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うむ、あれはもう勘弁じゃ。
[こちらも郷で相手してやや疲れたらしい。
ティルに続き竜皇殿上空へと辿り着き、砂の翼を霧散させ東殿の中庭へと降り立つ]
─ →東殿中庭─
…さぁて、こちらはどうなっとるかの。
混沌のカケラ。
……ふぅ。
何やら、色々と問題が次から次へと起きますわねぃ。
こんなことが、竜王会議っていつも起こりますの?
[初めて随行者として来たナターリエとしては、そこらへんは分からないことだ]
まあ。
考えてみれば、相反する属性のものが一同に介するというだけで、充分問題なのかもしれないですけどねぃ。
―東殿―
[しっかりと伝えることが出来た翠樹の仔には、優しく微笑み。
"魔法の言葉"を掛けられた月闇竜には、くすりと微笑んだ。
そこで、東殿の中庭へと降り立つ二つの影が見え――]
あれは、ザムエルと、ティルですね。
[ひらり、手を振り迎える]
…よかった。
リーチェは、げんき。だよ。
[笑みと共に撫ぜられる手に、ほうと仔の表情が漸く和らいだ。
月闇竜殿の言葉に一つ頷くと、しかし緩んだ表情が再び困惑に戻る。]
…リーチェのせいで、ごめんね。
――いたかった? よね。
[小さな謝罪を告げると共に、袖を掴む力が僅かに強まったか。
私が絡みつく小さな腕に、力が籠もるのを感じる。
…自らの行いで、事が肥大したという自覚は幼心にも有ったらしい。]
ええ、何かあれば外で。
…それも出来る限り少ないとありがたいのですが。
[いい加減、自分から触れてしまう者は少ないだろう。が、不慮の事故はどうしようもないわけで。無理だろうなというニュアンスが混じっている。
宙を撫でる手の動きをなんとなく見つめながら、その意味までは知ること能わず]
…属性揃うと碌な事が無いってのだけは、同意。
[流水の言葉に、ただただ溜息。
その事に関しては色々とアレな思い出が沢山だが、それはまた別のお話。]
−東殿・場所不明(迷子中)−
[ぽつねん、と。
他の喧騒を余所に布の塊は相変わらず迷子続行中であった。
もう、薄荷はとっくに融けてしまって。
葡萄も無花果も蜂蜜も黒すぐりも、口の中で溶けて消えた。
鞄からもう一つとりだして、口に放り込む]
…今度は、杏だ。
[ぽそ、と小さく呟く。
最初のうちの元気なんてもう、とっくになかった。
からころと飴玉を転がしながらそれでも進んでいくと]
…?
[裏庭に出た。
もっとも、本人はそれがどの庭かなんて認識していないけれど]
―― 東殿・食堂 ――
[何人が居るのかは判らなかったので、多めの湯とティーカップを用意して、茶葉を計って入れたポットを幾つか。セルフサービスよろしく、テーブルの中央に置いておく。そうして、自分は先に入れた蜂蜜入りミルクを手に、窓際の椅子に腰掛けた]
[左手は、さりげなく膝の上に置かれ、目立たないように]
[開放の軽い反動を飲み込み、ふうとひとつ息を吐く。
そして、壁の修復云々に話が及べば、]
…………。(ぷい
[あからさまに眼を逸らしていた。]
影竜王様が参加されたことは少ないけど、
いつも、というわけじゃないはずだわぁ。
[ そも、ノーラがこの場に参加したのは、今回が初めてではあるが。詳しくは他の随行者に任せるというように、氷破の竜や雷撃の竜へと視線を移す。]
相反しつつも共にあらねばならないなんて、
おかしな話ではあるわねぃ。
不安定の上に保たれた均衡ね。
[ 笑みも浮かべず、言葉のみで「可笑しい」と称する。]
[ブリジットへ、そっとまなざしを伏せる。
感謝の気持ちを表してから、ベアトリーチェを見た。]
あれくらいなら、大したことではありませんよ。
アーベル殿に治していただきましたし。
[さすがに完治ではないものの、痛みは薄く。]
だから、大丈夫。
それに、あなたがそんな顔をしていると、ここが痛くなってしまいます。
だから、笑って下さい。
[頭を撫でていた手を離し、そっと自分の胸を指差してから、力を込めてきた小さな手を見て。
それから、安心させるよう、優しく抱きしめる。]
えぇ、必要とあれば遠慮なくいただきます。
[申し出てくれる心を心温かく感じながら素直に受け取る。
そして続く言葉にはやわらかく否定を返した]
そんな事はありませんよ。
元々、貴女が心を預けてくれなかったら不可能に近かった。
それに…ギュンター殿の時も今回も、痛みを誤魔化すくらいしか私には出来ていません。
[伏せた眼差しに切なそうな色が混じり、消える]
[その場に居ても何か出来そうには無かったので、ふらり、ゆっくりとその場を後にする。
いつかのように、ゆるりと薫る茶の匂いにつられてそっとそちらへと足を向け、食堂の扉をゆっくりと開いた。]
―廊下→食堂―
[視線を巡らせば回廊の一角でこちらに手を振るブリジットの姿が見える]
今戻ったわい。
何か異変は無かったかの?
[ブリジットに手を振り返し訊ねかける]
完全には防げないでしょう。
元を断たねば。
[ 天聖の竜の心中は精神を司らずとも窺えよう。ノーラはそう呟いて、エルザの眼差しが向いていた手を一度見ると、掌を上へと向けた。]
均していたのです。
消滅した以上、影響はほとんどないでしょうが、念には念を。
私に出来るのはこれくらいですから。
御師様、ティルさ…ティル殿。
[ユーディットの声が聞こえて、顔を上げた。
咄嗟に左手を後ろに回したのは師の存在ゆえか]
おかえりなさいませ。
ご無事で何よりです。
[一番無事でないのは、ここだったかもしれない]
―東殿/回廊―
属性が揃うと……そうですね。
[目を伏せて重々しく同意した。【心の間】の閲覧可能な図書にもいくつか載っている有名な出来事が記憶を過ぎる]
─東殿・中庭─
[ん、と言いつつ身体を伸ばす。
本性で翔ぶのは心地よいが、それなりに疲れもする訳で]
さて、どーなってるんだろっと……お。
[ふと視線を感じて見やった先。
手を振る氷破の竜に、同じく手を振った]
[空を仰ぐと、何だか暗い。
太陽の光は今の仔龍にとっては唯一の心の支え。
曇る空は、自分の心境のようで]
…つかれた。
[ぽそ、と呟いて。
石段に腰掛けようとしたところで仔龍の動きは止まる。
にゃあ、と小さな鳴き声。
白くて小さな猫]
…!
[すすす、と足が後ろに逃げる]
―東殿―
異変という異変は……。
[時空竜が空けた大穴をちらと見た後。
翠樹の仔に聞こえないように、地竜と風竜へ]
かけらが出現して、少し騒動が。
今は無事収まりましたが。
[帰ってきたばかりの二竜へと告げた]
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