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[軽く肩を竦めた後で]
ま、大概の人にとっては御伽噺さ。
この村に人狼が出たって決まったわけじゃぁないしね?
情報屋としちゃ、本物に会ってみたくはあるけどね。
けどま、御伽噺のまま終わるならそっちの方がいいんだろうね?
[と、いつものニンマリ笑顔]
さて・・・と、情報屋としての本分を果たしてこようかな?
[─キィキィと音を立てゆっくりと車椅子が宿の外へと]
[抱きしめるように首に縋り付かれる。
ディーノの発するその声は押し殺すように。酷く、切ない。]
[パトラッシュの眉間にある微かな眉が、少し困ったように下がった。迷うような間があって。]
……大丈夫さ。ただ、まぁちっと心配はしてたかな……。
[低い声がディーノの耳元に。
それは、パトラッシュの口元から。]
〔鍵を開け、帽子とジャケットを脱いで戸口にかける。そのまま明かりもつけず奥へと進み、ベッドへと倒れこむ〕
…。
〔もう、思考がまとまらなかった。奇妙な胸騒ぎと、クローディアの蒼白な顔が彼の頭を支配し、そして、いつしか意識は奪われていった…〕
[ノックの音で、物思いから断ち切られた。
先ほど頼んでおいた食事だろうと思い、気軽に扉を開けると、そこに表れた顔はむさい男性の顔で]
・・・ご苦労様。
[エリカが来なかったことを不思議に思ったが、所詮、自分の頼みなどこんなものかと嘆息して、マスターに適当に礼を言った。
食事を受け取り、またクローディアの前に座ると小さく独りごちた]
(・・・貴女ならこんなこともないんでしょうけどね。
私はこうよ。いっつもこう。
ねえ。貴女の力頂戴よ。
貴女の力もらったら、私も貴女の様になれるんだから)
ああ、そりゃそうよね。
カルロスさんも何か知っているのかと思った。
[焦った様子には軽く首を傾げて]
[けれど笑って頷いた]
何だかね。
疑うのとも違うんだけど。
実感わかないよ、あたしは。
[聞こえた言葉に動きが止まる。ここには自分とパトラッシュだけ。ならこの声は誰のもの?]
…今の声…?
え?
[パトラッシュの毛並みから顔を上げて、涙もそのままにきょとんとした表情でパトラッシュを見つめる]
あのねぇ。
物騒なこと言わないでよ。
御伽噺の世界の住人は御伽噺の中だけで十分。
[小さく溜息をついて]
そうそう、その方が絶対いいよ。
おやすみ、ノブ。
[肩を竦めて手を振った]
[呟いてみても、それは詮無きことで。
いくら過去を振り返ろうと、神様は、クローディアに祝福を。シャロンに厄災を与えたことに変化が起きるはずもなかった]
・・・嫌いよ、みんな。
神様も、人間も、世界も。
みんなみんな―――嫌い。
[フランに少し微笑んで]
そうだね。
いきなり人狼って言われても実感わかないだろうと思うよ。
ほら、俺は職業柄たまに噂とか聞いたりしてたから・・・。
[ま、当然逢ったことは無いんだけどね。
と、冗談混じりに答えた]
やっぱ驚く、わな。あー……、悪ぃな。
[くしゃ、と、その顔は笑みを浮かべたように見えたろうか]
でも、言葉無しで人を慰めるのって限度あると思わねぇ?
だから喋った方が良いかと思ったんだけどな。
[あー、怖がらせたかな、と首を傾げ。
そして耳をくるりと回す。]
んあ、誰か来るか?
ああ、おやすみ♪
御伽噺が怖いなら添い寝はいつでもしたげるよぉ〜。
にゃははは。
[と、フランに手をフラフラと振る]
─宿の外、じんわりとした蒸し暑さと、それを時折動かす夜風。キィキィと音を立てる車椅子は手品師と一匹の犬の前で止まる。
…誰かとお話中だったかな?それとも腹話術も使えるのかい?
傷心中のところ悪いんだけどさ、聞かせて欲しいんだ。
君が人狼に出会ったときの事。
[パトラッシュとディーノを交互に見たあと、ニマリと笑い]
…誰かに話すと気が紛れるかもだしねぇ?
わんちゃん相手でもいいけどねぇ。それなら立ち聞きさせてもらうし。…って僕の場合は座り聞きかな?えへへ。
…わっけわかんねー。
[深刻そうに話す大人たちを横目で見ながら、ぽつり。
ミートソースのパスタにカツレツ乗せてもらって、がっついて喰う。]
人狼とか言う奴が居るんなら、うちの親父でも喰ってくれりゃいいんだって。
そうすりゃこの村も少しは平和になるだろーしさぁ。
そっか。
危険と隣り合わせの職業だもんね。
何かあったときは頼りにしていいのかな?
[クスッと笑ってジョッキを手にして]
ね、少し付き合ってもらっていいかな。
何だか飲まないとやってられないんだけど。
一人で飲むのも、ね?
[困惑を滲ませた表情で]
[軽く首を傾げた]
[背後からノブが声をかける数瞬前にぱくりと口を閉じ。
ディーノに小さくウインクしてみせる。
それはまるで、今のは内緒だ、と言っているようにでも見えるだろうか。]
パトラッシュが喋っ…!
[ぱくぱと口だけが動き、声が出て来ない。ぐるぐると頭の中でどうにか整理し、気を落ち着けて]
…何だろう、犬が喋るなんて普通じゃあり得ないのに…でも怖いとかそう言うのは全然無い。
パトラッシュが僕達の言葉を理解してるような気がしてたからかな。
[その表情はまだ驚愕の色を見せていたが、怯える様子等は無く。誰か来る、との言葉には涙の残る目元をごしごしと擦り、目を凝らす。先程の驚きにより既に涙は止まっていた]
ちょっとグレッグ。
それは流石に洒落にならんでしょ。
[苦笑しながらレッグを見て]
ディーノが戻ってきて聞こえたりしたら拙いよ。
それに、エリカちゃんも。
[何だか怯えてたみたいだしと]
[軽く嗜めた]
…そんな化けモンなんかじゃなくたって、
人が死ぬことなんかいくらでもあるじゃねーか。
病気とか、事故とか…人に殺されたりなんかもすんだろ。
家族が死んだの認めたくねぇから化けモンのせいにしたいだけなんじゃね?
[帽子の人が叫んで出て行ったドアの向こうを見ながら、ぽつりと。]
[パトラッシュからのウィンクには小さく頷いて。声をかけてきたノブに視線をやる]
腹話術? 何のこと?
…あれは、あまり思い出したくない。
[話を聞かせて欲しい。その言葉に表情は険しくなる。さっきの状態ですらああなのだ。これ以上思い出したら何を口走るか。あまり口にしたくは無かった]
[フランの言葉に笑って]
あぁ、もちろん。
君みたいに可愛い娘なら、こちらから喜んで護るよ。
んじゃ、つき合わせて貰おうかな。
[喜んで、と笑顔で引き受けると、軽めの酒を注文した。]
フランよぉ、マジで本気にとってるん?
さっき倒れた美人のねーさんにしろ、ディーノとかいう奴にしろ、他所モンが勝手に言ってるだけだぜ?
今までこの村じゃそんなヘンな化けモンの噂なんかほとんど無かったしさぁ。
そりゃそうだ。
人の生命なんてどこで尽きるかわかんないんだから。
[レッグの言葉に苦笑をこぼし]
あの真剣な様子に呑まれちゃったか、あたしも。
もう少し気楽に考えるかな。
やった、これで安心できるわ。
可愛いだなんて言われると照れちゃうけど。
[クスッと笑って]
[マスターに発泡酒を頼み]
それじゃ、乾杯。
[カップを軽く当てて鳴らした]
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