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ただいま、っと。
[質素な木で出来た扉を声と共に開くと、畳まれた翼は翼胞へと吸い込まれるように消えた。
小さな家の中で声は隅々迄届き、おかえり、と中から低い声が聞こえる。
青年は上機嫌で、鼻歌をふんふん歌いながらまず台所へ行き、採ってきた果実がたっぷり入った籠を机に置くと、声の方へと歩いて扉を開いた。
頭を上にぶつけないようにひょいと肩を竦めながら覗き込み、中の薄い布団に横になる父親へと顔を出す。]
親父、俺これから広場行ってくる。
なんかあったら「疾風(はやて)」で知らせてくれよ。
[巫女からの声は届いているであろう布団の中から手を振る父親に、手を振り返して扉を閉める。]
[玄関を出て、そのまま家に沿って歩き裏手へと回る。
その足音を聞きつけて、ピクンと耳を震わせきゃんと声を上げてから、砂埃を上げて走ってくる影が足元へとまとわりついた。]
疾風、今日も美人だなー。
[くるくると足の間を回って尻尾を振る薄茶色の毛むくじゃらの動物を、ひょいと抱え上げて頬を擦り付ける。
ペロペロと顔を舐めてくる犬に似た動物は、額の長いねじれた角で主人を傷つけないよう気をつけているようだった。]
ふふ、くすぐったいぜ。
[嬉しそうに暫く疾風とじゃれた後、じゃぁな、とぽふぽふとその頭を手で撫でて、空を見上げた。
く、と膝を少し曲げ、翼胞から音も無く翼を広げると地面を一度蹴って飛び上がり、ばさりと羽根を動かした。
風を叩いて高く、高く。
陽の光の中背にその温もりを感じつつ、*広場へと向かった*]
[海より淡い白の羽根は、陽を浴び柔らかな印象をもたらす。
狐の面が捉えるのは、敷地の中の農園。
先まで口に含んでいた実の成る場所だ。]
採っていくか。アレは……、美味い。
不愉快な話ならば、喰って紛らわすが一番だろうな
[呟くなりに空を滑り、少し離れた場所に足を着ける。
背の翼をしまい、手を伸ばす先に枝。
袖下に隠したナイフを軽く握って切り落とす。幾つも付いた赤い殻、――再びナイフを隠すと、果実泥棒は翼を広げ、
*向かう先は、広場*]
[村の中央に近づけば、羽ばたきで制動をかけながら高度を下げていく。地面に足が着けば、陽の下では薄い灰色に見える翼を、翼胞にしまいこんだ。
広場にはすでに、浮島の住人の幾らかは集まっているようだった。その中に黒髪の女性を見かければ、軽く挨拶をしようとしたかもしれない]
全員?島の人間、全員を待つつもりなのか。
[声と同じく性格もおっとりした同い年の巫女を思い、寄り道をしても、十分間に合ったかもしれないなどと思いながら、軽く頬をかいた]
[翼を横に広げたままぴたりと動きを止めれば、滑空は風を切る音と共に地面へと近づく。
見下ろす広場を、誰かにぶつからないか確認しながらすたりと降り、疎らな人々を見渡した。]
ん、まだ時間あったのな。
[音も無く翼を仕舞うと、左手を右肩にあてて右腕をぐるりと回し、こきこきと首を捻りながら、呼んだ当の巫女が居るのであろう巫女の聖殿を見上げた。]
−広場−
[目を閉じていても幾人かは声でわかる。
半ば聞くともなく聞きながら、思考に沈んだ。]
『島の全員を集めるほどの用など、そうあるものではない。
………吉兆か、凶兆か。』
……前者であればいいがな。
[無意識に呟きが零れる。耳に入る己の声音に眉を顰めた。]
[広場を見回し、いる人、いない人を探す。そばに陽光の色の翼が降り立ったのを見た]
ラス。ここのところ、顔を見なかったな。会わずに済んだ、ということは元気だった、ということでいいか?
[声をかけられ、後ろに結んで垂らした髪を揺らして振り返る。少女が双眸に映ると目を細めて笑い、ひら、と手を振った]
よ、カレン久しぶりだな。
うん俺は元気だぜ、ピンピンしてるよ。
あぁそろそろまた親父の薬貰いにいかないとね。
[ゆっくり歩いてその距離を縮め、自身の長身ゆえに彼女の首が疲れないよう、近すぎない正面へと立った。]
[多少の距離があっても、長身の青年はどうしても見上げる形になってしまう目を細めて青年の顔を見上げながら。]
そうだな、そろそろ薬、切れる頃だろう?お金は少しくらい遅くなってもいいから、取りに来てくれ。調合しておくから。ご家族の方は、どうだ?先生が気にしていたよ。
[幾度目かの風切音。
目を開けると、薄金の残滓を残し翼が消えるのが見えた。]
……ラスも来たか。だがまだ時が要るようだな。
[幾人か増えた人影に目をやる。だがまだ足りない。
島全員の顔を知る訳ではないが、明らかにない面子が在る。]
『あの面を見るのは不快だが…居なくては話が始まらないか。』
[狐の面を被る男。それに従属する者。だが彼等も島の一員だ。]
[ラスと少し離れ向かい合う影が振り返る。
かけられた声に、木から体を離し数歩歩み寄った。]
………ああ。そうだな。
[ラスにも挨拶代わりに頷き、邪魔にならぬ距離で立ち止まる。]
………顔を見ないのはいい事だろう。
獲物……ああ、あれか。木に馬鹿が引っかかってただけだ。
[彼女からしてみれば、やはりかなり大きい男を見上げ]
……ひっかかってた、ばか?
[一瞬、何のことやら分からず、眉を寄せた]
では、そのひっかかってたのはどうした?
さあな。下ろした後は知らん。
………動けぬほどではなかったようだが。
面白くもない俺の顔より、ネロの頭でも見てやればいい。
[医療を生業とする少女へ無愛想な仄めかしだけして、広場の外へと足を向ける。
一、二歩進んだ所で振り返った。]
………ああ、また燻煙するから手が要る。空いてる時に来い。
……邪魔したな。
[金の要るらしいラスへ声を掛け、カレンに短く詫び*立ち去った*。]
[カレンの言葉には、一度ぱり、と後ろ頭を掻いてから腰に手を当て、その骨ばった肩を竦めた。]
ん、いつもすまない、ちゃんと金は作るよ。
あぁうん、お袋がこないだちょっと疲れて倒れて世話になったな。あれからは元気だよ。
[言ってから、少女の視線につられる様に目線を流すと無骨な男の顔に出会い、目を細めて嬉しそうに笑いかけた。]
あ、スティーヴさん。
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