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[イレーネに何ができるのか。その辺りは一切知らない。
ただ……そう、考えないことに決めたはず。
行ったところでなにができる。と。無力ではなく有力にするには、自分はそこには行くべきではない。
だから……]
無事でな
[そんな呟きだけ残して...は使用人達が庭園を見守る中一人、上へと]
[外より差し込む、煌めき。
照らし出される顔に浮かぶ微笑。
口唇が象りし三日月は、艶やかに。
細めた瞳もまた、月の形を描こうか]
お断りします。
[短く、拒否の言葉を発して、窓辺に立つ。
風もないのに、黒橡の髪が――
否、闇を溶かし込んだ漆黒が、尾のような裾が、靡いた]
―――…ーリ、…っ
[呼ばれる名に、僅かに其の身体がびくりと揺れる。
金の青年へと向ける視線は、僅かに蒼が滲み。
しかしギリ、と奥歯を軋ませながら
右手の中へと形作られた紅い刃は、未だ消えることは無く]
[振り下ろすように放たれた赤の刃は、
真直ぐに、窓際へと佇む執事へと向かう]
[布に包んだ物をもち、妙な昂揚感を抱きながら、人気がない二階…三階。
そういえば三階までくるのは初めてだな。と誰に聞こえるわけもなく呟きつつ
庭園の……蒼い魔がいたところの位置と三階の部屋の位置とを把握して、そこに面している部屋へと足を向ける。
そこは他の場所より大仰な部屋。なんの因果か邸の主の部屋。
扉に鍵がかかっているのを確認すると、ポケットからクギを取り出し、カチャカチャと動かして、あっさりと開ける。
転職するなら泥棒だな。などと馬鹿なことを考えながら、明かりを灯すことなく部屋へと足を踏み入れる。
眠りにつくギュンターに部屋に入った失礼を。という意をこめて一礼し、部屋の奥へ。]
[応えた。
なら起こせる。
それは半ば、確信か。
自分は、確かに真白の妖精との契約に救われてはいるが。
それでも、決して短くない時間を魔と共存しつつ、自身を失っていない。
だから]
そのまま、魔の依り代になるのは、お前の本意じゃなかろう!?
起きろ、アーベル!
[叫ぶように呼びかけつつ、赤い刃が執事に向けられる様子に、舌打ち一つ]
[部屋の奥の…最初は窓から。と思っていたが
張り出したバルコニー。そこに通じるドアを開ける。
夜気が肌に張り付くような冷気となって己が身を包むが、それを無視して、バルコニーから下をそっと覗く。
多分ここは、主がこのバルコニーから庭園を見渡せるように造られたのであろう、大層見晴らしがいい。
……なんとも御誂え向きだ。布を外し、弓と矢を取り出しながらそう思う。
さて、この矢が逸話通りで、しっかりと造れているのならば。これは人を傷つけるものではなく、魔を滅するものだという。
といっても、それは魔が既に同化していたりすると無意味らしいが、そのような御託はどうでもいい。
単純に起こりうるのはいくつかのこと。
アーベルは死なない。魔は死ぬ。
アーベルも魔も同一の存在であった場合はどっちも死ぬ。
逸話は逸話だったらすでに無意味。
自分の造り方がおかしくても無意味。
射れなかった場合は……まあいいや。]
[窓枠に手をかけ、身体を倒すようにして刃を躱すも、
完全に避ける事は叶わず、それは頬を掠め、髪を削ぐ。
鮮血が舞い、漆黒が散った。
しかし執事は臆する事なく、窓辺を蹴り、魔へと向かう]
……下手をすると、制御が利かなくなりますゆえ。
[紡いだ言葉は、この場には似つかわしくなかったか。
指を鳴らすと、髪を纏める金の輪が外れ、広がりゆく闇色]
[階上へ向かう青年が自らに向けた言葉など知る由もない。ただ蒼に視線を向けるのみ。]
[身体を離れた魂ならば、今なら多少の干渉は出来るかも知れないのだが。身の内にまだ残る魂へと触れるには及ばない。]
[傍らの金髪の青年の声に紅は暫し閉じられる。その声にせめてもの祈りを添わせるように。]
[大きく造ってしまっている弓と、そして同じく大きく造ってしまっている矢を装填。
体格的には扱うのはぎりぎりといったところだろう。
ただ普段の自分にそれを引き絞る力はない。
ならばどうするか…それは簡単]
普段通りじゃなきゃいいだけ…あいつらと一緒
[ま、俺は人間だけどね。なんて続けながら。
定めた射場に立ち、軽く構え…変わる。
それはいつも自分が物を造っている時と似て非なる。
常ならば無心になって、物に考えていたものを吹き込むのだが…無心になって無心の自分に何かを吹き込むことも...にはできた。
それが人の域の芸当ならば。
ただ、それは酷く負荷が大きい。それが、己のキャパシティーを超えていれば尚更のこと。
そして...が吹き込むは本に載っていた守護者の姿。
筋肉が不自然に隆起し……負荷も当然かかる]
騙りは代償が大きいのは仕方ないか。
……、
[薄く開いた口唇から、僅かに音が零れる。
呼び声に応える様に、左眼が、僅か蒼へと染まり。
微かに身体を震わせて反応したのは魔か、それとも]
―――…っ、させるか、…!
[青年の物より聊か低いその声は、何処に向けられたのか。
中を呼び起こす声に、窓辺を越えて近づく足音に、ぎりと歯を噛み。
金と、真白の精霊を睨む右眼は紅く染まる。
僅かに後ずさるその魔が、弓矢を番える青年の存在に気付くことは無く]
[だが…今ならこの長弓も引ける。まるで引き絞れなかった長弓をあっさりと引き絞り、構え、引き、下の庭園の…標的へと狙いを定める。普段よりも増された視力がアーベルを捉え、彫刻のように止まる。タイミングを計るために
それに動いていない間は負荷もやや収まる。
もう既にかなりきつい、三本も矢を作る必要なんてなかった。一本射ただけでどう考えたって二度はない。
体を針で突かれるような痛みに熱。
それを強情にも無視して…射場にたった射手は待つ]
[睨みつける紅を、翠も、そして真白の真紅も臆する事無く見返す]
……御せぬものに固執すれば、滅びを招く。
アーベルを解放し、オルゴールを手放した方が、身のためだぜ?
[静かな言葉は、遥か上で煌めく銀の存在に気づいてのものか、それとも]
[土を踏み][歩を進める]
[背に揺らめく漆黒は翼にも似て]
[ざわりと音を立てたのは庭園の樹々か]
[モノクルの奥の孔雀石は緑から色を変え始め]
オルゴールを、皆様の魂を――
そして、アーベル=シード様をお返し頂きましょう。
[紡がれる声はいつものテノールよりも低く]
[右の手は頬の緋を拭い、紅い舌でそれを舐め取る]
[甲の刻印は淡く光るも、その輝きは益々昏く、闇を孕んで――]
[彼方より此方を狙う銀の存在に]
[己が存在すら危くする物である事も]
[或いは気づいていたのかもしれない]
[けれど、歩みを止める事はなく]
[開いた眸はやはり紅。動揺する蒼の紅が僅かながら戻る瞬間を、しっかりと捉える。]
戻って。
――戻して。
[風に載せるような言の葉は魔に向けたのか、青年に向けたのか。或いはその両方か。]
[銀灰の下の紅は微かに揺れる。]
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