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……クス。
ああ、やっぱもう把握しとったか。
[冷たい声に気を害するでもなく、クスクスと笑っていたが]
用事? 別にうちからは何もあらへんよ?
それより、そっちの方が聞きたいこと、あるんちゃうん?
[何やら急いでる様子は見て容易に分かった。それでも、せっかく逢った玩具。楽しめるなら楽しまないと損。
彼女の時間とて有限なのだから。]
/*
あぅ、オトさんは本当にごめんなさいとー!
どうぞ休まれてくださいませ。おやすみなさい。
おねーちゃん達は適当に声掛けてくれていいよ!
ナタ様は自分でも頑張る。
でもその前にそっちにも行こうと思わずするw
*/
/*
んでは明日あれこれ書き込むことにしてー。
ぎゅんさんには死なない身体で全力カバー致しますです。
そこまで進むか分かりませんが、宣言だけ。
ではお休みなさいー*ノシ*
*/
[足を速めるまえに、その姿には気づいた。
片方は求める姿、もう片一方は―― ]
……フィーネ=ブリアー。
今、貴様の遊びに付き合う暇は此方には無いのだが。
そうだろう。
[歩み寄り、後半はティルへと投げた。]
それはこれだけ動かれれば。
…っ!
[姫と蛇はどうしたのだと。そう聞きたかった。
けれど今ここでそれを聞けばどうなるかは、自分でも分かっていた。
少なくとも、蛇からの事後連絡が何も無かったということは]
…全部、後で、だ…!
[押し殺すような声でそう答えて]
[響く声。
気配を感じられなかったことに内心舌打ちをしつつ振り向く]
ああ、その通りだ。
最下層が制御中枢。向かうためのパスコードは手に入れた。
プロテクトもそこまでは解除済みだ。
下には進行役だと名乗ったあの男がいる。
…僕も行く。
[一瞬チラリとリーチェがいるであろう部屋の扉を見て。
それでもブリジット達に視線を戻すとそう告げた]
上出来だ。
流石というべきか、黒妖犬――否、“012”。
変わらない、が、変わったな。
[揶揄するような響きを持った声。
感情のいろを見せるティルに、薄く笑んだ。
が、それも一瞬で消える。]
……あの少女は、どうした。
身体はまだ、残されているのだろう。放って置く気か。
[たとえ実体を持たぬ姿だったとは言え、魂を扱う彼女に見えぬはずはない。]
それに、こういう事は「年上」に任せるべきだ。
そう。まあ、手遅れにならへんとええね。
[首を掻っ切った蛇はともかく、放置してきたナターリエであれば万が一つでも生きている可能性はあり。むろん、それを保障する気は更々ないが。
そして、反対から歩いてきたブリジットには振り向くことなく]
遊び?
クスクス。別に止めはせえへんよ。むしろ、そうやな。
[そう言って、顎に指を当て考える素振りを見せるが]
手ぇ貸してもええで。
[にまりと笑ってそう提案。]
な、に?
[走る動揺。ただでさえ不安定な所にその呼び名は大きかった]
何故それを、知っている…。
[必死に自制する。一瞬浮かんだ笑みをどこかで見た気がした]
それは。
確かに彼女も誰かが助けなければいけないが。
[立て続けに揺り動かされる。
そして最後の一言が]
…まさ、か。
あなたは、先行配置されていた……か…!?
[声の震えは止めようも無く。
だが「姉」と示されたかつての呼び方は出来ずに]
[『両翼』で叩き落すという選択肢の不味さを
この時少女は理解していなかった。
尾が動くならば当然頭も――動くのだ。
すぐ傍で聞こえたふしゅー、という異質な吐息。
視界の端に鮮やかな色をした大蛇の咥内が映る。
咄嗟に包み込むようにして身を庇う翼、
硬質化させたそれに喰らい付く大蛇の牙。
かけられる体重に負け、膝が折れる。
翼の防壁が大蛇の唾液の熱と、こそぐような牙の動きに
がりがりと削られ欠片が散る]
やだ――やだ――っ。
[恐怖に呼応するように、内に丸まる白の外殻。
さながら、蛇に喰らわれそうな卵の如く]
[追い討ちをかけるようにナターリエから漏らされた情報。
手遅れになりうるということは、可能性の目もあるということ。
それならば時間はどれだけあっても足りるものではなく]
…僕、は。
[強く右手を握り締める。バチという音が鳴る]
好きにするといいさ。
邪魔をしなければ、構わない。
暴れるなら、上で、にして貰いたいが。
[フィーネの提案への答えは、素っ気無い。
眼差しは、肯定も否定もせず、ティルへと向けられたままに。]
ひとりで全てを行おうとすべきではないだろう。
各々、役目というものがある。出来る事もね。
だからこそ、私は、お前に解析を任せたわけだから。
大体。
[手を握り締めるティルへと歩みを進め、
まだ赤く染まる耳の傍まで、手を近づける。]
今の状態がどうであるか、自分でわからぬわけではないだろう。
……あのな。
俺は、細かい事情は知らんが、とにかく、急いでここの管理者への用事を済ませてぇ。
……上で、イレーネが待ってんだ。
いけるなら、さっさと行きたい。
[ここにいる者たちの事情などはわからぬから、端的にこう告げて。
意識はふと、上へと向かう]
……ちゃんと、待ってろよ。
[ぽつり。
紡がれた言葉は、*他者の耳に届くや否や*]
/*
……中の限界到来っ!
おちるんで、後はてきとーに使ってくれれば補完しとくよ。よ。
多分、てぃるるんが上に行く時は、イレーネの事も頼むと思う。
と、いうわけで、*お休みー(ばたり*
*/
それ、は。
[同じ境遇にあったからこそ知られるもの。
限界は限りなく近い。
このまま無理をすれば確かに自分は「戻れない」だろう]
確かに、このまま、では。
でも。
[葛藤は大きかった。
その思いを支えに生き延びてきた身としては]
…分かった。
[握っていた右手も未だ震えるまま。
それでもどうにかそう声を絞り出した]
新たに掴む。
未だ来ぬものを知る。
[その言葉を繰り返し。
アーベルの言葉も聞こえれば大きく息を吐いて]
"jailbreak"
これで最下層へも移動できる。
既に可能な範囲の妨害システムも麻痺させてある。
…急いで、行ってくれ。
/*
アーベルもおやすみなさいっ!
長引かせまくってしまい、ごめんなさいですよーっ!
で、パスコードお渡ししたので後はおねーちゃん達に全部任せて。
とりあえず僕はリーチェを上へ運びます。そちらが移動した後に。
*/
わかっている。
話ならば、後程でも出来る訳だからな――
[生きていれば、の話だが。
それを口にする事は無く。]
好い子だ。
[絞り出された声に、まるで姉が弟に言うように。
触れはしなかった手がゆるりと離れる様は、撫ぜるが如く。
眼差しがどんないろを浮かべていたか、当事者以外は知る由も無い。]
全く、“らしい”コードだな。
……往こう。
[別れの言葉は告げない。
踵を返して、来た道を辿った。]
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