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[部屋に戻っても、すぐには休まず。
窓を開け、空を見上げる]
書のもたらす、終焉。
俺は……いくつ、視たんだっけかな……。
[かすれた呟き。
不安げに視線を向ける相棒に、心配するな、と笑いかけてから、窓を閉め。
*やがて訪れる眠りの淵に、沈み込む*]
−→北東の森−
[アマンダは目覚めた千花を左肩に乗せ、食料を手に朝焼けの森を目指す。隠匿の為の食料を土に還すことは簡単だけど、せっかくの恵みは森へと還したいから。
ついでに千花に運動させようと言う目的も、無きにあらず]
…ん、緑の匂いが…濃いね。
ティルが…居てた?
[葉と土の間の大地を踏みつつ、ゆっくりと歩く。
千花は重たげながらも、短い距離を滑空しながら、先を行く]
―朝/Kirschbaum―
[...はソファーの上で目を覚ます。
うつらうつら作戦会議の話し合いを聞いていた記憶があるが、いつソファーに移動したかまでは覚えておらず]
あれ……は、な?
[寝ぼけた声でぼんやり呟く]
[開いた窓からひらひらと舞い込む桜の花びらたち]
―再び北通り―
[遺跡へと続く北通りは、今日も冒険者で賑わっている。
昨夜、ブリジットと遺跡へ行ったおりに感じたものは、未だ不安定に揺らぎ続ける場と、揺れだけでなく、引き寄せられる感覚。引き込もうとする力。
――何処へ向かって?]
[書を失ったことに関わりがあるのか、結界が破られたことによる反動か。]
[奪われたものを取り戻そうとしているのか。]
それとも―――
[略奪者の、意図か。]
[なんであれ、あの遺跡にはまだ何かが存在している事は間違いないだろう。]
[ベアトリーチェと別れ、そのままふらりと散歩に出た。
あぁ、西の通りでお年寄りの焔が今にも消えそう。
その少し南の方には、新しい生命が誕生する。
神経を研ぎ澄まし、町中の生命を感じながら、ゆったりと散歩をする。
自然と足は、北東の森と墓場の方へと向かっていた。]
→北東の森・墓場へ
[アマンダは所々で立ち止まり、幾つかの果物を残していく。
前と同じ場所には置かない。餌付けしているわけではないから。
森の入り口に戻る頃には荷も無くなり、千花のお腹もそれなりに?]
さて、図書館に、行こ…あ。…忘れてた。
[アマンダはやってくる人影に瞬いて、代金未払いを思い出す]
[ユリアンの手のひらの薄紅の欠けらが再び風に舞い、ふんわりと窓から飛び出していった]
[しばらくぼうっとしていたが、ハインリヒの伝言を聞いて、事務所に向かう]
[ただなんとなくその前に、桜がとても見たくなって、西の外れまで行き、桜の木の上に登って*ぼんやり*]
[静かな風に髪を撫でさせていると、森の入り口あたりに見覚えのある一人と一匹の影が見えた。]
こんにちは。
[相変わらずの無表情で挨拶をする。
アマンダはちょっと前に見た時よりも、幾分か元気そうに見えた。]
―北通り―
広場で。変な感じ。
………それだけで分かるのは犯人くらいしか居るまい。
[冒険者向けの酒場、通りに面したテラス席で、往来を眺めながら思索に耽る。
夜ともなれば屈強な酔漢と野卑な笑い声、冒険談が溢れる酒場だが、昼は精々が喫茶店の趣だ。]
[アイスティーのグラスの中、ストローで押して四つ切りのレモンを沈めた。氷が押し上げられた。]
…同じような気配が遺跡の何処かに。
手掛かりになるようで、全くならん。
全く…。
「チッ」
[千花はイレーネの姿を見て、定位置を離れ飛んで行く。
アマンダは照れくさそうな気まずそうな曖昧さで手を上げて挨拶]
や、どうも。
ごめんね、代金。忘れてた。
[懐の財布から、銀貨を幾つか取り出して、渡そうとする]
[銀貨を見て、首を振った。]
コレは、爺が纏めて集金に行くから。大丈夫。
[千花にそっと手を伸ばそうとする、が。]
…?焔が。
[首を軽く捻って伸ばしかけた手を一瞬止める。
が、再び手を伸ばしてみる。]
[千花は上手に着地して、伸ばされる手を円らな目で見る。
逃げようとはしない。けれど、生物としての命の焔は無い。
あるのは精霊としての純粋な力。
それは、首輪の透明なとんぼ玉に封じられた小さな欠片達と、腹部の袋の中の一際大きな何か。
それはアマンダの首飾りの玉の中の欠片と、同じ存在(モノ)]
ううん、持ってて?
渡せるか…わからない、から。
焔?
[アマンダは曖昧な笑顔で、銀貨を渡そうとする。
その手の先、千花を見て、イレーネを見て…ただ瞬くのみ]
[詰め所が近いこともあってか、自警団員が何度も目の前を通り過ぎていった。自警団の長は未だ行方が知れないらしい。]
放蕩者では無いようだから、巻き込まれた可能性があるのか。
その人間も。
[書が奪われるより前、イレーネと遺跡で会ったときにはそこに大勢の自警団員が居た。その中へ、件の団長も居たのだろうか。]
[氷が崩れ、グラスに当たる。]
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