情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[少女からの食器洗いの申し出は丁重に断り、軽く水で濯いで元の場所へ。]
じゃ、お先に。
「あ、佐久間君」
…はい?
[部屋を出ようとして、ふと寮母に呼び止められる。曰く、妹にも食事はちゃんと取るように言っておいて欲しい、と。]
…会えたら注意しときます。
[昔から少食だったからなと軽く苦笑いを零して、食堂を*後にした。*]
[立ち去ろうとしたのだが]
「……もしかして、マコト?」
[その言葉にピタリと足を止める]
「やっぱり、ウミってマコトのことが……」
……違うよ。好きとか、そんな綺麗なものじゃない。これは私の我侭……エゴだよ
[振り向かずそれだけ言い残し、アーチェリー場を後にした]
[朝早くに寮を出て、戻って来たのは、もう昼の日差しも大分落ち着いた時間だった。その足で寮母の部屋へ向かう]
こんにちは。俺に荷物が…ああ、届いてましたか。ありがとうございます。
[預けられていた段ボール箱を受け取り、昼食は食べたのかという問いには、はい、と頷く]
外で済ませて来ました。夕食はお願いします。
[ぺこりと礼をして、箱を抱えて自室へと戻っていく]
―寮・自室―
[窓を開けると、僅かに湿った風が流れ込んでくる。夕立が来るのかもしれなかった。きっちりと着込んでいた学生服を脱いで、Tシャツに着替える。炎天下に出掛けていた割には、余り汗もかいてはいないようだ]
…………
[段ボール箱を開け、一番上に載せられていたメモを無言で読むと、小さく溜め息をついた]
[ケンから見えない位置まで来ると、ガンッと壁を殴りため息]
……何やってんだろ。わざわざ言わなくていいこと言って……最悪
本当に昨日からおかしいな、私
[トンッと額を壁につけ、*自嘲*]
[メモをズボンのポケットに捩じ込み、箱に入っていた数冊の英文のテキストを引っ張り出す。窓の外、まだ暮れる様子も無い太陽を見遣って、暫し、思案する]
…明日でもいいか。
[取り出したテキストをまとめて自分の机の上に置くと、箱の中に残っていた菓子折りを手に部屋を出る]
[階下に降りると、再び寮母の部屋へ]
………すみません、これ、実家から送って来たものなんですが。
はい、水羊羹らしいです。
[ゆうに40個は入っていようという重い菓子折りを渡す]
はい…もちろん構いません。
[寮生達にも食べさせていいかという問いには、当然に頷いた]
[ついでに冷やしておいて、と頼まれて、水羊羹を10個ほど給湯室まで運んでいくと、冷蔵庫に入れた]
…………
[暫し考えて、電話の横に置いてあったメモに「水羊羹あり、御自由に」と書いて、冷蔵庫の扉にマグネットで留めておく]
[誰も居ない練習室。
蛍光灯は消してあり、自然光だけが照らしている。
壁一面の窓は全て開け放ってある。
湿った風が吹き抜けて、高音を運んでいくのを感じた。
閉じた、フユの瞼の上を汗がひとすじ伝う。]
[自分は麦茶を一杯、コップに注いで飲み干す。自室に戻ろうとして、ふと思い立った様子で、玄関から外に出た]
…………
[額の上に手を翳し、空を見上げる。遠くから微かに雷鳴が届いた]
[周囲の空気とフユの意識が同化していく。
風に乗って、窓から出て行く。]
[高く][高く][煌めく夏の日差しの中を]
[桜の樹を揺らし
陽に透ける青葉の間をすり抜けて][遠く]
[平らな校庭。砂の上を滑り
寮へ。
開け放たれた窓が並ぶ。
窓から吹き込む夏の風のイメージ。]
[低い雷鳴とは違う、澄んだ音色が校舎の方から風に乗って届く]
[それは、遠く離れたこの場所では、ほんの小さな、風の悪戯のような響きでしかなかったが、確かに美しい旋律をもって湿った空気を煌めかせた]
[汗の玉が睫毛のうえに留まる。
閉じた瞼は震えることすらしない。]
[音波の広がりを感じる意識と同時に、
その場に留まる意識がある。
こちらの世界は無音。静謐。
磨き込まれた鏡の如く
研ぎすまされ
ひたすらに凪いでいる、止水の境地。]
[雷鳴の隙間を縫うように、フユの奏でる音色は
開け放った窓から響いていく。
穏やかなる午後を過ごす者には聞き分ける事が出来るかも知れない程度の、微かな調べ。]
[壁に背を預け、耳をくすぐる微かな旋律を、感覚を研ぎすませて拾い上げようとするかのように、目を閉じる]
………………
[僅か、唇に笑みに似たものが浮かんだか]
[フユはゆっくりと目を開く。
睫毛のうえに留まっていた汗が
ひとしずく落ちた。]
[長く、静かに息をはいた。]
…………。
[雨音が全ての音を消し去り、静寂が支配する。]
[ガタン]
[フユが唐突に立ち上がった音だった。]
……洗濯物、干しっぱなし!
[もの凄い早さでフルートを片付け、ケースを抱えて
夕立の降りしきるなかへ走り出した。
雨に濡らさないよう、両腕で確りと抱えた。]
[夕立の雨音が、煌めく旋律を覆い隠し、稲光が閃く]
…………残念。
[目を開けて、白い水煙を上げながら大地を打つ雨を見つめながら呟いた声は、続いて轟く雷鳴に紛れて消えた]
[篠つく雨がフユの視界を隠す。
玄関のぬかるみに足を取られて転んだ。
その際、腕を伸ばして、フルートのケースだけは
器用に玄関の日除けの下に滑り込ませた。]
…………どうも。
[ヒサタカの手を払い除け、雨で顔に落ちかかる髪の
隙間から不機嫌な目を向けた。
相当恥ずかしかったらしい。]
運動音痴なもので。
それ、取ってもらえますか。
[フルートのケースを指差し]
[泥だらけだろうフユの様子には僅かに息を呑んだか。腕を払いのけられたのは気にしない様子で]
………とにかく、早く、中へ……
[言いかけて、指差されたフルートのケースに気付いて、拾い上げた]
これだけ濡れてしまったら
もう手遅れというか。
どうでもよくなりました。
雨は嫌いではありませんし。
[立って、空を見上げた]
……聞こえてましたか。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新