情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[彼女はちょっと困ったように眉毛を潜めたが、アマンダの「渡せるか分からないから」との言葉でひとつうなづいて、銀貨を握り締めた。
そしてその問いに]
うん、焔が。
見えない。千花。
[もう一度千花に手を伸ばし、その手から生命の暖かい気がじんわりと出る。
が、千花の前でパチンと静電気のように、はぜた。]
焔は、生命の焔。
…生きて、いない?
−中央部・学校−
[イレーネを見送ったベアトリーチェは、賑やかな広場から少し外れたところにある、古ぼけた建物をフェンス越しに見ていました。それはシュリセルの小さな学校です。ここからも時計塔はよく見えて、時にはチャイムの代りにもなるのでした。
幾人かのこどもたちが、校庭で遊んでいるのが見えます。そのうちの一人がこちらをちらりと見たので、ベアトリーチェをにこっと笑いました。以前に通っていた時のクラスメイトです。けれどもその子は、なんにもなかったように顔を背けたのでした。皆はひとっところに集まって、なにごとかを話し始めたようでした。
春の風が、頬を撫ぜてゆきました。]
[アマンダは銀貨を手渡して、イレーネの言葉を反芻する。
焔。千花。…生命の、力]
…ああ。命の?
[納得して、頷く。
アマンダは、少し困った顔で口を開く。友情は、壊れるだろうか]
…ん、そうなの。ごめんね?
[謝罪は、黙っていた事か、命が無い事か]
…そう。
[アマンダの返事に、納得して少し安堵じみた表情をもらした。
自分の感じた事は、間違っていなかった、という安心。]
…生命を、入れる事は大変だから…
生み出す事、は。
[じっと千花を見て、手を伸ばす。そっと頭を撫でながら、思い出したように首を傾けてアマンダに視線を戻す。]
…何故、謝るの?
「ジッ!」
[千花が目の前で弾けた生命の気に、目を丸くして鳴く。
毛が逆立っているのは、驚いたためか、静電気かはわからない]
ね、イレーネ。
平気に…なった、の?
[この町でほぼ同時期にやってきて、3年。
あまり生命の気を好んでいなかった風な気がして、尋ねる。
ありのままの自分を受け入れる事は、安定に繋がる。
悪い変化ではないはずなのに、微かな違和感]
[千花は撫でられて落ち着いたのか、毛並みも落ち着いていく。
単に静電気が逃げただけではない、とアマンダは思う]
入れる…生み出す? …ああ。
[僅かな感嘆。
空っぽの器に命をと、思ってくれたのだろうか]
ん、千花は…大丈夫。だから、心配しないで?
[首を傾けられての言葉には、首を振る。きっと、大丈夫]
ううん、なんでもない。
気にしないなら。そのままに。
[アマンダは、嬉しそうに笑う]
[アマンダの笑みに、こちらも少しだけ口の端がほころぶ。が、質問の意味が分からず、首を捻る。]
平気…?何の事?
私は、いつでも何でも平気。やっていける。
[口の端が綻ぶだけの、微かな微笑。
時々しか見られないけれど、いつもと変わらないそれに安堵する]
…ん。平気なら、いい。
きっと、私の思い過ごし。
[アマンダは目を細めて、イレーネの頭に手を伸ばす。
千花がイレーネにされたように、イレーネの頭を撫でようと]
[その体に触れたならば、今までよりもずっと生命の気にあふれている事に気がつくだろう。
ふわり、と風が銀の髪を揺らす。]
…そう、平気。
[クス、と声を出して笑った。]
[アマンダは硬そうに見えて艶やかな銀の髪に触れ、そこから伝わる生命の気の大きさに目を見張った。
風が吹いて、手が離れる]
…イレーネ? 何か…あった…
[小さな笑い声。聞いた事があっただろうか。
アマンダは答えが欲しいのかわからぬまま、*小さく小さく呟いた*]
―北通り―
[上着胸のポケットから、玉を取り出し眺める。
思索は行き詰まって居る。指先で転がす。
水晶の意匠が晴れた冬の日の雪のように煌めく、小さな玉。]
[グラスの中でレモンの果肉が潰れる。]
[冒険者の一団がテラス席へ現れ、ミハエルの思索は中断された。鎧、つるぎ、金気の多さに辟易する。溜息。]
[代金を置いて、その場から逃げるように席を*立った。*]
[風が髪をひっぱり、顔が隠れる。目が、鼻が、口がチラチラと髪の間から見え隠れする。
その顔は、笑っているのだろうか、僅かに肩が揺れているようにも見える。]
…何か?いいえ、何も。
むしろ、これから。
[少し呆然と立つアマンダをその場に残し、くるりと後ろを向いてその場を立ち去った。]
これから。
[呟きながら、木々の間を、ぬっていく。
その口はずっと何かを呟いている。小さく、声が漏れる。
それはまるで呪文のよう。]
[木々の間を歩きながら、遠い記憶を思い出す。
500年前。もう、かすかだけれど、他のどの記憶を捨てようともこの記憶だけは捨てなかった。
形見も何も残っていないけれど、この記憶だけは。]
…ふふ。
[またひとつ笑って木々の間を抜けていく。]
─喫茶室─
[ガバッと身を起こし、寝ぼけ眼であたりを見回す。]
……ぁ?
[苦笑いを浮かべた店主から、コーヒーを受け取って、
ぼんやり啜る。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新