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[ミハエルへのご飯の申し出も向こうには届かなかったか、それともそんな気分になれなかったのか、その心情は本人のみぞ知ることだろう。
宿を飛び出す姿を追いかけようかどうか迷い]
んーー、やっぱほっとけねぇわ。
ちょっと行って来るかな。
[そう皆に言って、自分もミハエルの姿を追いかけて出て行った。
ちょうどクロエと一緒に追う形になるだろうか]
大丈夫、大丈夫、ご飯、食べよう?
[クロエが周りを気にする様子を気遣い娘は声を掛ける。そも、クロエの力は人狼のそれではなく、寧ろ暴くもの。異質なものに対する抵抗はありえるかもしれないが、それでも人に害をなすものではないと娘は感じていた。
カルメンの反応を伺ってはいたが、クロエの緊張が解けたことで齎された笑みは、ゲルダにとっても安堵を齎して。
けれど、急に堰を切ったように声を荒げるミハエルの声にそこに意識を向け。]
っ、え、と、君…。
[信じられるものなど居ないと口にするミハエルに娘は困惑した。
そしてクロエが席を立つなら自分も席を立って彼女を追いかけてしまう。]
……お?
[唐突に、駆け出してゆくミハエルの様子に、一瞬きょとりと。
先ほど顔を合わせたばかりの相手だけに、追いかける、という方向には思い至らず。
クロエたちが追うのを、ただ、見送って]
……あちらの若様には、相当きつい状況か、これは。
[零したのは、そんな呟き]
[ミハエルの言う事>>84も青年は理解できる]
誰も居ないからと壁を作っても仕方ねぇんだよ。
孤立してお前さんの状況が悪くなるだけだぞ。
商談で人を見る目を養ってきたんじゃねぇのか?
分からねぇのはこっちだって同じだ。
けど、な。
問題から逃げてても仕方ねぇのは
お前さんだってよぉく分かってんだろ?
[睨む翡翠をじっと見詰めたまま
根気良く言葉を重ねてゆくのは
そういった態度に慣れていたのもあったかもしれない]
……ほんと、甘えるのが下手だな。
……そうね。
けれど本当にいるとしたら、人狼も……
[本当にこの中にいるかも、という言葉は、最後まで紡がれることはなく。
アーベルの言葉には眉根を少しだけ寄せたが。
クロエの視線に気づけば、表情を笑みに戻して]
詰所まで行って、疲れたでしょう。
ちゃんと食べて、しっかり休んだほうがいいわ。
[信じるとも信じないとも口にしなかったけれど、クロエに安堵を与えることはできただろうか。
その直後]
……ミハエルさん?
[駆け出す少年のちらと見えた横顔、光るものが見えた気がして。
とっさに引きとめようと手を伸ばしたが、それは距離の所為で空を切るだけ]
皆はここにいて
[たん、っと外に駆け出すと小柄で華奢な身体は走り出す。
身体能力は悪くないのかそれなりに娘の脚は早く、
ミハエルの後姿に追いつこうと息を荒げ続けた。]
ねえ、待ってよ君…!
あーあ……。
きつく言い過ぎたかねぇ。
[駆け出すミハエルの姿には、と吐息を零し]
子供だから仕方ない。
それで済む状況なら良いんだが……
自衛団の様子を見るにそうはいかないみたいだしな。
[ユリアンの言葉>>93を受けてかそんな呟きが漏れる。
本人が後で苦しむと言う所は甘やかしている心算が無い為
理解できず聞き漏らしている]
…っていうよりは、
一本しかもってないように見せたのかしら。
[二刀流、にそんな言葉を返した。]
ユリアンさんが二本持ってきていたとしても、
一本はここにあるわけだし。
ユリアンさんは、ギュン爺……というよりは、お客さんが
何をいくつ手に入れたかなんて表立って吹聴するような人ではないでしょうし。
[自分が届けたものと、それが結びつかない限りは
どちらか一本しか所持していないように見えなくない。]
…ん、やっぱり二人で行きましょう。
[体力面では十分問題の無い相手だが、
知恵が回る翁の上に、銀が相手となると、
よりこちらが優位に行動した方が良いかと思いそう告げた。]
[思いを吐き出し外へ駆け出していくミハエルにはちらりと視線を送り]
…………若いねぇ。いや、仕方ない……とも取れるか。
[親兄弟と離れ、独りでこの村にいるというミハエル。
信じる拠り辺のない身にとって、この状況は聊かキツイか。]
…………はぁ、まったく世話の焼けるこって。
[煙草を銜えたまま億劫そうに立ち上がると、扉の方へと歩いていく。]
あー、ちゃんと俺らの分の飯は残しとけよ。
[残っている面々にそう言い残すと、追いかけた面々に続き捜索に出る。]
―宿屋―
[妻の了承を得て、追いかけようとするものの
既に何人かが追い掛けており]
あ、でおくれちゃった……―――
[しゅん――と頭が垂れた。
妻とひそひそ話をしていたユリアンも、
自分に任せてみようかという色が見えた為
ポツリと彼と妻に聴こえるように零す言葉。]
ミハエル君は、狼ではないのは識ってるよ
って謂ってあげたら落ちつくかと思ったんだけどなぁ。
自分が疑われるってことも、怖いんじゃないのかな?
[出遅れた男は、ゲルダの言も合って所在なく立ち尽くしている。]
[後を追う者もいる中で、女はその場から動かなかったのか、動けなかったのか。
伸ばした手を緩く握り、開いて、引き戻し、頬に当てた]
無理してはだめって、言ったのに。
[大人びて見えても、この場では最年少の彼。
案ずるように、扉の外を見遣った]
─ →湖畔─
[駆けて辿り着いたのは自宅からは離れた湖畔。
息を切らせて足を止めると、水際へとしゃがみ込んだ]
……Мама……。
[湖面に映る自分の顔。
母譲りの翡翠の瞳を見て小さく呟いた。
滴がぽたりと地面に落ちる]
ミハエル、君…!
[ゲルダやベッティに比べて力はある方だと思ってはいるが、足はそう早くない。
振り返ることなく走っていく背中をなんとか見失わないように追いかけるのが精一杯で。
共に追いかけている幼馴染の後を追うような形になった。]
[そうして、捜索に出たわけだが。]
……あー、どこ行きやがったクソガキ。
[探す場所は見当違いで、果たして見つけられるは何時になるやら。
否、そもそも見つけられるのかすら*不明*。]
[宿代に関してはアーベルとベッティに任せておけば
問題なさそうだった。
アーベル>>87に向き直り]
で、お前さんの女神様とやらはなんて?
[厩舎じゃなければ問題ないだろうと
首を傾げ彼の選んだ部屋は何処かと問う。
ゼルギウスの言葉>>91には苦く笑い]
平等に愛するなら良いんだろうさ。
嗚呼、欲を禁じられているからな。
………、お前さん相手だとなんか説明が難しいな。
[困ったようにイレーネへと助けを求めた]
私は、どうしようか……―――
何か、役立てることがあると、いい。
[ギュンターが銀の刀を2本所持してると識ってしまえば
2人に対する心配は容量を超えてしまいそうなほど。]
一本でも十分めんどくせぇのにな。
[同胞の提案にはゆると頷き]
その方が確か、か。
[二人で行く事には同意の言葉を向け
ふ、と黙った儘のヴァイスルヴに意識を向ける]
ヴァイス、良いか?
無論、グラォシルヴには傷一つ付けさせやしねぇ。
何かあったら身を呈してでも守る心算だ。
─ →湖畔─
[追いかけた先は少年の屋敷の近くの湖畔だろうか。
息が上がってる様子に気が付くと、もっと早く駆けつけようと脚を早めたまでは好かったけれど。]
……!
わ!
[彼の視野に入るところ、娘は盛大に転んだ。恐らくは情けない姿を見せてしまったかも知れず。]
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