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―中庭―
[もう一本、燃やしてやりたかったエントの木も茶会の客人なれば燃やしてやるわけにも行きません。
『後で覚えてろよ』と熾火燻る黒い眼で睨みつけるだけで、その場から踵を返します。
エントが更なる失言が出来ぬ状態なのは幸いだったでしょう。
アナスタシアはキリルに連行され、治療が必要な者は道具を手にしたドミニカが動いているようでした。
魔人は場がそれぞれ動き始めたのを一瞥し、自身も不足している熱量を取りに行くかと顎鬚を捻ります。
そこへ届いた問答>>859に、魔人の怒りは容易く着火しました。
レイスが首を横に振って>>904否定しているその相手――ニキータの真後ろにいきなり転移し、]
ほーう、オレがどうしたって?
・・・ちっと焦がし足りなかったようだな
[眼の熾火が睨むニキータの毛先に、ボッと炎が踊ります。
その始末を見届けず、魔人は燃料確保に姿を消しました。**]
/*
そーいや、もうアナスタシアの空間から出たり物取り寄せたりするの可能なのかね、村建てさんや?
と質問残して一旦落ちておこう。
あ、空間開いてても即は逃げないよ**
[痛んだ胸を押さえてうずくまった間に、防衛反応で広がったコウモリの翼が、ぱたぱたと器用に髪を払う。おかげで加減されていた炎は早々に消えたけれど、しっかり焦げて後ろ髪の毛先はプチアフロ状態に]
あう…
[涙目で、グレゴリーを見上げたが、それ以上文句を言わなかったのは、さすがに学習能力がゼロではなかったということだろう]
あー、もう!わーったよ!この際、どっちが先でもいいけど…レイスも、絶対ちゃんと、治療しろよ、な。
[結局…はあ、と大きく溜め息をついて、両手を挙げた**]
― 中庭・紅い薔薇の傍 ―
『ごきげんよう、アナスタシア、お久しぶりです』
[薔薇の香りの中に姿を現したのは、深紅のマントに身を包んだ、優しい面差しにハニーブロンド、濃い紫の瞳を持つ、清楚と言っても良いような、たおやかな女性]
『オリガ、ドミニカ、お久しぶり。ご面倒をかけてしまったようで、ごめんなさいね』
[笑みを浮かべ旧友に話しかける様子も優しげで穏やか。だが、言葉の端には事実を知っているのだということが窺われて、薔薇が咲いた途端に、うろうろと逃げ場を探して庭の隅に小さくなっていた彼女の息子は、びくりと更に身を縮めた]
『ベルナルト…あなたにも御迷惑をかけたでしょう?あの子は、あなたには甘えてしまうから』
[かつての求婚者?には、一際艶やかな笑みを見せて、ごく自然な動作で、頬に手を伸ばし唇を寄せた。親愛のキスにそっと魔力を乗せて、グリフォンの気脈に送り込む。闇の子であるヴァンパイアからの力であるはずなのに、そこに闇の気配が無いのは、彼女が純血種ではないせいだろう]
『まあ、ウートラ様、お懐かしいこと…お助け頂いたこと、感謝致します』
[エントは動けるようになっていただろうか?ともあれ同じように艶やか笑みに敬意を乗せた言葉を贈り、マントの端をつまんで、恭しく一礼した]
[ひととおり、旧知への挨拶や礼を済ませてから、美しいヴァンパイアは、息子の方へと手を差し伸べる]
『いらっしゃい、ボウヤ』
[逆らえるはずもなく…でも逆らいたくてしょうがない表情で…紅い髪が庭の隅からその白い手の前に引き寄せられる]
かーちゃん…ごめ…
『謝るのは私にではないでしょう?』
[白い指先が、項垂れる息子の顎にかかり、そっとくすぐるように撫でると、吐息と共に囁く]
『馬鹿な子』
[ざわり、と風も無いのにハニーブロンドの髪が揺れ、一瞬大きく広がった。そしてみるみるうちに薔薇より深い血の紅に染まっていく]
『ちゃんと反省なさい。じっくりね…』
[昼が夜に姿を変えるように、闇の色を濃くした紫の瞳が紅い瞳を覗き込む。指先からは魔力と血が注ぎ込まれて、傷の治癒を早めたけれど、回復する喜びよりも強い恐怖に凍りついたまま動けない]
『解ったわね?ニーくん』
[にっこりと、天使の笑顔とともに宣されると、ぽふん、と薔薇の香りと深紅の花びらが小さな破裂音を立てて辺りに舞い散り]
………ひでーよ、かーちゃん………
[薔薇の香りが散ると、そこには、黒いコートのダンピールの姿は無く、代わりに尻尾の先がちりちりアフロの紅い毛並みの猫一匹、背に生えた黒いコウモリの羽根を、情けなさそうにぱたりと動かして地面に座り込んでいた**]
/*
なんで猫なのかというと、かーちゃんに猫又かなんかの血がきっと混ざってたんでしょう、うん。
木に取り込まれるのが先だったら、この姿が本性の設定だったのだよ、と言っておく。
誰か助け舟出してくれない限り、お茶会終わるまでこのままですw
ちなみに猫じゃらしが振られたら条件反射で飛びつきますが喋るには支障ないのでご心配なくwww
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