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─ 広間 ─
[珍しい、と言われれば>>74、その通りだ、とも思う。
それだけ老婦人もこの屋敷を必要としてくれているのだろう。
それでも、エーリッヒの想いに変化は無い]
…ここを買い取りたいと、お願いしたからだろうね。
[推測と共に零れるのは苦笑。
願いを口にした時の老婦人の様子が直ぐに脳裏に蘇る]
行方不明……そうだったのか。
お力になれずすまないね。
[苦笑するクレメンスに対し、エーリッヒもまた申し訳なさそうに返した。
なるべくならば触れぬよう、掘り下げないよう、当たり障りの無い言葉を選んでいく。
ボロが出ないようにすることに気を取られたためか、直前>>62で緊張のあまり敬語が出てしまっていたことには終ぞ気付かないまま**]
こんにちは、ウェンデル・モルガンです。
お世話になります。
[集会所に到着すると、玄関口で管理人の老婦人に一礼する。
老婦人は、少年の名から両親と叔父を思い出したようだった]
はい、僕はウィリアム・モルガンの息子です。......すみません、昔の事は、あまり覚えてなくて。
[老婦人は、懐かしげに両親の事を口にしたが、少年は困ったように眉を下げるだけだ。実際、村の事だけではなく、8歳の時に世を去った両親の記憶も、朧げだ]
[それでも、少年の記録は村に残っている]
──────────────────
■名前:ウェンデル・モルガン Wendel・Morgan
■年齢:14歳
■職業:神学生
■経歴:6年前に両親を亡くし、以来遠くの街の神学校の寄宿舎で暮らしている。両親を失ったショックからか、子供の頃の記憶はあまり残っていない。
歌が好きで、神学校では聖歌隊に所属している。
──────────────────
こんにちは。
ウェンデル・モルガンです。
よろしくお願いします。
[やがて、人の姿を見れば、礼儀正しく挨拶する。
しかし、ここに呼ばれた理由を尋ねようにも、どうやら詳しい事情を知る人はいないように思われた。**]
─ 広間 ─
そのようだね。
[長らく集会場として機能してきた愛着もあるのだろう。
駆け引きの初手を損じた形になったエーリッヒにとっては苦いもののはずなのだが、愛されているこの別荘が誇らしくもあった。
話がクレメンスの幼馴染について>>76に移ると、向けられた頼まれごととくしゃくしゃな笑顔に、エーリッヒは複雑さを秘めた笑みを浮かべる]
──えぇ、もし会うことがあれば。
[諾を返すエーリッヒは胸に心苦しさを抱いた。
ここにいると言いたい、言えない。
喉元まで出て来そうになるのを押し込める。
そして、騙しているクレメンスへの申し訳無さが心を占めた]
[葛藤や謝罪が渦巻く中、クレメンスの言葉に喜んでいる自分もいることに気付く。
もう覚えていないかもと言う不安を消し去り、戻る場所を与えてくれた言葉]
(ありがとね、クレメンス)
[今はまだ心の中で礼を言う]
(時が来たら、必ず───)
[そして、新たな決意を]
[緩く、長く、密やかに息を吐く。
それから、ふ、と何かに気付き、クレメンスを見た]
そうだ、お茶飲むかい?
フラウが用意してくれたものがあるんだ。
[問いかけながら一人掛けソファから腰を浮かせ、ティーセットの傍のソファへと腰を下ろし直す。
ついでに自分の分を淹れ直し始めた*]
― →厨房 ―
えーっとぉ……
[厨房の戸を開けて、きょろきょろと辺りを見渡す。
何度も訪れた場所故に、何処に何があるかは大体把握していた。
持ってきた食糧をぽんぽんと詰め込んで、程なく作業は終わる]
ふぅ。お仕事終わり、っと。
おばさんドコだろ。広間の方かなぁ。
[ひとまず一通りの仕事が終わったことを報告すべく、管理人の姿を探して厨房を出た]
― 広間 ―
失礼しまーす。
[すぐに広間へと向かったのは、先ほど通りかかった際に話し声が聞こえていた為。
扉を潜ってすぐの場所で立ち止まり、その場にいる人間への挨拶もそこそこに、部屋を見渡した]
おばさん、は……いない、かな?
[管理人の老婦人はどこにいるかと探す歩みがふと止まる]
……外に出られていたか。
[手に籠を持ち、向かう先はハーブ園か。
しばしの思案の後、こちらも庭へと足を向けた]
─ 庭園・ハーブ園 ─
……少々、よろしいか?
[呼びかけに振り返った老婦人に、部屋を一つ借りたい旨を伝える。
滞在が長期になる可能性は自衛団長からも伝えられていたそうで、好きな部屋を使って構わない、との返答が寄越された]
ありがとうございます。
……ところで、今回の呼び出しについては……ああ、やはり、何も。
[自衛団長から何か聞いていないか、という問いは最後まで口にはできず、その前にやんわりと遮られた]
……いや、なんとしても先に知りたい、というわけではありませんので。
ゆるりと時を待ちますよ。
それまでは、久しぶりに顔を合わせた面々と語らうとでもしますか。
[それは村の人々であり、手にした楽器の事でもある]
……ええ、時間が許す限りは、手入れをして行こうかと。
次は、いつ来れるかわかりませんからねぇ。
[軽く言って肩を竦めれば、いつでも戻ってきなさいな、と穏やかに笑みかけられて。
ほんの少し、眉を下げて一つ頷いた。*]
― 広間 ―
なるほど、じゃーココでちょっと待ってようかな。
[ふむふむと頷いて]
そっかぁ、大変だったねぇ。
その様子じゃ、何で滞在しろって言われたかは分かってないみたいだね。ウチもなんだけどさ。
あっ、ウチはカヤ・ヴァイデンフェラー。カヤでいいよ。
[少年の話に相槌を打ちながら、自分の名前を名乗り。
相手の名を聞いて、少し考える素振りの後]
ウェンデル・モルガン……あっ。
あのちっちゃかったウェン君かー。随分おっきくなったねぇ。
[ぽむと手を打ち、懐かしそうに目を細めた]
─ →二階・客室 ─
[それから、二言三言言葉を交わした後、ハーブを集めるという老婦人と別れて再び屋敷の中へと戻る。
広間に人の気配が増えたような気もしたが、後でいいか、と階段を上がり、二階にある客室の一つに落ち着いた]
……さて。
いつまで、ここに留め置かれる事になるのやら。
[は、とため息一つ落として。
まずは、と持ちだして来たフルートケースを開いて手入れに取りかかった。*]
はい、何も...
[やはり、この人も事情は判らないようだと短い溜め息が漏れた]
カヤさん、ですね。
あ、僕の事も...
[ウェンと呼んでもらって構わない、と言おうとしたら、相手からその呼び名が飛び出した>>90]
う......ちっちゃかった、て......
[どうやら子供の頃の知り合いのようだと判って、少年は改めてカヤの顔を見つめる。
なんとなく見覚えがある気もするが、その頃の記憶は霧の向こう......カヤだけが小さかった頃を覚えているという状況が、なんだか気恥ずかしくて、僅かに頬を染める]
もう、14歳ですから。
[子供じゃないです...と、いう主張は、とても小声だった]
……ところでさぁウェン君。
立ってるのきつくない?
団長さんまだ来ないみたいだしさ、とりあえず座って待っとこーよ。
[そう言って、少年に手近な場所の椅子を示して見せた**]
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