりに、と言ってはなんですが、外、お願いできますか。
ノイマンさんには申し訳ないですが……あまり、見たく、なくて。
[ちら、と眼差しを落とすのは、ロミに向けて。
知る力を持つのなら、なお一層、責任を感じているだろうか、と]
…うん?
[名前を呼ぶハインリヒと、咎める眼差しのゲルダ。
ただ曖昧に笑って]
ゲルダちゃんは、止まってほしいの?
止まれるの?
――…エーリッヒのこと、諦められるの?
[いっそ柔らかさすら覚える声で問い掛ける]
……なんならオレが預かろうか?
[赤ん坊を抱いて何か言ってるダーヴィッドに、冗談めかして言う]
[実際には受け取る気はないけれど、壊しそうだから]
……ただでは死なない、って意味さ。
[ポツリと。
それをゲルダがどう受け取るかまでは知らないが]
[ぽんぽん、となだめるように背を叩いてやる。
その内に、聞こえた呟きに、一つ、瞬く]
……クロエは、人狼じゃ、ない……?
それって……って、あ。
[問うより先に、カルメンは意識を失い。
腕に、重みが預けられる]
……ま、仕方ない、か。
俺、カルメン部屋で休ませるよ。
そうだね。
そうだと、良い。
[人であって、人ではないもの。
紡ぐ言葉は本当であって、嘘でもある。
ちらりと、入り口の傍に佇む、少女を見た]
それは――…
止まって、欲しいですよ。
諦められる、って。
[エーリッヒ。
その名が紡がれると、自然と、眉が寄ってしまう。
ターコイズグリーンの眼が伏せられて、微かに揺れた]
なんですか、いきなり。
なんの、関係が。
……男性は子供の世話をするより力仕事をして下さい。
[申し出るハインリヒに、そんなことを言いやる。
彼自身に視線を向けはしなかったが、呟くような言葉は届いた]
それは、怖いですね。
[返す言葉は、短い。
どう捉えているかわからない言い様]
……クロエは、って…
[僅かに耳に届いたそれを問う間もなく、力を失くしたカルメンを見て。
部屋に運ぶというユリアンに頷いた]
あぁ、そうしてやってくれ。
頼むな?
[そうして、ゲルダに問いかけるダーヴィッドを訝しげに見つめて]
[何も言わず、ただ見つめるだけ]
子供扱いしてるつもりは無いんだがねぇ。
[ただそんな時にも、微笑んでしまうから。
揶揄うようにも聞こえるかもしれず]
この子、今、ローザちゃんから預かったばかりでね。
すぐに渡すと信頼に関わりそうだし。
寧ろ、ハインリヒのにーさん。
クロエさんをよろしく。
……赤ん坊と、新鮮な餌と。
どっちが、危険かなぁ。
[ぼんやり、究極の二択だ、などと思った]
深い夜じゃないだけ、マシだけれど。
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